575筆まか勢
稲架 例句を挙げる。 あかあかと菊の咲きたる稲架を解く 岸本尚毅 舜 あかるさをとりもどし降る稲架の雨 西本一都 景色 いつも午後出る放室...
あかあかと菊の咲きたる稲架を解く 岸本尚毅 舜 あかるさをとりもどし降る稲架の雨 西本一都 景色 いつも午後出る放室の午後の稲架 能村登四郎 咀嚼音 おのがじし負ふ影深し月の稲架 相馬遷子 雪嶺 おもおもと交み蝗や稲架を攀づ 石塚友二 方寸虚実 かけ易き妻の高さに稲架を組む 谷口かなみ かけ終へし稲架の長さを見て憩ふ 轟蘆火 かはほりのあはれ舞ひいづ稲架の月 水原秋桜子 くらがりの稲架を見てゐる喪の眼かな 草間時彦 けふたちし稲架の青くて夕冷えぬ 片山桃史 北方兵團 ごはごはと豆稲架に風渡りけり 大石悦子 聞香 しぐるるや解かれて青き稲架の竹 岸 典子 しばらくは子等の遊べる稲架の影 水原 春郎 しばらくは新稲架として雨はじく 能村登四郎 すでに空ラ稲架のあり松江大橋の見えて 廣江八重櫻 どこからも湖見ゆる稲架を組む 西村和子 かりそめならず どこまでも虹ついてくる稲架の道 熊倉陽子 どの道もその先に家稲架月夜 川村紫陽 はや稲を刈る稲架を組む安房の国 長田等 はら~と雨くる稲架の月かげに 金尾梅の門 古志の歌 ひと雨に稲架のみどりの無かりけり 高濱年尾 年尾句集 ひもすがら日のあたり居り稲架襖 銀漢 吉岡禅寺洞 ひろびろと稲架の日なたの日のにほひ 長谷川素逝 暦日 ふるさとの家並あらはに稲架解ける 金尾梅の門 古志の歌 まれといふ稲扱日和稲架下ろし 沢村芳翠 みちのくの古鏡曇りに稲架急ぐ 松山足羽 みちのくの稲架が狸となる月夜 堀口星眠 樹の雫 みちのくの稲架は淋しも人に似て 柴原保佳 よち~と稲架のぼる子に陛下見ゆ 萩原麦草 麦嵐 ホテルの庭遠くに稲架の一文字 松村蒼石 雁 一度では曲れず稲架竹積む車 関 幸子 一日の河内の旅を稲架の中 米沢吾亦紅 童顔 一本の棒立ちやがて稲架となる 徳永山冬子 七五三つづきゆかせて稲架の照る 亀井糸游 三山をかくす一山高稲架に 古舘曹人 砂の音 五六歩を蝶のまつはる稲架日和 下村ひろし 人よりも低き稲架結ひ能登ぐらし 柏井幸子 今日刈りし稲のつぶやく月の稲架 吉野トシ子 但馬路の稲架組み急ぐ日和かな 山田弘子 初期作品 佐倉照り日陰は黝き稲架襖 北野民夫 余情あり解きて置かれし稲架竹に 相生垣瓜人 明治草抄 信徒村稲架も十字を組みにけり 朝倉和江 信濃路や雲の影さす稲架幾重 石橋典子 八重雲の出雲幾重の稲架襖 西岡正保 凶年の雪さきがけし稲架を解く 木村蕪城 寒泉 出羽平稲架をほどきて冬を待つ 富安風生 初稲架に夕日沁み入る音のあり 永方裕子 十六夜の稲架低ければ蔵王見ゆ 佐藤 木鶏 十軒の念仏講に稲架の月 大峯あきら 鳥道 十重二十重流山まで稲架襖 柏崎夢香 午までが夜までとなり稲架下ろし 高野素十 半農の稲架の隙より北の国 古舘曹人 