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テロ犯への便乗を司法が許すなど言語道断

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

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地方議会での名誉毀損と司法審査:行橋市の小坪慎也議員に関する徳永議員による爆破予告犯「ヘイト議員」便乗動議提出・決議について

テロ犯への便乗を司法が許すなど言語道断

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  • 小坪慎也議員に関する徳永議員による爆破予告犯「ヘイト議員」動議提出と決議
  • 福岡地裁小倉支部令和4年3月17日判決 令和元年(ワ)第959号
  • 議会決議の司法審査と部分社会の法理、議員の動議提出行為の内部規律
    • 札幌高等裁判所平成29年5月11日判決 平成28年(行コ)24号/平成28年(行コ)30号
    • 札幌高等裁判所令和2年8月21日判決 令和2年(ネ)96号:問責決議案の提案行為
    • さいたま地方裁判所川越支部令和4年6月30日判決 令和3年(ワ)266号
    • 外部メディアでの言論活動を対象にするのは「その職務とはかかわりなく」なのでは?
    • 本当に「違法不当目的・虚偽を知りながら敢えて事実摘示ではない」のか?
    • 地方議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したのでは?

    小坪慎也議員に関する徳永議員による爆破予告犯「ヘイト議員」動議提出と決議

    平成28年9月8日、小坪慎也議員のブログコメント欄に、「行橋市役所を爆破します 阻止したければソレマデニ辞意表明をブログで出して市会議員を辞めることだな 俺は本気だぞ 後で市役所にも電話するからな 覚悟しろよヘイト糞野郎(略)」というコメントが投稿され、同日中に行橋市役所に同趣旨の爆破予告電話が為されました。

    行橋市議会議長 諫 山 直 様

    小坪慎也議員に対する決議 (案)

    9月8日に、行橋市役所に脅迫の電話があった。この事により、市民に対し、また、市当局や議会においても多大な迷惑を及ぼした。この「脅迫事件」は決して許されるべきものではない。

    これは、小坪慎也議員が、 平成28年4月に熊本地震が発生した際、差別的にとらえられるSNSでの意見発表を行った事を発端としている

    公人である市議会議員は、住民を代表する立場にあり、議会外の活動であっても良識ある言動が求められるのは当然である。

    市民・国民に迷惑を及ぼすような意見の表明は、行橋市議会の信用が傷つけられたものといわざるを得ない。

    行橋市議会は、小坪慎也議員が品位を汚すことの無いよう、公人としての立場をわきまえる事を求めると共に、謝罪及び必要な行動を自ら行うことを求めるものである。

    以上、決議する。

    平成28年9月12日

    行 橋 市 議 会

    しかし、同年12月8日に爆破予告犯が検察官送致され、捜査機関の取調べや小坪議員が提起した民事訴訟において、あるブログについて「 ブログの更新を促すために行った 」と主張しました。

    福岡地裁小倉支部令和4年3月17日判決 令和元年(ワ)第959号

    1. 行橋市に対して、【徳永議員が行橋市役所爆破予告事件につき原告(小坪慎也議員)がインターネット上で行った意見表明(iRONNAへ寄稿した記事とそのTwitterシェア)が、犯人が爆破予告をするに至った原因であるとして原告の謝罪及び自主的に必要な行動を求める 決議案の緊急動議を行橋市議会に提出したこと 】が名誉毀損であるとして国家賠償法1条1項に基づく請求として①慰謝料請求②原告の名誉回復措置として新聞6紙及びゆくはし議会だよりへの謝罪広告の掲載を求める
    2. 被告徳永に対して、被告徳永が自身のブログ上に上記決議案が可決されたこと等を記載したブログ記事を掲載し、当該ブログ記事のリンク等を記載したツイートを行ったことが名誉毀損であるとして民法709条に基づく損害賠償請求として①②の慰謝料と謝罪広告の掲載を求める

    他方、地裁レベルの時点でも犯人の動機が小坪議員のiRONNAの寄稿であるとしてたことについて「 真実の証明は為されていない 」という判断なので、政治的には意味があります。

