気管カニューレ・気管切開孔の管理【交換手順・緊急時の対応】
気管カニューレと気管切開孔の管理についてまとめております!看護の勉強や在宅での管理における知識としてお役立て頂けると幸いです!
気管カニューレの看護って、経験しないと結構怖いですよね。 人工呼吸器の患者さまの場合、カニューレが抜けてしまうと、呼吸が停止してしまうリスクがあり、最悪の場合は死亡につながる可能性もあります… 先輩看護師と一緒に実際のケアを繰り返せば、不安なく看護ができるようになると思いますが、体で覚えるだけではなく、事故防止のために知識をつけておくことは必ず必要です。 大きな事故を起こさず、患者さまの安全・安心を守り、自分自身を守るためにも、あらためて気管カニューレについて学んでみましょう。
気管カニューレとは 気管カニューレの目的 気管カニューレの概要 気管カニューレの種類気管カニューレには「単管」と「複管」がある。 痰が多い、また、長期にわたる呼吸管理が必要な療養者には「複管」を用いることが多い。 人工呼吸器の使用や、誤嚥リスクがある場合は、カフ付きの気管カニューレを選択する。
気管カニューレの適応- 換気が不十分で、長期にわたる呼吸管理を必要とする場合。
- 意識障害などで、誤嚥や舌根沈下による窒息が考えられる場合。
- 気道分泌物の喀出が自力では困難な場合。
- 在宅では、神経難病、長期の意識障害、慢性呼吸疾患、重度の脳血管障害の後遺症などがある場合。
- 気管カニューレ
- 消毒綿あるいは滅菌綿棒
- 消毒液(0.025%ザルコニン液など)
- 滅菌ガーゼ
- カニューレ固定用綿テープ または、固定用ベルト
- キシロカインゼリー または、付属の潤滑剤
- カフ用のシリンジ(10ccなど)
- カフ圧計
- 吸引器
- 手袋
- 手を洗う。
- 気管カニューレの交換について患者に説明し、同意を得る。
- カフが確実に膨らむか、空気が漏れていないかを確認する。気管カニューレに固定用綿テープを取り付け、挿入部にキシロカインゼリーを塗る。
- 気管カニューレの抜去時に気道分泌物が期間内に流入しないように、上部にたまっている分泌物を吸引する。
- 挿入されている気管カニューレの固定用綿テープを外す。カフの空気をシリンジで抜き、手早く気管カニューレを抜去する。
- 痰がある場合は吸引しながら、気管切開部に炎症、出血、肉芽などが無いかを確認する。
- 消毒液で気管切開孔周囲を消毒する。イソジン液は皮膚への刺激が強く肉芽形成の原因となるリスクがあることかた使用しない方が良い。
- 気道を損傷しないよう、気管カニューレをゆっくり挿入する。
- 気管切開部に滅菌ガーゼを当て、綿テープまたはベルト(カニューレバンド)で固定する。交換中に咳などで抜けないように、カフを膨らませるまでは気管カニューレの端を介助者の指で押さえておく。
- カフのふくらみ具合を確認し、交換終了。
- 気管カニューレ装着の目的と今後の見通しについて、医師・看護師から患者と家族に説明する。
- 在宅療養に向けて、病棟看護師は訪問看護師、地域医療連携看護師と連携し、在宅で必要な気管カニューレのケアについて患者・家族に指導する。その際、ケア技術の習得状況と合わせて、在宅での気管カニューレ装着に対する患者・家族の理解状況についても適宜把握をする。家族・介護者の理解度に合わせてパンフレットを作成することも有効である。
- また、気管カニューレの交換などの管理に必要な衛生材料と入手方法を患者・家族に説明し、準備をしてもらう。退院してからも、心配なこと、わからないことがあれば、訪問看護師に相談できることを伝える。
- 気管切開孔周囲の皮膚障害
- カフ漏れ、カフ損傷
- 気管カニューレの閉塞や内腔の狭窄が疑われる
