送風機の性能曲線
送風機(ファン)の能力は、送風機の種類や大きさなどの形状によって決まる部分と、運転状態によって決まる部分とがあ
送風機が並列に接続されている場合、複数台設置の総合特性は理論上同一圧力時の風量の和で表せる。つまり、同一能力の送風機を2台並列設置した場合、静圧は1台の時と変わらず、風量は2倍になる。実際は、同ダクト上で送風すると風量の増加により圧力損失が増加するため、吐出時の風量は2倍より小さくなる。並列運転とすると、片側のポンプが故障した場合など非常時に、1台のみでも運転することが出来るのでバックアップ機としてのメリットもある。また並列運転の場合、送風機の能力特性に差があると容量の大きい送風機の圧力に容量の小さい送風機が押し負けて、逆流となってしまう可能性もあるため、基本的には同容量の送風機とすることが望ましい。なお、並列運転の運転方式は大きく並列交互運転方式と単独交互運転方式とがある。
送風機接続イメージ
性能曲線
直列運転する場合送風機が直列に接続されている場合、複数台設置の総合特性は理論上同一風量時の圧力の和で表せる。つまり、同一能力の送風機を2台直列設置した場合、風量は1台の時と変わらず、静圧は2倍になる。実際は、複数の送風機を通過させることで台数分の圧力損失が増えるため 、吐出時の圧力は2倍より小さくなる。 直列運転とすると、同風量のままでの加圧(ブースト)が可能になる。直列運転の吐出側の送風機をブースター機と呼ぶ場合もある。ブースター機は吸込圧力が大きくなるので、前段の送風機より耐圧性が高いことが求められる。
送風機接続イメージ
性能曲線
また直列運転の場合、吐出風量に差があると逆流の原因になるので同容量の送風機とすることが望ましいが、ブースター機は枝分かれする系統ごとに加圧用で設置する場合などもあるので、必ずしも同容量の送風機である必要はない。送風機の始動順序は、ブースター機を先に始動すると、停止している前段の送風機が抵抗となって、吸込損失が増加するので、前段の送風機を先に始動する。 なお、多段式送風機も直列運転と同様の考え方で、送風を複数の羽根車内に通すことで加圧していく。
性能曲線図の各項目について
風量(CAPACITY)風量とは、送風機によって運ばれる、単位時間あたりの空気量のことをいう。この空気量は大きさ基準の体積流量であり、主に立方メートル[m 3 ]で表記される。単位は、1時間当たりの空気量[m 3 /h]([CMH]ともいう)、または1分間当たりの空気量[m 3 /min] ([CMM]ともいう) が主に利用されている。
全圧(T.P)と機外静圧(S.P)圧力とは、送風機によってかけられる、空気を送り出す力のことをいう。全圧は、送風機によってかけられる全ての圧力を示し、機外静圧は、送風機出口での静圧のことをいう。送風機における圧力では、空気の流れ方向に働く空気の移動に関わる圧力を動圧、空気の流れ方向と垂直に働く圧力を静圧という。動圧は、空気を動かす力を指すので運動エネルギーによる圧力として速度圧とも呼ばれている。動圧を維持して目的地に送風するためには、ダクトを通過する際に摩擦によって失われてしまう圧力(=圧力損失)を考慮し、機外静圧を決定する必要がある。
軸動力軸動力とは、電動機が回転するエネルギーをいう。電動機(モータ)とは、電気エネルギーを力学的エネルギーに変換する装置のことで、電源から投入された電気エネルギーを入力(INPUT)、電動機によって変換された力学的エネルギーを出力(OUTPUT)という。出力=軸動力であり、力学的エネルギーが電動機を介して送風機の回転に利用される。
電動機効率(MOTOR EFF.)電動機効率[%]=出力[kW]/入力[kW] ×100
全圧効率・静圧効率(FAN EFF.)全圧効率[%]=(風量×全圧/軸動力)×100 =(風力[m 3 /min]/60×全圧[Pa]/(軸動力[kW]×1000)>×100 =風力[m 3 /min]×全圧[Pa]/(軸動力[kW]×60,000)×100※静圧効率の場合は、全圧を静圧にして計算する。
電圧(VOLTS)と電流(CURRENT)電圧[V]は、電子を流すための力をいい、送風機に利用する電動機の電源電圧は100V・200Vのほか400V前後である場合もある。直流モータの場合などで電源電圧から電動機用に電圧を変更する場合は、送風機側で変圧器を入れて電圧を変更する。小型送風機であれば変圧器内蔵のものもあるが、大型送風機であれば別置きで変圧器の設置する必要がある。
一般需要家に供給されている電圧は100Vまたは200Vである。有資格者が保安維持する高圧受電設備を持つ需要家は高圧電気を変圧して利用しているので、100Vや200Vでない400V前後の電圧も利用できる。
電流[A]は、電線のある断面を1秒間に流れる電子の数をいい、出力[W]同様に送風機の運動状態によって変動する。入力電力は、上述の電圧と電流によって決まり、入力電力が等しい場合は高電圧であるほど電流を小さくすることができる。電流が小さいと電流の配線の口径が小さく熱損失も少なくなるため経済的ではあるが、大電圧であるほど危険性が大きくなるため一概にどちらが良いとはいえない。
入力電力[W]=電圧[V]×電流[A]
回転数回転数(回転速度ともいう)とは、単位時間あたりの送風機の回転数のことをいう。単位は、1分間当たりの回転数[min -1 ] ([RPM]ともいう) が主に利用されている。理論上、送風機の風量(流量)は回転数に比例し、全圧(全揚程)は回転数の2乗に比例し、軸動力は回転数の3乗に比例するため、回転数がn1からn2に変化した場合の各値は以下のようになる。
極数極数とは、電動機のもつN極とS極の総数をいう。N極とS極が1セットで2極、2セットで4極、3セットで6極…という様になるので基本的に極数は偶数になる。単位は、極またはP(ポール)で表示される。周波数などが同条件の送風機の場合、極数が少ないほうが回転数を上げることが出来る。回転数が多いと風量や圧力、軸動力が上がるため、基本的には極数を最小とすることが望ましい。さらに極数が小さい方がコンパクトでかつ、イニシャルコストもライニングコストも低い傾向にある。ただし、極数が小さいとトルク(送風機が回転する力)が小さくなるため、極数が小さいと回転が停止してしまう要因になる。よって大容量の送風機の場合は極数を多くしている。なお、送風機の極数は一般に4Pであることが多い。
周波数周波数とは、電流の流れ方向が1秒間に何回切り替わるかを示す数値で、単位は[Hz](ヘルツ)になる。電流の流れ方向が切り替わるのは交流(AC)電流の場合であり、電流の流れ方向が一定の直流(DC)電流の場合は周波数はない。交流電流は電流の流れ方向の切り替わりを利用してモーターが回転するので、周波数と回転数には関係は以下のようになる。
回転数[min -1 ]=周波数[Hz]×60×(2/極数)×(100-滑り)[%]
2Pの場合電流の流れ方向の切替1回で1回転
4Pの場合電流の流れ方向の切替2回で1回転
直流送電と交流送電電力供給業者によって発電、変電を経て各所に送電される電気は交流電流である。電源周波数は、東日本で50Hz、西日本で60Hzである。電源周波数のまま送風機の運転に利用することを商用周波数運転、反対にインバーターなどの周波数変動装置を利用しての運転をインバーター運転などと呼ぶことが多い。
交流電動機(ACモーター)の同期電動機と誘導電動機について 直流電動機(DCモーター)について ダクトの支持や固定について チラーやクーリングタワーの能力選定Copyright © yu-note All Rights Reserved.