能登の蛙 単線となりてより増す稲架の列 秋川ハルミ 厩口に似て高稲架の出入口 大熊輝一 土の香 古町や稲架にかくれて菊きいろ 軽部烏帽子 [しどみ]の花 古竹は古竹の音稲架を解く 高野素十 叩きたき肩の親しさ夕日の稲架 大井雅人 龍岡村 四五人の稲架に触れゆく野辺送り 殿村莵絲子 雨 月 夜の稲架しんしん匂ひ地震ふれる 西本一都 景色 夜の稲架の甘き香を子の寝床まで 細見綾子 夜の稲架を組む声家のラジオの声 右城暮石 声と声 夜の雲のあそぶ嶽あり稲架を結う 石橋辰之助 夜学子に街の月また稲架の月 栗生純夫 科野路 夜道くらし雨のあがりし稲架にほふ 長谷川素逝 村 大稲架の怒り叫びて炎上す 百合山羽公 寒雁 大鴉稲架組みし野をただ一過 原子公平 天ゑぐり稲架解きし竹担ぎ出す 大熊輝一 土の香 天橋のたもとの里や稲架高き 滝井孝作 浮寝鳥 天皇の道筋といふ稲架の刻 萩原麦草 麦嵐 太陽は雲に巣ごもる稲架の陣 鍵和田[ゆう]子 武蔵野 奥伊勢の御饌田短き稲架を組む 岡村紀洋 女手に引ずりはこぶ稲架木かな 亮木滄浪 妻にこにこ夫むつつり稲架納め 高野素十 妻病むへ急く空稲架の上州路 杉本寛 姥捨や田毎の稲架に後の月 林翔 子の泣顔きらきらす稲架夕陽うけ 大熊輝一 土の香 子へいそぐ木曾路の稲架の照りかへし 加藤秋邨 火の記憶 子を産みに故郷の稲架棒根づくごと 宮坂静生 青胡桃 宮趾出て隠岐の高稲架手ふれゆく 皆吉爽雨 泉声 密漁の舟高稲架にかくれをり 石原八束 『藍微塵』 屋根よりも稲架高く木曾開田村 矢島渚男 延年 展墓人稲架の日ぬくく通りけり 石原舟月 山鵲 山に没日爪先立ちに稲架高し 中戸川朝人 残心 山の月出て濡れ稲架を照らしけり 田村了咲 山びこす稲架の鴉にうす紅葉 飯田蛇笏 霊芝 山国はむら立つ雲に稲架静か 久米正雄 返り花 峡の稲架短かき裾を重ねけり 小林康治 『叢林』 島の稲架合掌に組み風に耐へ 高濱年尾 年尾句集 川原寺ほとり手沢の稲架木組む 赤松[けい]子 白毫 左富士野川曲れば稲架曲がる 川村紫陽 延年の舞にいちにち稲架日和 原田青児 引佐細江ひかりわかちて稲架と湖 佐野美智 影の磐梯踏みしめ踏みしめ高稲架組む 加藤知世子 影淡き十一月の稲架掛くる 石川桂郎 四温 後の月稲架を離れて蒼さかな 西山泊雲 泊雲句集 憩ふなる鎌稲架に刺し晩稲刈 皆吉爽雨 泉声 戸を押せば古代が見ゆる稲架襖 原裕 『出雲』 手かざせば海となるまで稲架ぶすま 佐野まもる 海郷 打つ砧稲架の月日の漁の隙 廣江八重櫻 担ひ来て竹や丸太や稲架を組む 猪俣千代子 堆 朱 掛け終へし稲架が夕日をまとひをり 小島ユキエ 提灯に靄のにほへり稲架襖 木下夕爾 放置さる稲架の向うに日本海 高澤良一 寒暑 故郷の稲架の向うは日本海 小櫃 きよ 新海苔の干場は稲架を払ひたる 皆吉爽雨 新稲架の香のする星を見にゆかむ 千代田葛彦 日光を見ぬ前稲架が崩れけり 萩原麦草 麦嵐 