「身体拘束予防ガイドライン」の活用を!!
「身体拘束予防ガイドライン」の活用を!!

「身体拘束予防ガイドライン」の活用を!!

身体拘束を防ぐ取組みについては、厚労省の「身体拘束ゼロへの手引き」よりも日本看護倫理学会の「身体拘束予防ガイドライン」がより実践的として、医療現場はもとより介護現場でも活用する施設が増えていると聞く。何がどう実践的なのか、改めて見直してみた。

令和6(2024)年度診療報酬改定では、医療機関における入院料算定の施設基準に、すべての病棟(精神科病棟は除く)において、緊急やむをえない場合以外の身体的拘束を禁止するなど、「身体的拘束の最小化」に取り組むべきことが新たに加えられ、提示された基準*¹をクリアできない場合は、診療報酬の減算対象となることがことが記されています。なお、ここで言う「施設基準」の詳細は、近刊の福井トシ子監修『改訂2版 看護管理者が知っておきたい「様式9」の基礎講座』(メディカ出版)を参考に!!

日本看護倫理学会による 「身体拘束予防ガイドライン」

このガイドラインをめぐり、このところある動きがみられます。医療現場はもとより介護現場でも、厚生労働省による「身体拘束ゼロへの手引き」*²に比べ、こちらのガイドラインのほうがより具体的かつ実践的だとして、活用する施設が増えているのです。

なお、この「身体拘束予防ガイドライン」は、『看護倫理ガイドライン 』(看護の科学社)に収載されています。

「拘束は緊急やむをえない状況」は 本当にやむをえないことなのか

そのうえで、「緊急やむをえない」としている状況は、「本当にやむをえないことなのだろうか」と問いかけています。

身体拘束予防の一歩として 全患者にせん妄アセスメントを

なお、せん妄のリスク要因の確認、せん妄の誘発因子については、こちらで詳しく書いていますので、参考にしてください。

また、せん妄と並び「身体拘束もやむなし」と判断される精神的混乱を招きがちな見当識障害の改善、解消を目的に行われる「リアリティ・オリエンテーション」の効果的な方法は、こちらをご覧ください。

「このままでは患者にとって危険」と思われる6症状
  1. 転倒・転落の危険性が高い
  2. チューブ類を抜いてしまう(輸液ルート、CVカテーテル*、経鼻胃管カテーテル等) *CVカテーテルとは、中心静脈カテーテルのこと
  3. 攻撃的な行為がある(物を投げる、激しい言葉を使う、暴力を振るう、等)
  4. ケアに抵抗する(介護・看護・治療に拒否的なしぐさや言動を示す)
  5. 大声で叫ぶ
  6. オムツを外してしまう、衣類を脱いでしまう
「やむをえず」の身体拘束3要件と 身体拘束の解除基準 身体拘束の3要件
  1. 切 迫 性 :患者本人あるいは他の患者の生命や身体が危険にさらされる可能性が著しく高い
  2. 非代替性:身体拘束あるいはその他の行動制限を行う以外に代替する(差し替える)ケア方法がない
  3. 一 時 性 :身体拘束その他の行動制限が一時的なものである
  1. チーム(医師・看護職、場合によっては介護職も含む)の判断
  2. 患者本人と家族へのインフォームドコンセント(ていねいに説明し、納得したたうえでの同意を得る)
身体拘束の解除基準と記録
  • 事前に決めた身体拘束時間・期間を超える
  • 身体拘束の3要件すべてを満たせない状況になった

記録内容・書式に関しては、厚生労働省の「身体拘束ゼロへの手引き」p.24-25*²にある書式例が参考になります。

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