「反応速度論」って何?理系学生ライターが丁寧にわかりやすく解説!
ここでは、化学反応が進行するスピードの大小を定量的に表す方法を考えましょう。スピードを比較する場合には、単位時間あたりにどれだけの量の物質が反応したか(増減したか)を知ることができると良さそうです。ただ、このときに反応した物質の量で比較すると、問題が発生します。同じ化学反応であっても、用意した反応物の量が異なれば、値が変わってしまうからです。このような理由から、反応速度の定義は「単位時間あたりに化学反応によって増減した物質の濃度」とされるのが一般的ですよ。
言葉での説明だけでは、理解しずらいかもしれませんので、具体的な数字を使って考えてみましょう。反応物Aの濃度がある瞬間に0.60[mol/L]で、その十秒後に0.55[mol/L]になった場合の平均反応速度の値を求めます。反応物の量は、化学反応の進行に伴って、減少していきますよね。ですから、今回は減少のスピードで表現します。したがって、反応物Aは10秒間で、0.050[mol/L]減少していることから、反応速度は0.050[mol/L]÷10[s]=0.0050[mol/L・s]となるのです。
実際の反応では、反応速度の値は時々刻々と変化します。正確な反応速度を測定するには、できるだけ時間間隔を小さくとって、濃度を測定する必要がありますよね。これは、力学で学習する平均の速度と瞬間の速度の概念と全く同じです。ですから、反応速度の正確な定義は濃度を時間で微分したものということになります。計算式で表すと、v=-d[A]/dtとなりますね。ここで、[A]は反応物Aの濃度を表していますよ。
反応速度の規則性
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ここでは、反応速度の値がどのような規則で増減するのかを考えていきましょう。例えば、aA+bB→cC+dDという化学反応が存在したとします。この化学反応の反応速度vは、多くの場合v=k[A] α [B] β の形で与えられますよ。α+βの値を反応の次数と言います。このとき、α=a、β=bが必ずしも成立するとは限りませんので、注意が必要です。
また、kは温度や触媒の有無に依存する定数ですよ。k=Aexp(-E/RT)という式で求めることができます。この式はアレニウスの式と呼ばれ、Aは頻度因子、Eは活性化エネルギー、Rは気体定数、Tは絶対温度です。頻度因子Aと活性化エネルギーEの値は、反応によって固有の値を示しますが、触媒の有無で値が変化します。
そして、この式から、温度Tの値が大きくなるとkの値が大きくなることがわかりますよね。温度が高くなると、分子の運動が激しくなり、分子同士の衝突回数が増加します。これにより、化学反応が促進されるからです。以下では、代表的な反応速度と濃度の関係式を紹介します。今回は、単純化のため逆反応は考えません。