日差しにも奥行のある稲架襖 高澤良一 鳩信 日当りて峡の四五戸の稲架高き 及川貞 榧の實 日没の稲架をゆさぶる天邪鬼 市原光子 早稲の稲架夜明すぎたる雨くらし 阿部ひろし 昃りてきたりし稲架の遊び足 綾部仁喜 樸簡 明け近く星減りしこと稲架の上 目迫秩父 昏るる橋渡り空稲架田にまぎる 大熊輝一 土の香 星空のどこまで匂ふ稲架襖 田中政子 昼月や稲架結ひかはる国境 佐野美智 時雨るゝや山村稲架に豆干して 大谷句佛 我は我 時雨るゝや薯蔓かゝる稲架の端 西山泊雲 泊雲句集 暮るる江に稲架木一本づつ洗ふ 木村蕪城 寒泉 曲屋に入る高稲架の門くぐり 里川水章 月いでていよいよ暗き稲架の裏 松倉ゆずる 月に遊ぶ稲架を解かれし榛の木も 橋本榮治 麦生 月の前稲架崩れたる音に合ふ 萩原麦草 麦嵐 月代は今高稲架のいたゞきに 西山泊雲 泊雲句集 月出てて稲架の高低定まりぬ 木内怜子 月名残子らのぼりをる稲架梯子 金尾梅の門 古志の歌 月照るや大菩薩嶺稲架の上 石原舟月 山鵲 朝寒や稲架の下出づ舟のあり 冬葉第一句集 吉田冬葉 朝霧の稲架に流れてゐるあひだ 高濱年尾 年尾句集 村といふ落着きし景稲架日和 石井とし夫 村に映画月光の稲架夜もほてる 藤本寿秋 村の子の稲架に棒さす遊びかな 長谷川双魚 『ひとつとや』 村芝居稲架を舞台の袖として 品川鈴子 杭稲架の幾千萬や陸奥の雨 石塚友二 東大寺寺領の端の稲架を組む 橋本榮治 逆旅 梨終り果樹園主けふ稲架組める 及川貞 榧の實 棒稲架に村の奥行き定めなき 蓬田紀枝子 棒稲架に裸灯かがやく祭みち 河野南畦 湖の森 棒稲架のみな旅人のごとく佇つ 大内史光 棒稲架の一つが一斗伊達の田は 大熊輝一 土の香 棒稲架の今年の数となりにけり 細川加賀 『玉虫』 棒稲架の何を合議ぞ伊達郡 草浦しづ子 棒稲架の兵めきし平泉 高野朝 棒稲架の影つきささる開墾田 植田 桂子 棒稲架の棒が余つてゐたりけり 細川加賀 棒稲架の立ちそめしかば蔵王澄む 西本一都 景色 棒稲架も冬囲(かごひ)も風の雄物川 石原八束 操守 棒稲架も走りて汽車とすれ違ふ 豊田淳応 棒稲架や母には遠き衣川 岸風三樓 棒稲架並ぶ湧き出てひびく一軍歌 河野南畦 湖の森 残る稲架大雨のあとの靄ふかし 阿部ひろし 残る稲架解けば怒濤の音ばかり 酒井 美幸 残る稲架青しと見れば茎菜稲架 石塚友二 母訪うて稲架あたたかき夜なりけり 細川加賀 生身魂 汽罐車の火夫に故郷の夜の稲架 大野林火 沈む日と稲架に愛別離苦はなし 成瀬櫻桃子 素心 沖に佐渡ゆるぎなく稲架組まれをり 伊藤京子 沼霧の立ちのぼるより稲架の雨 木村蕪城 一位 海光のあまねき稲架を組み進む 水原 春郎 渓谷の少し開けて稲架ありぬ 高浜虚子 湖まではひとの温みの稲架の径 山口草堂 湖畔まで稲架立ち竝び茶店ひま 原田青児 溝沿に低き稲架なり掛けすゝむ 西山泊雲 泊雲句集 濡れそぼつ棒稲架に闇深みたる 平賀扶人 