コイルに蓄えられるエネルギー
コイルに蓄えられるエネルギー これは、ばねを自然長から x の位置まで力を加えて伸ばしたときの仕事です。仕事をした距離は x で、伸びたときの弾性力は kx ですが、その仕事の量はそれらを掛け合わせた kx 2 ではなく \(\large>\) kx 2 です。仕事をし始めるときの力の大きさが kx ではなく 0 なのでこのような形になります。力が 0 から徐々に大きくなって kx
これは、ばねを自然長から x の位置まで力を加えて伸ばしたときの仕事です。仕事をした距離は x で、伸びたときの弾性力は kx ですが、その仕事の量はそれらを掛け合わせた kx 2 ではなく \(\large>\) kx 2 です。仕事をし始めるときの力の大きさが kx ではなく 0 なのでこのような形になります。力が 0 から徐々に大きくなって kx となります。このようなときの仕事は kx 2 でなく \(\large>\) kx 2 です。
電圧 V の電池につないで Q の電荷を貯めたときのコンデンサーに蓄えられるエネルギーは \(\large>\) QV です。
これは Δ Q の電荷を1つずつ運んだ場合の仕事です。始めの1つ目は電場が無い状態なので運ぶために力を入れる必要がなく仕事は 0 です。最後の電荷を運ぶときにやっと仕事が V Δ Q となり、最初から最後までのトータルの仕事が \(\large>\) QV であり、これがコンデンサーに蓄えられるエネルギーです。 QV ではありません。
コイルに蓄えられるエネルギーを求める上でランプの例を挙げましたが、スイッチを開いたときのランプの明るさの度合いは、その前の定常電流の大きさに比例するものでした。定常電流が大きいときほど、それが 0 になったときとのギャップが大きくなり、自己誘導起電力が大きくなり、ランプが明るくなる、というものでした。ですので、コイルに蓄えられるエネルギーというものは、電流を 0 から定常状態まで上げていったときにした仕事の量、と考えることができます。この仕事によってコイルに磁場ができ、(磁場が作られること以外に仕事の行き場は無く)、スイッチを開いたときにはこの磁場が無くなることにより、ランプが明るく点灯します。(ランプの明るさは L にも比例しますが、 L は固定された値です)。
電位差 V の区間において、 q の電荷を運ぶときの仕事は W = qV です。 (仕事)=(電荷)×(電位差=起電力)です。
電流というのは単位時間当たりに流れる電荷の量のことです。ということは電流に時間を掛けると電荷の量になります。 I という大きさの電流が流れているとき、短い時間 Δ t の間に流れる電荷の量は、 I Δ t です。
自己誘導起電力の大きさは L \(\large>\) です。* 自己誘導起電力にマイナスを付けてないのは、ここでのエネルギーに関しては正負をあまり気にしなくていいと思うからです。 もし厳密に正負を気にして計算するとなると、 仕事というのは起電力に逆らって力を入れて進むということだから、起電力にマイナスが付いているならそのさらにマイナスが力の方向で、結局仕事の正負はプラスになる、 となります。 つまり計算結果は正負を考えない場合と同じになるということです。 これを重力による位置エネルギーの話に例えると、 一般に高い位置にある方がエネルギーは大きいと考えるから上向きが正と定めることができ、そうすると重力の向きはマイナスであり、仕事をするときは重力に逆らうのだから力の向きはさらにマイナスでそうすると結局仕事はプラスになる、 という感じです。
(仕事)=(電荷)×(起電力)ですから、短い時間 Δ t の間に電荷を運ぶのに要する仕事 Δ W は以下のようになり、
Δ W = I Δ t × L \(\large>\) = LI Δ I (これは下のグラフでいうとグレー部分の面積のこと)
定常状態になった電流を I 定 としますと、仕事の総量 W は、
傾きが 1/3 の部分は、自己誘導起電力も 1/3 であり、
電荷が3列あっても 1/3 に減る、と考えることもできます。
隙間なくきれいに並べたものが上で示した LI - I グラフです。
というわけで、仕事の総量は t と無関係であり、
この仕事の総量がコイルに蓄えられるエネルギーであると考えられるので、上の①式の W を U に、 I 定 を I に換えて、改めて書き表すと以下のようになります。
コイルに蓄えられるエネルギー
U = \(\large>\) LI 2
これが、定常電流が流れているときのコイルに蓄えられているエネルギーです。電流が 0 のときと比べたときのエネルギーです。電流が流れてないときはエネルギーは 0 です。電流が半分しか流れてないときはコイルに蓄えられているエネルギーは 1/4 です* I が 1/2 になれば、\(\large>\) LI 2 は 1/4 になります。 閉じる 。
電流を増やしていってコイル内の磁場を増やして、突然電流を 0 にするということはそのようなことに例えられます。コイル内に溜められた磁場のエネルギーが解放され、ランプや抵抗器で消費される、と考えることができます。コイルに蓄えられるエネルギーのことを磁場エネルギーと呼ぶこともあります。
このとき、巻き数が多くて、長さが長くて、断面積が大きい、すなわち自己インダクタンス L が大きいコイルというのは、ばねでいうところのばね定数 k が大きいこと(強いばね)に相当するといえます。エネルギーをたくさん溜め込めます。