【鉄鉢の中へも霰】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!
【鉄鉢の中へも霰】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!

【鉄鉢の中へも霰】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞・作者など徹底解説!!

日本の伝統文化「俳句」。 俳句には、五七五の定型を守る「定型俳句」と、自由な言葉の流れで作る「自由律俳句」があります。 「自由律俳句」は決まったリズムがなく、読み手が自由に俳句を想像し楽めるこ

五七五のわずか17音という非常に短い言葉の中にさまざまな感情や思いが込められた「俳句」。 今回は、「自由すぎる俳人」として有名なを紹介していきます。 深い… 種田山頭火を彷彿とさせる自由な句である。 これからも注目していきたい姪っ子9才。 pic.twitter.com/YLHSRWiFJb .

季語

この句の季語は 「霰(あられ)」 、季節は 「冬」 です。

「霰」は、雪の結晶に雲の水滴が付着してでき、 白く小粒の玉となって降ってくる氷の粒のこと です。

しかし、こちらの俳句は自由律俳句のため、 季語なしの「無季句」と考える説が一般的 です。

山頭火自身が歩んで来た俳句人生を考えると、 季節にとらわれずに自分の思いを自由に表現した と考えられます。以上の理由から、こちらの俳句は季語を持たない「無季句」であると言えます。

意味

こちらの句を 現代語訳 すると…

「とても寒い冬の日、托鉢(たくはつ)に歩いている。霰(あられ)が空から落ちてくる。その霰が鉄鉢の中にも落ち、入ってくる。」

「鉄鉢」とは、 僧侶が托鉢のときに食べ物などを受け取る際に用いられる鉄製の丸い鉢のこと で、仏道修行の象徴とされています。また、「托鉢」は、僧侶が経を唱えながら歩き、各家の前に立ち、食べ物や金銭を鉄鉢に受けて回ることです。

山頭火は冬の寒い日に托鉢をしていました。すると、パラパラと霰が降ってきて山頭火が手に持っていた鉄鉢の中にも霰が入ってきたという句です。 空の鉄鉢に音を立て霰が打ち付ける様子が想像でき、寒さが感じられます。

この句が詠まれた背景

この句は、 福岡県北九州市の遠賀川の河口にあたる芦屋町を托鉢していたときに詠んだ句 と言われています。

この句は昭和 7 年( 1932 年)、山頭火が 50歳の頃に詠んだ句 であり、俳句雑誌『層雲』の昭和 7 年 3 月号で初めて発表されました。

昭和7年1月8日【今日はだいぶ寒かった。一昨六日が小寒の入、寒くなければ嘘だが、雪と波しぶきとをまともにうけて歩くのは行脚らしすぎる】

「鉄鉢の中へも霰」の表現技法

自由律俳句

俳句には、伝統的な五七五の定型を守り花鳥諷詠の美学をもつ「定型俳句」と、 字数・季題にとらわれずにことばの調べによって作られる「自由律俳句」 があります。

自由律俳句は、 無駄を全て除いた「一行詩」 として、世界で最も短い詩形であるとされています。

「霰」の体言止め

体言止めは、 語尾を名詞や代名詞などの体言で止める表現技法 です。

「霰」と言い止める表現にすることで、 パラパラと鉄鉢の中で跳ねる霰の存在がより強調されています。

「鉄鉢の中へも霰」の鑑賞文

山頭火は「鉄鉢の句について」と昭和 8 年に自句自解している中で、 「煩悩や甘えを脱し切れない自分を打つ霰」 と言っています。

何も得られず悲しい状況の中、自分を打ち、鉄鉢に入る霰を見ながら歩き続ける山頭火の姿が思い浮かびます。

作者「種田山頭火」の生涯を簡単にご紹介!

種田山頭火は、明治 15 年(1882年)山口県佐波郡西佐波令村、現在の山口県防府市に生まれました。 本名は、種田正一 ( たねだしょういち ) といいます。

大地主であった種田家に 5 人兄弟の長男として育ちますが、 10 歳の時に母を自死で亡くし、祖母に育てられました。

明治 29 年、私立周陽学舎 ( 現在の山口県立防府高等学校 ) に入学。その頃には、学友と文芸同人誌を発行していました。山頭火が本格的に俳句を始めたのは、明治 30 年、 15 歳の頃からと考えられています。

明治 35 年に早稲田大学大学部文学科に入学しますが、神経衰弱のため退学。その後は、東京で過ごしていましたが、病状が回復しなかったため、実家に戻ります。

31歳の時に荻原井泉水 ( おぎわらせいせんすい ) に師事し、「山頭火」の号で俳誌『層雲』に自由律の作品を発表しました。

大正 5 年、種田家が破産してしまい、熊本で古書店を開業しますが、上手くいきませんでした。その頃、弟が自死するという悲しい出来事もあり、山頭火は毎日お酒を大量に飲むようになりました。

関東大震災に遭い、熊本に戻りますが、大正 13 年に報恩寺で出家します。大正 15 年には、西日本を中心に旅をしながら俳句を詠み、旅先から俳誌『層雲』に投稿しました。山頭火は、昭和 7 年から放浪した全国各地の旅先で、自由律の句をたくさん詠みました。

昭和 15 年 10 月 11 日、脳溢血のため、 58 歳で亡くなりました。

種田山頭火のそのほかの俳句

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  • 1 「鉄鉢の中へも霰」の俳句の季語や意味・詠まれた背景
    • 1.1 季語
    • 1.2 意味
    • 1.3 この句が詠まれた背景
    • 2.1 自由律俳句
    • 2.2 「霰」の体言止め

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