火山炭降りて稲架はひかりをうしなへり 西本一都 燃えいづる鹿火にそれ~うかぶ稲架 皆吉爽雨 父恋ふや門灯とどく限り稲架 影島智子 牧草を稲架掛けにしてチロル村 石川文子 現れし水平線や稲架を解く 宮崎 寒水 田鶴あそび一つは翔る稲架の空 石塚友二 光塵 町なかの減りゆく稲架の今年また 米沢吾亦紅 童顔 畦豆もうちかけてある稲架を見る 銀漢 吉岡禅寺洞 発掘の声高となる稲架襖 鍵和田[ゆう]子 飛鳥 白山の裾まで晴れて稲架仕舞 岩崎眉乃 百姓の肩や稲架竹浪うちて 百合山羽公 故園 祝ぎ歌の八重垣に稲架結へるかな 宮津昭彦 神やがてつどふ国原稲架を解く 藤崎久を 稲収りし稲架に烏のきてあそぶ 軽部烏帽子 [しどみ]の花 稲扱いて稲架の日なたの囲む中 長谷川素逝 村 稲架がかくす山のあなたを見抜きたる 徳永山冬子 稲架が立ち部首に嵌りしこと嬉し 野村仙水 稲架が立つ因幡の赫き土にして 辻岡紀川 稲架しぐれ信濃に多き道祖神 西本一都 景色 稲架たつて榛にとまりぬ鵙なりき 斌雄 稲架つくる間やさしき日本海 百合山羽公 寒雁 稲架といて庭木にかへる松さくら 伊丹 丈蘭 稲架とかれたるより夜々の月の畦 関 成美 稲架とかれ水いそぐ時来たりけり 長谷川双魚 風形 稲架とけて刈田の中の村ちいさ 山口草堂 稲架とけて又遠望の窓となり 西山泊雲 泊雲 稲架とばりなして湯街と分ちたり 行方寅次郎 稲架とほきあたり千樫の里とみつ 川島彷徨子 榛の木 稲架とれて力を抜きし湖の風 柊 愁生 稲架にある日の磧には無かりけり 久米正雄 返り花 稲架に沿ひふるさとびとと行違ふ 木村蕪城 一位 稲架に沿ひ垣は垣とし曲りけり 米沢吾亦紅 童顔 稲架のかげ大牛ひとつ暮れゐたる 三宅 句生 稲架のかげ空はうつさず真青の井 栗生純夫 科野路 稲架のなきこの家わが家よ灯を漏らす 石橋辰之助 稲架の上に乳房ならびに故郷の山 富安風生 稲架の上に月の筑波のいとちひさ 軽部烏頭子 稲架の上に雲あそばせて娶る家 猿橋統流子 稲架の上人あらはれて掛けにけり 鈴鹿野風呂 浜木綿 稲架の中祠は祭すみゐたり 米沢吾亦紅 童顔 稲架の中離れ離れに遺跡あリ 深見けん二 稲架の列海の朝日を堰きにけり 大串章 百鳥 以後 稲架の向きさうかこっちが東向き 高澤良一 素抱 稲架の奥なほあけきらず靄を吐く 川島彷徨子 榛の木 稲架の影路に濃ければ路狭し 原田種茅 径 稲架の月どかと欠けたる吉野かな 大峯あきら 宇宙塵 稲架の杭打つ月影の躍るなり 橋本鶏二 年輪 稲架の棒すぐ雪囲ひ棒雲幾重 大野林火 稲架の棒芯まで雨を吸ふ頃ぞ 中島斌雄 稲架の竹百舌鳥の藪より切り出す 百合山羽公 故園 稲架の籾噛んで稲扱き始めけり 新見礼子 稲架の蔭ぬかるみをれば家鴨来る 原田種茅 径 稲架の裾ふるる夕水ながれけり 松村蒼石 寒鶯抄 稲架の裾よごれて風になじみけり 長谷川双魚 風形 稲架の道天の青さに近づきゆく 千代田葛彦 旅人木 