長崎原爆の爪痕を残していた浦上天主堂。解体されて「幻の世界遺産」になった理由は?
「原爆の恐ろしさを伝える歴史的資源にするべき」と市議会では保存を求めていた。長崎原爆の日に振り返る。
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「私は卒直に申し上げます。原爆の悲惨さを物語る資料としては適切にあらずと。平和を守るために存置する必要はないとこれが私の考え方でございます。この見地に立ちまして、今日浦上天主堂が早く元の姿に復興して、信者の将来の心のよりどころとして再建したいというこの希望に対しましては、私としては全幅の支援をし一日も早くそうした教会堂が出来上がることをこい願っております」
(平和文化研究 第32集 「旧浦上天主堂被爆以降の存廃に関する公的な議論」より)
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■幻の世界遺産に…
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天主堂は、被爆後の13年間、最も象徴的な被爆遺構であった。そして、半ば崩れ落ちた煉瓦壁や、鼻先や指先を爆風に吹き飛ばされ、熱線に傷ついた聖像たちは、あの瞬間の恐怖を、無言のうちに語り続けたに違いない。天主堂は、原爆の極限的な破壊をありのままに示した歴史遺産になったであろう。しかし、今となっては、それは幻の世界遺産なのである。
(「長崎 旧浦上天主堂 1945-58 ― 失われた被爆遺産」岩波書店)
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熱線で傷ついた聖人像たち。再建された浦上天主堂の周辺にある
John S Lander via Getty Images
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