抜けた気管カニューレのカフの空気を抜いてそのまま挿入し、医師に報告、指示のもと対処する。抜去の経緯を確認し、再発防止に努める。 気管カニューレの内筒を外して洗浄し、観察・アセスメントを行う。 症状が改善されない場合は、医師に報告し指示のもと対処する。
気管カニューレの固定方法- カニューレバンド(マジックテープ付き固定ベルトの場合)
- 気管切開部を常に清潔に保てるように汚染を除去し、分泌物による炎症や感染を予防する。
- Y字に切り込みを入れた滅菌ガーゼを気管カニューレと皮膚の間に挟むと、切開孔周囲の汚染が防げるので有効である。気管カニューレが安定するようにガーゼを2枚重ねにする等、厚さを調整すると良い。
- 気管カニューレの適切なカフ圧は20~25cmH₂Oである。療養者の状態に応じてカフ圧を設定し、適切に保てるように管理する。
- カフ圧は、耳たぶの柔らかさのふくらみ程度が目安とされているが、手の感触による調整には個人差があるため、カフ圧計の使用が望ましい。
- カフ圧が低すぎると、唾液や分泌物の気管の垂れ込みによる誤嚥や、人工呼吸管理においてエアリークなどが生じる危険がある。反対に、カフ圧が高すぎるとカフと接触している気管粘膜の壊死や出血、肉芽形成の危険がある。
- 気道確保と感染予防のため、最低1日1回は気管カニューレ内筒を清掃する。内筒に付着した分泌物は、洗浄用ブラシやガーゼ等を用いて洗い流す。その後、薬液消毒し、生理食塩水や滅菌蒸留水で洗い流す。
- 吸引しても痰の絡みがあるときには、内筒を外して吸引すると除去できることがある。この時、吸引カテーテルが気管切開チューブの開窓部から突き出て、気管壁を損傷する恐れがあるので注意する。
- 入浴時は気管切開部をタオルでガードしたり、シャンプーハットに切り込みを入れたものを当てるなど、気管切開孔からお湯が気管に入らないように工夫する。
- 入浴後は気管切開孔を消毒し、洗えなかった部分は清拭する。その後、清潔なガーゼで保護する。
- 在宅療養では、家族や介護者にも入浴時の注意点を指導する。訪問入浴サービスを利用する場合は、事業者との間で十分な情報交換を行い、連携を図る。
- 気管カニューレの管理は、介護者への負担が大きく、家族・介護者の疲労は大きい。訪問看護師は、介護相談や指導を適宜行い、家族の負担を軽減できるように努める。また、患者や家族の状況に応じて、訪問回数を増やしたり、電話での相談や指導、緊急訪問などを行い、介護の状況を把握する。
- 在宅療養をどのようにサポートしていくと良いか、療養の継続が可能かどうか等、患者・家族・主治医などの関係者と適宜話し合いの場を持つことが重要である。
- カフ圧が適切かどうかを1日1回は確認し、異常の早期発見に努める。カフ漏れやカフ損傷がある時は、原因を確認する。気管カニューレの閉塞や内腔の狭窄が疑われるときは、加湿、ネブライザー、呼吸理学療法などを取り入れ、排痰を促して痰を吸引する。
- 在宅療養では、緊急時に備えて、予備の気管カニューレを自宅に用意しておく。気管カニューレが抜けた場合は、医師に報告して指示を受ける。状況により、緊急時対策として新しい気管カニューレに交換する。再挿入困難な場合は、医師に報告する。
- バイタルサインの異常、意識レベルの変化、チアノーゼの出現、SpO2の変化など呼吸状態の異常がみられるときは、主治医に報告し、指示を受ける。
角田直枝編集:知識が身につく!実践できる!よくわかる在宅看護. 2012, 学研, p75-81.
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2011年 千葉県鴨川市の亀田総合病院にて従事 2017年 訪問看護ステーションに就職 病院看護6年、訪問看護6年経験