稲架の道朝夕きよくなりにけり 大野林火 稲架の邑に時国さまの名ぞのこる 水原秋櫻子 稲架の間に燈台ともる能登の果 水原秋桜子 稲架の間を流るる靄や十三夜 原田青児 稲架の隙遠く白きは日本海 梅沢和記男 稲架の雨ちから加はるばかりなり 猪俣千代子 堆 朱 稲架の香が新聞を読む電車まで 小原牧水 稲架の骨雪に突つ立ち能登暮光 西村公鳳 稲架はずす追つかけ降りの日雨中 丸山二渓 稲架ふえて眼路安らかになりにけり 相生垣瓜人 微茫集 稲架ぶすま夜々あたたかき月あげぬ 木下夕爾 稲架もみちのく人形に豊作貧乏 橋本夢道 無類の妻 稲架も嬉し家に癒えたる吾子あれば 大串章 稲架を打つてしぐれは海へ走り去る 木下夕爾 稲架を組むここも円空流浪の地 久保 武 稲架を組むほか死の雨に構へなし 津田清子 二人称 稲架を組む男のおけさ夕日を呼び 福田甲子雄 稲架を結う助けに妻も出て行けよ 石橋辰之助 稲架を結ふ若き笑ひを遠くまで 伊藤京子 稲架を解き海の広がる誕生日 松浦 釉 稲架を解く銜へ煙草の灰が落ち 西村和子 かりそめならず 稲架を解く音の谺の山日和 山田弘子 初期作品 稲架一つづつには見えぬ不作かな 山内山彦 稲架一竿仏の山の一枚田 吉野義子 稲架並ぶ日本の空に帰りけり 太田梨三 稲架作り西日に鳶の舞ひ下りし 太田鴻村 穂国 稲架出来し田一枚のかしこにも 高濱年尾 年尾句集 稲架匂ふ夜みち峡空離さずに 河野南畦 稲架左右に馬子が乗り来る空車 阿部みどり女 稲架幾重巡りて風の寂びにけり 斎藤 節子 稲架掛けて透き通る火を焚きはじむ 藤岡筑邨 稲架日和何もせずゐる榛の下 伊藤晴子 稲架日和山川渦を結びつつ 橋本鶏二 年輪 稲架木抜く土の深さの傷みもて 鈴木 まゆ 稲架棒の使ひ古しに露降りて 高澤良一 さざなみやっこ 稲架棒の先より湖の霧うごく 角光雄 稲架棒の取り入れ後もふんばれり 高澤良一 ももすずめ 稲架浄く僧形に似しわが影よ 大熊輝一 土の香
稲架滲みまた雨に入る旅の汽車 宮津昭彦 稲架照らす提灯の紋ぞ揚羽蝶 水原秋櫻子 稲架立ちてわが近道の絶えにける 児玉 小秋 稲架立ちて夜は駅の灯のなつかしく 遠藤梧逸 稲架立てて夕焼暗き川流る 内藤吐天 鳴海抄 稲架竹にみどりの稲を滴らす 松村蒼石 雁 稲架竹の尖の空澄み鳥翔ちし 河野南畦 湖の森 稲架終へて夫より一歩おくれ蹤く 西村公鳳 稲架組の寺の悪口出放題 河野静雲 閻魔 稲架組みて疎遠つくろふ暇なし 影島智子 稲架組みのそのあと雨になりにけり 藤田あけ烏 赤松 稲架組むや相別れたる峰二つ 原裕 投影 稲架組めば家郷に似たり一つ星 鍵和田釉子 稲架組めば遠き里曲も灯りたる 武笠美人蕉 稲架組んで手刈りの頃の話かな 高澤良一 宿好 稲架組んで明日や刈りなむ日和待 石塚友二 光塵 稲架組んで結び目ぬくむ尊徳忌 中戸川朝人 星辰 稲架群れて帰る彼方のあるごとし 赤松[けい]子 白毫 稲架芯まで夕焼け落第なき学園 