    議会が真実と証明できない内容に基づいて決議をし、それが議員の名誉を毀損した 』ということは司法判断が出たということですから。

    議会決議の司法審査と部分社会の法理、議員の動議提出行為の内部規律

    本件は、 議会としての行為 への司法審査の事案ではなく、 議員の動議提出行為 に関する事案です。

    それにより【 地方議会の懲罰その他の措置 】については

    1. 司法審査の対象になるか⇒議会の内部規律の問題に留まる限り、その自律的な判断に委ねるのが適当最高裁大法廷判決昭和35年10月19日この理は、懲罰その他の措置が私法上の権利利益を侵害することを理由とする国家賠償請求の当否を判断する場合であっても異なることはない(決議の取消訴訟に限らないということ)最高裁判決平成31年2月14日 (※「議会の自律的な判断を尊重し…これを前提として…」という表現だが、議会の判断をそのまま受容する趣旨(自律的判断受容型)であると解されている ⇒除名の懲罰は該当する⇒出席停止の懲罰も該当(期間の長さや議員報酬の減額を伴うかは関係ない) ※岩沼市議会事件の令和2年大法廷判決が判例変更した部分
    2. 司法審査の対象となった場合⇒この場合、採られた措置によって議会の裁量の範囲が異なると考えられている⇒出席停止の場合、「一定の裁量」という令和2年大法廷判決の表現

    次に、【 議員の議会での行為 】に関しては、従前からの規範として…

    その上で、国賠法1条1項は「 その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたとき 」という要件がありますが、 議員の議会における一定の言動については、さらに限定された要件が確立した判例によって課されています 。

    国会議員の国会における名誉・信用毀損行為の責任を課すための規範については、その根拠として、国会議員の「 質疑等は、多数決原理による統一的な国家意思の形成に密接に関連し、これに影響を及ぼすべきものであり、国民の間に存する多元的な意見及び諸々の利益を反映させるべく、あらゆる面から質疑等を尽くす 」という職務から来るものであるとしています。

    • 札幌高等裁判所平成29年5月11日判決 平成28年(行コ)24号/平成28年(行コ)30号
    • 札幌高等裁判所令和2年8月21日判決 令和2年(ネ)96号

    次項で上記3つの事案における議員による 動議提出行為 について整理します。

    札幌高等裁判所平成29年5月11日判決 平成28年(行コ)24号/平成28年(行コ)30号
    • 七飯町議員による 懲罰動議提出行為 が名誉毀損として七尾町に国賠請求
    • 懲罰動議の理由は、町長への不信任案の提出時の手続や説明等が地方自治法132条の品位の保持と七飯町議会会議規則100条の品位の尊重に反している、というもの
    札幌高等裁判所令和2年8月21日判決 令和2年(ネ)96号:問責決議案の提案行為
    • 深川市議会議員による 問責決議案の提案行為 が名誉毀損として深川市に国賠請求
    • 問責決議案の理由は、原告議員が有権者への議員活動報告のために私的に発行している市政ニュースにおいて、市議会での審議について「言論封殺」「審議放棄」などと記述したこと

    裁判所は「特に本件は原告が議会の議事運営等の在り方を批判する意見を表明するなどしたのに対するものであるから、政治的な当否の問題として有権者の判断に委ねられるものであって…」などと評し、 問責決議案の提案行為は、あくまで議会の内部規律の問題であるとして原告の主張を排斥 しました。

    さいたま地方裁判所川越支部令和4年6月30日判決 令和3年(ワ)266号

    さいたま地裁の事案は 辞職勧告決議の提案行為 につき、以下の要素がありました。

    1. 市議会においてソーシャルメディアガイドラインが策定されていた⇒議員の身分を有する者に対し、SNSの利用について公の機関としての運用を損なわないよう適切かつ正確な情報発信と運用について規定
    2. 問責決議案は、原告のSNS等における言動が市議会会議規則151条(議員は、議会の品位を重んじなければならない)及びSNSガイドラインに反すると指摘するものだった
    3. 問題視された原告の投稿は、いずれも市議会での出来事等に関する原告の政治的意見を記載したものだった

    さいたま地裁は、先立って辞職勧告決議・審議・決議の公表行為について、辞職勧告決議に法的拘束力が無いことも含めて検討して内部規律に留まるものであるとして議会の自律的な判断を尊重するべきとして排斥しました。続いて 本件提案行為について内部規律の問題であるとしてその広範な裁量を設定しつつ司法審査の対象として扱い 、辞職勧告決議が違法ではないことも考慮要素としつつ「権限の趣旨に明らかに背い」たものではないとして主張を排斥しました。

