偽経とは偽のお経?偽経について分かりやすく解説
偽経とは偽のお経?偽経について分かりやすく解説

偽経とは偽のお経?偽経について分かりやすく解説

葬儀や法要の際には、僧侶に依頼してお経を読んでいただくことが一般的ですが、偽経という言葉はご存じですか。あまり耳にしたことがない方も多いかと思います。そこでこの記事では、偽経について詳しく説明していきます。この機会に、偽経というものについて

そもそもお経とは、仏様が説かれた教えを記録したものでありその数は非 常に多く、別名経典とも呼ばれます。膨大な量の経典は、 「サンスクリット」 と呼ばれる古代インドの文字で記載されていました。偽経は、原典をそのまま漢訳しただけの経典というわけではなく、原典から述作して漢語で記したものや、漢語に翻訳された経典から抜粋して記された経典のことです。偽経には中国だけでなく、日本や朝鮮において記載されたとされるものもあります。

真経と偽経の違い

経典は、2世紀頃から中国で漢語へと翻訳され、三蔵に分類されました。具体的には、お釈迦様の教えである「経蔵」と戒律である「律蔵」、教えや戒律についての解釈や注釈である「論蔵」に分かれていたのです。その後は 「大蔵経(だいぞうきょう)」 として総集されました。大蔵経は、別名「一切経(いっさいきょう)」とも呼ばれ、大蔵経に収録されているお経を「真経」と呼ぶのに対して、大蔵経に収録されていないお経を「偽経」と呼びます。つまり簡単に真経と偽経の違いをいえば、インドで選ばれた話か、それとも中国で選ばれた話なのかの違いということになります。真偽が重視されたのは、お経の目録を作る上で、出所を明確にさせるためだとされています。よって、内容に誤りがあるということではありません。大蔵経に収録されていないものを偽経としますが、収録されていなくてもお釈迦様の教えについて説いていることには違いないとされています。

真経とは

お経の原型ができたのは、お釈迦様の死後だいぶ経ってからと言われております。それまで語られてきた教えを、お互いの記憶を確認しながら編集して記録したのがお経の始まりだとされています。そもそも、お釈迦様の教えをそのまま明確に伝えているお経自体、元々無いといった説もあります。真経とは、元からあったサンクリット語の経典を翻訳したもののこととされ、大蔵経に収録されているもののことです。

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偽経の成り立ち

また、仏典漢訳の際に中国思想を多く盛込んだ経典も出現しました。後々、仏教経典の目録作者はそれらを 「偽経」 あるいは 「疑似経典」 と呼び、インドから伝わった仏典とは区別し、経録から除外してしまったのです。しかし、偽経の内容は中国人の意識をよく表現していると考えられており、近年はその学術的価値が見直されています。

日本人の行事に根付いた偽経「盂蘭盆経」

お盆

盂蘭盆会は、古くからお盆として広く親しまれている夏の仏教行事になります。地域によっては、 「魂祭り」 や 「精霊祭り」 などとも呼ばれています。東京や一部の地域では、7月15日を中心に7月13日~16日の4日間の時期がお盆の期間です。地域によっては、1カ月遅れである8月に行われるところもあります。

旧暦7月15日は 「解夏(げげ)」 と呼ばれる安居が開ける日であり、日本では7世紀頃から宮中の行事として盂蘭盆会が始まったとされ、その様子が「日本書紀」に記載されています。日本における盂蘭盆会は、盂蘭盆経の教えと日本古来の先祖の霊を救うという「祖霊信仰」が合わさり、貴族や武士を中心に広まっていったとされています。現在のような盆棚や精霊棚を用意して棚経を上げていただいたり、迎え火や送り火をしたり、盆踊りなどの風習が一般的に行われるようになったのは江戸時代の頃からであると言われています。

お中元

一般的にお中元を贈る時期は、 7月初旬から7月15日にかけて と言われております。地域によっては8月に盂蘭盆会が行われ、このような地域では8月にお中元を贈ることもあるようです。

盂蘭盆経の教えと中国で行われる道教の中元節の教えが習合したものが、お中元の風習だとされています。お中元とは旧暦7月15日に、親戚や近所にご先祖様にお供えした食べ物や果物などを配ったり、お供え物を届けたりした 「盆礼」 または 「盆供」 と呼ばれる風習でした。その後江戸時代に入り、取引先やお世話になった人に贈り物を送る 「中元」 となっていきました。現在でも地域によっては、お中元ではなく「盆礼」や「盆供」という言葉を使う地域もあるそうです。

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「盂蘭盆経」の内容

「盂蘭盆」ということばの語源は、サンスクリット語で「逆さ吊り」を意味する「ウラバンナ」だと考えられています。なぜ「逆さ吊り」のような恐ろしいことばが使われているのか疑問に思った人もいるかと思います。この理由としては、盂蘭盆経が説いている親孝行についての逸話に由来しているそうなので、その内容を紹介します。

お釈様にはたくさんの弟子がいて、その中でも「十大弟子」と呼ばれる優れた10人の弟子がいました。目連という十大弟子の一人は、神通力第一と称される能力の持ち主であの世まで見通す力を手に入れました。目連がその力を利用して亡くなった母親の姿を確認したところ、なんと母親が餓鬼道に堕ちてしまい、逆さ吊りとなっていたそうです。

目連は自分を懸命に慈しみ育てた母親が、餓鬼道に堕ちていることに驚きました。実は母親は目連が托鉢(たくはつ)に訪れた際に、我が子に多くの食べ物を与え、他の僧侶には何も与えなかったという慳貪(けんどん=物惜しみ)の罪を犯していたのです。目連は飢えと渇きで苦しむ母親を救おうと、餓鬼道へと飲食物を送りますが、母親の目の前で凶器や灰になってしまい、結果的にさらに母親を苦しめてしまいました。

嘆き悲しんだ目連がお釈迦様に相談し、お釈迦様は「自分の力を使う相手は母親だけでなく、母親と同じように苦しむ人々を救うために使いなさい。」と目連を諭したのです。その時期は、雨期に僧侶が修行をする安居(あんご)が行われている最中でした。そこで目連は、修行を終えた僧侶たちに食事や寝床を与えて大切にもてなすことにしました。すると修行僧たちの喜びが餓鬼道にまで伝わり、結果として母親が救われたそうです。

盂蘭盆経は、慳貪という罪の重さや自分だけのためでなく困っている人に功徳をすることの大切さ、ご先祖様をはじめ身近な人や縁のある人を大切に思い、供養することの重要性などを説いています。

その他の代表的な偽経

父母恩重経

父母恩重経(ぶもおんじゅうきょう)とは、別名「父母恩重難報経」とも言われ、ひたすらに父母の恩に報いるべきという、 儒教的な教えを説く偽経の1つとされています。中国に古くからある孝の思想を取り入れて、 仏教を信頼して心身共に教えを実行することを説いたお経 であると言われます。

老子化胡経 十句観音経

大乗経典の観音経系経典に属し、特徴としてはわずか42文字のもっとも短い経典として知られています。中国大陸のウイグル地方で成立した高王観世音経(高王白衣観音経)との関係が強い偽経でした。しかし、ただ何度も唱えるだけでご利益を得られるとされており、人気が高いものになります。

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偽経の評価される面

偽経についてのまとめ

  • 大蔵経に収録されているお経を真経と呼び、収録されていないお経を偽経と呼ぶ
  • 盂蘭盆会は、古くからお盆として広く親しまれている夏の仏教行事のことである
  • 偽経はお釈迦様の教えをどう解釈していたのか研究する材料となる貴重な存在

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監修者

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

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