宮坂静生 青胡桃 稲架蔭の冷えくつきりと雨後の晴 大熊輝一 土の香 稲架裏の母を呼ばしむ肩ぐるま 大熊輝一 土の香 稲架裾にしぶく荒海親不知 逢坂月央子 稲架襖あり勝景の一部欠く 品川鈴子 稲架襖くぐり戸をもち娼婦宿 原田青児 稲架襖めぐりいづれば芋地蔵 銀漢 吉岡禅寺洞 稲架襖伊賀山時雨今日は来ず 橋本鶏二 年輪 稲架襖好日の曾比たかく翔ぶ 松村蒼石 寒鶯抄 稲架襖美しかりし旅了る 澤村 芳翠 稲架襖通り抜くるにぬくみあり 上村占魚 球磨 稲架襖青きひとつは今日出来し 猪俣千代子 堆 朱 稲架解いて亀石に日のあたりけり 宇陀草子 稲架解いて夕日を海に落しけり 磯野利秀 稲架解いて湖のひかりが戸口まで 鈴木かよ 稲架解かれ佐渡が大きく浮かぶ日ぞ 佐川広冶 稲架解かれ瀬波勢ひて日に向ふ 木村蕪城 寒泉 稲架解かれ無用の竹として積まる 館岡沙緻 稲架解きて太虚の色づく隠れ里 石寒太 あるき神 稲架解きて野面の末を見なほせり 佐野まもる 稲架解くや遥かなる雪月山に 橋本榮治 麦生 稲架解くや雲またほぐれかつむすび 木下夕爾 稲架解けばすなはち千曲奔騰す 栗生純夫 稲架越えて風がひろごる奥州路(白河の関跡二句) 河野南畦 『試走車』 稲架離れ破顔ゆつくり近づき来 中戸川朝人 尋声 稲架風に鳴りきらきらと真昼の日 川島彷徨子 榛の木 稲架骨に風の鳴る日や霰雲 皆川白陀 稲舟に立ち稲架を下り見送れる 高野素十 稲運びあきし子稲架にぶらさがる 高野素十 空稲架となりて日暮のすぐにくる 永峰久比古 空稲架に日の遊びゐる山田かな 大石悦子 群萌 空稲架に海女の干しをり命網 築城 京 空稲架に童乗りしが解きはじむ 米沢吾亦紅 童顔 空稲架に老人が立つそれが兄 大牧広 空稲架に鵙が呼びたる夜は来ぬ 米沢吾亦紅 童顔 空稲架の一切経をそらんずる 鳥居美智子 空稲架の芯まで濡れて神迎へ 小早川蘇宇 空稲架の道に影伸ぶ飛鳥寺 つじ加代子 空稲架はあたかも牛の四つん這ひ 高澤良一 素抱 空稲架や峡こゝまでは人住めり 依田秋葭 空稲架を玉垣なせる佐太神社 宮津昭彦 竃に稲架の匂ひの野良着干す 坂内佳禰 立山の風の降り来る大根稲架 升田 義次 竪横にはざ(稲架)かけ渡す門田かな 嶋枝 俳諧撰集「藤の実」 良寛の墓の道なり糸瓜稲架 田中成一 茫莫たる潟にひゞきて稲架を解く 米沢吾亦紅 童顔 茸山を出て来し人等稲架ぞひに 高濱年尾 年尾句集 荒磯にも万朶の露の稲架ぶすま 佐野まもる 海郷 荒縄のぶらんこぎしぎし空稲架に 大熊輝一 土の香 荒縄の結び目揃ふ山の稲架 篠田悦子 菊日和また稲架日和じりじりと 石塚友二 落日に拓地の鳥居稲架を抽く 木村蕪城 寒泉 葬列のかくれ了せぬ稲架襖 木下夕爾 蔵王嶺を裾野ぼかしに稲架立てり 国井 美代 蕎麦の稲架掛ける独白おとしけり 萩原麦草 麦嵐 蚊帳干して不作の稲架をいろどるも 石田 波郷 螢火の燃えつゝ越えぬ稲架並木 石塚友二 光塵 