足根骨の骨折・足趾骨骨折
柔整理論の足根骨、足趾部骨折をオリジナルイラストを用いて解説しています。
症状 ・腫脹, 限局性圧痛⇒舟状骨 ・骨片突出, 第1~3中足骨から介達痛, 荷重痛. 歩行困難⇒でも踵部で歩行は可能。 ・足回内・回外運動制限 舟状骨体部骨折⇒上方突出し, 粗面骨折 は内方突出する. 上方が圧潰されると足底のアーチが低下する. 鑑別 外脛骨、第1ケーラー病 外脛骨が外傷により舟状骨から裂離するものもある.
治療法 骨体部骨折の転位がないもの 下腿近位端から足関節手前まで固定し,足背部に厚紙やスダレ副子など局所副子を当てる.固定時ならびに歩行時に足底アーチを保持する.転位のあるものは観血療法の適応がある.
粗面骨折 骨片が適合する肢位で固定する.小骨片などの理由で骨癒合がえられないことも多い. ⇒症状が強ければ小骨片の摘出などの観血療法の適応がある.
予後 骨体部骨折は足の形態変化に関係する. 外傷性扁平足を起こすと難治性の足部痛を残す.
・スポーツによる足舟状骨の疲労骨折 脛骨. 中足骨の疲労骨折に比べまれで診断がつきにくい 完全骨折や遷延癒合. 偽関節になり治療が難しくスポーツ活動にも支障
竸技レベルの高い陸上竸技(短・中距離). パスケ,トボール. 野球などで報告.
中央部は相対的に血流が乏しい⇒遷延癒合や偽関節。 下腿遠位部から足部にかけての痛みが徐々に発現し あまり局在しないことが多い。 運動の最初や最後に疼痛を感じるともいれていが. 訴えがはっきりせす一定しない特微
初期:局所腫脹はほとんどなく、rom制限もみられない。 距骨と舟状骨近位関節面の背側中央の圧痛(n―spot:前脛骨筋健と長母趾伸筋腱の間付近).ダッシュ、ジャンプ痛. 内側縦アーチ荷重痛などで疑う.
立方骨骨折
発生機序 直達外力:粉砕骨折などの骨片骨折となる. 介達外力:足部の外がえしで中足骨と踵骨の間に挟まれ発生 または舟状骨骨折時に距骨頭の外方移動によって起こる.
症状 ・限局性圧痛, 腫脹, ・第4・5中足骨からの介達痛, 荷重痛 ・回内・回外運動制限, 立方骨の損傷の程度が強い場合やリスフラン関節脱臼が合併すれば前足部の変形などがみられる.
治療法 転位のない骨折:舟状骨骨折と同様に行う. 粉砕骨折,他の足根骨骨折や脱日を伴うもの:観血療法の適応がある.
楔状骨骨折
発生機序 直達外力:中足骨基部骨折や舟状骨骨折を伴うリスフラン関節分散脱臼 介達外力:前足部の強い外転あるいは屈曲[底屈])ではリスフラン関節の脱臼を合併するものもある.
中足骨骨折
分類 (1)骨幹部骨折 (2)基部骨折 (3)疲労骨折(行軍骨折、ジョーンズ骨折)
発生機序 1.骨幹部骨折 直達外力が多い. 重量物の落下, 車輪などによる轢過(レキカ)などの外力により発生する. 組織損傷を伴い, 開放性骨折になることもある. 骨折線は横骨折であることが多く, 同時に骨折することがある.
2.基部骨折 内がえし強制による第5中足骨基部骨折がある.短腓骨筋の急激な収縮による裂離,下駄骨折と呼ばれる. その他の基部骨折は少ない.