    外部での言論活動を非難する動議提出行為は内部規律の問題ではなく司法審査対象

    国会(地方)議員が国会(地方議会)の質疑、演説、討論等の中でした個別の国民の名誉又は信用を低下させる発言につき、国家賠償法一条一項の規定にいう違法な行為があったものとして国(地方公共団体)の損害賠償責任が肯定されるためには、当該国会(地方)議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示する など 、国会(地方)議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情 ~以下略~

    これらの立場がありますが、 小坪議員が①を選択した 以上ここで②を語るは不毛です。

    さらに、「(ここで言うところの)質疑、演説、討論等の中でした個別の国民の名誉又は信用を低下させる発言」に当たらない、という主張も一応はあり得るとは思います。 平成9年9月9日最高裁判決が議員の発言に大きな責任免除の余地を残したのは、「立法、条約締結の承認、財政の監督等の審議や国政に関する調査の過程で行う質疑、演説、討論等」といった、 政策形成に向けられた行為 に対してであり、同僚議員の資質を問うなどといった内向きで議会内で完結するような話は想定していないのでは?野次が名誉毀損行為であった場合はどうするのか?という気がしています。そこも含めて「職務関連性~違法不当目的~虚偽」の要件の中で要素として検討するのかもしれませんが、ここでは深く触れません。

    外部メディアでの言論活動を対象にするのは「その職務とはかかわりなく」なのでは?

    これだと凡そあらゆる動議提出行為が「職務にかかわる」とならざるを得ない。*2

    本件の事案の重要な要素は、「iRONNAという 外部メディアへの寄稿 」が対象であり、「寄稿文の内容は 議会の活動報告等とは関係の無い、私的な政治活動や主張 に関するもの」であるというものだろうと言えます。

    要するに、 本件は「議会の外側の出来事」を徳永議員がわざわざ議会内に持ち込んできた事案 だと言えます。「議会の外側」とは、単に物理的な側面を指しているのではなく、物事の質的側面からも妥当するものです。

    本当に「違法不当目的・虚偽を知りながら敢えて事実摘示ではない」のか? 地方議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したのでは?

    判例の規範は「 など 」と付いてるので、「違法又は不当目的~虚偽と知りながら敢えて事実摘示~」以外の「地方議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使した」事情を指摘することも可能のように思えます。

    真実相当性を認めるとテロ予告犯への便乗で動機を捏造すれば良いということに

    1. 動議提出時点で動機は不明としか言えなかった
    2. 自分で調べてない(というより、逮捕前だから調べる余地がない)
    3. 脅迫は記事から数か月経過した時期に為されている
    4. 原告=小坪議員の落ち度で「iRONNA記事が動機」とみられる状況が作出されたわけではない。もっぱら外部団体が騒いでいただけ。

    「相当性」理論再考 ―― 名誉毀損免責の判断枠組みに関する一考察 ――牧本公明

    ② 「相当性」の証明の程度 最高裁は,前述のとおり民事名誉毀損訴訟においても「相当性」理論を採用することを明示したが,その後の判決において「相当性」の証明の程度をかなり厳格に解していることがうかがえる。

    例えば,いわゆる「下野新聞」事件最高裁判決61)では, 捜査当局未発表の情報について,捜査経緯の発表等の職務権限を有する刑事官から報道することの諒解を得ていたとしても,当時者らを再度訪ねて取材する等,更に慎重に裏付け取材をすべきであったとし ,新聞社の各担当者がたやすく記事の内容を真実と信じたことについて,「相当性」の証明がないとした。また,いわゆる「スロットマシン賭博機」事件最高裁判決62)では, 記事の一部が捜査の責任者から得た情報に基づくものであったとしても,記者が,当事者から事情を聞くなどの裏付け取材をせず,捜査当局が未だ正式な発表をしていない段階において記事を作成し,掲載したものであるとして,記事の掲載について軽率であったといわざるを得ず,記事の内容について真実と信じたことについて「相当性」の証明がないとした 。