行く年や水に影おく稲架の骨 藤田あけ烏 行く雲の眩し傾斜の大根稲架 羽田 岳水 街道や稲架の中なる柿茶店 河野静雲 閻魔 裾吹かれ立つ石狩の稲架案山子 大橋敦子 親切のマッチ明りが稲架てらす 京極杞陽 解かれゆく稲架に日を得し野菊かな 伊東宏晃 解きし稲架月光のはや来て顕ちをり 宮津昭彦 豆稲架にとどかむばかり波の先 沢木欣一 二上挽歌 豆稲架の日だまり婆々の居場所なる 細見綾子 黄 瀬 豊年の稲架夢殿の裏に組む 椛沢田人 赤米の稲架にあふるる大和の日 渡辺 和子 遅月の出てゐてくらし稲架の道 五十崎古郷句集 遠山河その一枚の稲架を組む 古舘曹人 能登の蛙 遠嶺の晴れて風寄す稲架襖 工藤たみ江 遠稲架に動く人等も暮れにけり 高濱年尾 年尾句集 那須岳を吹きくる風に稲架を解く 小野三子 野に出れば稲架の日向もかんばしや 松本たかし 野は稲架のいく重にものを焚くけむり 長谷川素逝 村 野鼠の稲架走る見ゆ月夜かな 西山泊雲 泊雲句集 鐘殷々よろけさうなる豆の稲架 ふけとしこ 鎌の刃 防潮林より稲架棒を出すところ 中戸川朝人 尋声 降られけり遠目に藁の色の稲架 大熊輝一 土の香 隣り田の稲架ごしらへも暮れてをり 長谷川素逝 村 集まつて音なく稲架を組んでをり 岩淵喜代子 朝の椅子 雨しろき稲架にもたれて案山子の死 堀口星眠 営巣期 雨の稲架犇犇累ね漁休む 木村蕪城 寒泉 雲中化仏即稲架中の父と母 磯貝碧蹄館 握手 電車の燈稲架隠ること繰り返す 山口誓子 晩刻 青草に雨水澄めり稲架のもと 石原舟月 山鵲 風つれて子が来ぬ稲架に風の音 大熊輝一 土の香 風湧けば棒稲架の果潟光る 河野南畦 湖の森 飛鳥路や稲架のかげにも石の弥陀 岩城のり子 駅に向く足に搦んで稲架の雨 石塚友二 光塵 高稲架となりて街道北を指す 板谷芳浄 高稲架に丹波但馬の山尖る 梅原黄鶴子 高稲架に光の束を鎧はすよ 中島斌男 高稲架に冷えし山影倒れ来し 中島真沙 高稲架に刈田と湖と水平ら 高濱年尾 年尾句集 高稲架に湖しぶきをあげ神渡し 西本一都 景色 高稲架に築地の松に斐伊の霧 西本一都 景色 高稲架に鯖街道のうち晴るる 西村和子 かりそめならず 高稲架の上の上から穂を垂らす 山口誓子 高稲架の乾ききつたる風の音 鷹松 月女 高稲架の或は海のものを干し 下村ひろし 高稲架の日おもてにして穂の満つる 皆吉爽雨 泉声 高稲架の立ちて弥彦は晴れわたり 加賀谷凡秋 高稲架の蔭に家あり墓もあり 木村蕪城 一位 高稲架の解かれてをりて声もなし 斉藤夏風 高稲架も馬埒も骨水芭蕉 野沢節子 高稲架をあたたむ束の間の夕日 柴田白葉女 高稲架を八重垣に組み出雲かな 山田幸夫 高稲架を解きておのが田見はるかす 吉野義子 高稲架を解きて湖北のすべて見ゆ 長田等 鵯鳴いて磐梯日和稲架日和 原田青児 鶏がいささか遠出稲架日和 片山由美子 水精 鶚来て雀声断つ磯の稲架 篠田悌二郎 鷹舞へる高稲架日和会津領 西本一都 