短腓骨筋 起始:腓骨外側面の下部1/2 停止:第5中足骨粗面
症状 ・限局性圧痛,腫脹,荷重痛, ・骨長軸からの軸圧痛 ・前足部の横径増大 ・疲労骨折では中足骨部の疼痛が主要な症状で,原因となる負荷を加えると疼痛が増強
治療法 「柔道整復学・実技編改訂第2版』p. 329およびp. 336より
整復 助手:足関節部固定 術者:一方の手で前足部、他方の手で踵部を把持 操作 ➀左右の拇指を骨折部に当て、受傷機序と同様に前足部を内ガエシする ➁母趾で圧迫しながら前足部をもとに戻す
固定 【第1法】 固定材料 金属副子, 厚紙副子, 合成樹脂製キャスト材, フェルトパッド, 綿花枕子, 絆創膏. 巻軸包帯 固定法 ➀整復後は再転位と前足部の内返しを防ぐために圧迫綿花枕子・および絆創膏を貼る ②足関節0°で骨折部を中心に足背部全体に厚紙副子固定をする(図3 G ・4ら d)
【第2法:歩行用ギブス】 1.固定材料 ギブス,ストッキネット,下巻き材,ギブスヒールなど(図3 G・6). 2.固定法 肢位:足関節0。位、足部の内外反中間位 ギプス範囲:下腿近位部~足趾部まで ギブスは横と縦の足底アーチによく適合させる.体重負荷面に骨隆起があたらないように注意する 3.ギブス包帯固定の留意点
予後 変形癒合(横径の増大,外傷性扁平足など) 頑固な荷重痛を残す 多数の同時に骨折する場合に多い. 第5中足骨基部裂離骨折で外方凸変形が残るものは靴が当たると痛い. ジョーンズ骨折では遷延癒合や偽関節に陥りやすい.
3.疲労骨折① 行軍骨折 長時間にわたるランニングや歩行などの反復外力で中足骨骨幹部に発生する. 第2・3中足骨の発生が多く,兵士の行軍で発生したことに由来する.
➁ジョーンズ骨折 本来は外傷性骨折. 現在は スポーツ選手の第5中足骨骨幹部近位の疲労骨折疲労骨折⇒ジョーンズ骨折 外傷性骨折⇒オリジナルジョーンズ骨折
趾骨骨折
発生機序 直達多い ・重量物の落下 ・つまずいて趾尖から外力が加わり発生するものもある. 第1趾の基節骨.末節骨に多い.
症状 腫脹.限局性圧痛.荷重痛. 長軸圧痛が著明. 高度の骨折では変形.異常可動性,軋際音 爪下血腫を合併するものもある. 基節骨骨幹部骨折.とくに第1趾の骨折では遠位骨片が背側へ転位し足底側凸の定型的転位
治療法 「柔道整復学・実技編改訂第2版」p341より
整復前の注意事項 a)合併症の有無 ( 1 )爪根部の組織損傷(爪下血腫形成). ( 2 )開放創による感染. ( 3 )陥入爪部の化膿.
b)保存療法の限界 ( 1 )圧挫の強いもの. ( 2 )整復後の安定がなく,牽引を緩めると底側凸の変形が再発するもの. 整復法 ➀患趾をテープ,パンド,フィンガートラップなどを使用し牽引できるよう固定 ➁患趾を一方の手で上背側(骨折位)方向に牽引する ➂他方の手の母指を骨折した基節骨骨幹部の底側凸部において背側に圧迫 (他4指は近位部から中足部を固定). ➃背側方向に圧迫している母指を支点に牽引した遠位骨片を円を描くよう屈曲し直圧
整復確認 ( 1 )骨折部が安定し,牽引を緩めても底側凸の転位を起こさない. ( 2 )Ⅹ線検査が必要
固定 1 )固定材料 フェルト, ソフトラバー, 柔整パッ ド, ソフトパルプ, 金属副庇キャスト材,厚紙副子,ギブス,巻軸包帯など. 固定法 肢位:足関節足関節0°位 範囲:縦アーチ~趾尖を囲うように(縦アーチ(足底穹窿)によく適合するよう成形し,趾先を囲うように形成) 局部はテープ.厚紙などで補強する
(第1~2,4~5趾間などは 軟性材料を挿入し包帯で固定する) 固定期間:3 ~ 4週 (固定を継続し.経過によって簡易な合成樹脂製キャスト材で装具を作製し歩行をさせる.
予後 基節骨骨折,とくに第1・2趾では.足底側凸の変形が残ると.荷重および歩行障害が起こる. その他は骨癒合がえられれば良好である.
柔道整復学 理論編 第6版 南江堂
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