    上記の2つの最高裁判決は,取材拒否された当事者に対する再度の取材を求めたり,公式な発表ではないとはいえ捜査状況の発表権限を有する刑事官からの諒解を得た上での報道に対して「相当性」の証明を否定したりと,マス・メディアに対し比較的厳格な証明責任を負わせているといえよう。

    「テロ予告犯の動機はiRONNAの記事にヘイトスピーチに当たるような記述があったからだ」につき、第三者が勝手に騒いだ状況があるからといって真実相当性を認めることは、 テロ予告犯への便乗で動機をでっち上げて非難決議をすれば良い、ということになってしまいます

    小坪議員の記事は「ヘイト」或いは「差別的にとらえられる」ものか?

    まず結論から述べるが、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが飛び交うことに対しては仕方がないという立場である。 」「 私は、被災時において外の人を恐れるのは仕方ないし、当然のことだと受け入れている。 」という部分だけに飛びついて理解するから「ヘイトだ」となるのであって、記事の後半部分には以下の記述などがある。

    その時に 「朝鮮人が井戸に毒を!」というデマ。ふざけるなと言いたい 。こっちは仕事をしているんだ、家族を置いて、エレベーターより速いからと階段を駆け上り。息を切らせて走りまくってるんだ。備蓄の水すら持たず、ごちゃごちゃとやかましい。これは 保守にも言わせて頂くし、謎の争点化を試みる左派・人権派にも言わせて頂きたい。うるさいのだ、こっちは必死でやっている。ちょっと考えればわかるだろう、と。

    災害時の情報発信、平時にも通ずるSNSによる情報拡散の在り方を問うている

    「朝鮮人が井戸に毒」などと大騒ぎする前に、他になすべきことはないのか。 恐らく徹夜で編成された北九州市の応援隊、その出発を伝える 上野くんの投稿。拡散すべきはこちらではないか? イイネは130ほど、シェアはたったの8件。実力をもって助けに行くという「安心を伝えるための動き」は拡散されず、謎のデマに乗ってどうするのか。 私は保守の議員かも知れないが、常にネットの保守と同じ動きをするわけではない。最前線の地べたをはいずりまわってきたんだ、同志は皆そうだ。地方議員、ナメんな! と言いたい。皆様は、私たちが守ります!と胸を張っていいたい。 保守に求めることは、そしてSNSの在り方について思うことは、「もうちょっと、しっかりできんのか」という話だ。弾は目の前にあるではないか、自治体は動いている、同志の上野は動いた、これを拡散することで「誰かの安心」につなげたいとは思わないのか? これこそが本当の保守がなすべき動きだ と私は考える。

    要するに、善悪の判断以前に、緊急時という極限状態にそういうデマが出て来るというのはあり得るものであって、 震災による災害時の初期という情報が飛び交い状況がひっ迫している時期に、そんなものを相手にしている暇はない、 もっと拡散するべき情報は他にあるにもかかわらず、支援の役にならずノイズですらある話でSNSを埋め尽くすべきではない 、ということを言っているわけです。

    これは各所のSNSサービスの特性上、実に理に適った提言です。

    どうしようもなく低俗で破綻した主張をする者は一定数居り、それは防ぎようがない。 そうした者の発信をいちいちサルベージして批判することばかりする者が居る。それはデマの否定や誤謬の否定という体裁を取ってはいるものの、その実は低俗で破綻した主張の拡散に過剰に寄与しており、むしろ有益な情報が覆い隠されたり、有益な情報の拡散のための時間リソースを自ら放棄している 、という状況が余りにも多い。

    また、「 被災時において外の人を恐れるのは仕方ない 」という部分は、外国人・朝鮮人についての言及が中心ではなく、日本人であろうが他の地域から移り住んできた人や近所づきあいが無い者に対して向けられています。普段からそういう状況を作らないように公助の前の自助・共助の環境を作れ、事前準備を怠るな、ということを言っているわけです。この際も、平時とは異なる極限状況にある人間社会の普遍的現象についての洞察が念頭にあります。

    まとめ:「ヘイトスピーチ・差別的言動をした」と議会で糾弾する手法を確立させてはならない

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    この記事をシェアする 最終更新: 2025-10-10 00:29
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