やっぱりわりと残酷だった! 「赤ずきん」|絵本の森
やっぱりわりと残酷だった! 「赤ずきん」|絵本の森

やっぱりわりと残酷だった! 「赤ずきん」|絵本の森

赤ずきんの原型、ペロー版、グリム版の比較コラム。やっぱりちょっと残酷だった赤ずきん!

実際の違いはどうなのかというと、細かな違いはいくつかあるのですが、一番大きな違いは、ペロー版では「オオカミに食べられた赤ずきんとおばあさんが助からない」という点でしょう。 グリム版では、猟師が登場して、腹をハサミでじょきじょき切ると中から赤ずきんとおばあさんが出てくる(つまり助かった)という終わり方をします。その後、オオカミは腹に石を詰められて死ぬか、腹を裂かれる前に銃で撃ち殺されるかして、退場します。 ペロー版では食べられておしまい、その後にオオカミという名の悪いやつに用心しなさいという教訓が続けられて終わります。

ペロー版、女性や子ども向けの教訓話になっているとはいえ、得したのはオオカミだけで何の救いもない。 やりすぎペロー版。

じゃあ赤ずきんの原型はどんなのなの?

原型に近いといわれる赤ずきんには、赤いずきんをかぶった女の子は登場しません。 赤ずきんに赤いずきんをかぶせたのは、ペローです。つまり、ペローの創作であったということですね。アイデンティティである赤いずきんが、ペローの創作であったとは。

原型の民話には、ただ女の子が登場し、森の中のおばあさんにパンとミルクを届けに行くことになります。 女の子はおばあさんの家を目指して出かけ、途中でオオカミに出会います。 オオカミは彼女にどこに行くのか尋ね、「縫い針の道」か「留め針の道」どちらを行くのかをも尋ねます。 女の子はオオカミの質問にもいちいち親切に答え、オオカミは女の子の先回りをしておばあさんを殺します。おばあさんの肉は戸棚に、血はビンに入れて棚の上に。そしてオオカミはおばあさんの服を着て、ベッドに横になります。 そこへやってきた女の子。 おばあさんに化けたオオカミに勧められるまま、戸棚の肉(おばあさんの肉)とビンに入ったワイン(おばあさんの血)を口にします。 オオカミは女の子に、服を脱いでベッドに入っておいでと誘います。女の子は言われるままに、服を脱いでは脱いだものをどうすればいいのか尋ねます。オオカミは暖炉の火にくべてしまえと答えます。 そうして、裸になった女の子は、オオカミのベッドに入ってきます。 そこからはペロー版にもグリム版にもあったやりとり、どうして耳が大きいの、目が大きいの、等々。 最後に、「とうしてそんなに口が大きいの?」と尋ねると「おまえを食べるためさ」とオオカミは答えるのですが、機転を利かせた女の子は、トイレに行きたくなったので外に行きたいと言い出し、何とか家から逃げだし、助かります。

あらすじのみですが、どうでしょう。 人肉食のあたりや、服を脱いで裸になってベッドに入るところなど、なかなか濃い話だと思いませんか。 ペローはその部分を削除し、再編したのですね。さらにその後グリムが再編したので、原型の面影はかろうじて残っているものの、だいぶ印象の違うものになっています。

赤ずきんの話をおとなはどう読むか そうそう、グリム版の赤ずきんはオオカミを二度殺すんですよ

赤ずきんは再びおばあさんの家に行くのですが、途中で違うオオカミに声をかけられます。先日のことがあった赤ずきんは、オオカミを相手にしないでおばあさんの家に行き、おばあさんにオオカミと出会ったことを話します。 赤ずきんを食べようともくろむオオカミ、おばあさんの家に行き、赤ずきんを装って家の中に入り込もうとしますが、おばあさんも赤ずきんも返事をせず相手にしません。 おばあさんと赤ずきんは、ソーセージを煮た湯を風呂桶に張ります。屋根の上にいたオオカミは、匂いにつられて風呂桶にドボン。溺死してしまいましたとさ。

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