黄金の風の生まれる稲架襖 伍賀稚子 いま掛けしばかりの稲のうすみどり 宮下翠舟 ものの繭つきたる稲を掛けにけり 岸本尚毅 舜 三つ星もろ星門田掛稲夜もにほふ 及川貞 夕焼 何の分別稲掛忙裡口あけて 成田千空 地霊 信貴の灯のとくある稲を掛けにけり 大橋櫻坡子 雨月 夕焼くる掛稲露をおびにけり 西島麦南 人音 常夜燈の灯影夜すがら掛稲に 西山泊雲 泊雲句集 影淡き十一月の稲架掛くる 石川桂郎 四温 掛けて干す見栄えぬものを稲のあと 篠田悌二郎 風雪前 掛けられて稲やすらぎの香を放つ 大熊輝一 土の香 掛け終へし稲架が夕日をまとひをり 小島ユキエ 掛稲にいつ減るとなく蜻蛉かな 柑子句集 籾山柑子 掛稲に人を怖れぬ虫ばかり 岸本尚毅 舜 掛稲に放射能雨の止む日無し 相馬遷子 雪嶺 掛稲に氷雨降るなり市原野 比叡 野村泊月 掛稲に波の立ちたる一湖かな 高野素十 掛稲に神慮の雨のかく冷えて 大峯あきら 鳥道 掛稲に螽飛びつく夕日かな 正岡子規 掛稲に近き畝にも水たまり 岩田由美 夏安 掛稲に遠からずして葬花かな 藺草慶子 掛稲に露ぬくぬくとながれけり 西島麦南 人音 掛稲のすぐそこにある湯呑かな 波多野爽波(1923-91) 掛稲のひとねむりして夕日さす 森澄雄 掛稲の下に慈姑のうち伏せる 岸本尚毅 舜 掛稲の下を這ひつつ唸る蜂 岸本尚毅 舜 掛稲の乾きの工合噛んでも見 長尾虚風 掛稲の伊賀の盆地を一目の居 高浜虚子 掛稲の夜の晴天を月わたる 中拓夫 愛鷹 掛稲の岸に舟著く堅田かな 馬場五倍子 掛稲の日々にへり今日急にへりぬ 富安風生 掛稲の真青な葉のあら~し 高野素十 掛稲の表を走る時雨かな 比叡 野村泊月 掛稲の裾に並びて憩ひけり 野村泊月 掛稲の裾に日疎き螽かな 比叡 野村泊月 掛稲の露の垣なす丹波かな 宇佐美魚目 天地存問 掛稲の黒きにいくさ思へりき 森川暁水 淀 掛稲は黒く月蝕雲のうち 森川暁水 淀 掛稲や午後四時ごろの田が光る 中拓夫 愛鷹 掛稲や多摩の横山あを~と 水原秋櫻子 掛稲や水田に映る白き雲 寺田寅彦 掛稲や洗ひ上げたる鍬の敷 白雄 掛稲や狐に似たる村の犬 正岡子規 掛稲や雨雲蔽ふ鴻の台 正岡子規 掛稲よりひたと落ちしは青蛙 高野素十 掛軸を巻き上げゐるや稲びかり 大木あまり 火球 曳きずつてきては泥稲掛けにけり 宮岡計次 榛の木に晩稲掛けたり道の端 正岡子規 溝沿に低き稲架なり掛けすゝむ 西山泊雲 泊雲句集 潮の香と掛稲の香とこもごもに 清 准一郎 牧草を稲架掛けにしてチロル村 石川文子 白鷺の白さ掛け稲濡れとほる 右城暮石 声と声 真白な蛾や掛稲を飛び出づる 岸本尚毅 舜 稲掛けてそこにもの食ふ女かな 岩田由美 稲掛けて人の如くに松立てり 星野立子 稲掛けて出雲の人の立話 宮津昭彦 稲掛けて夜毎に晴るゝ峰ひとつ 高橋馬相 秋山越 稲掛けて天の香具山かくれたり 富安風生 稲掛けて女はことに暮るるまで 中村汀女 稲掛けて志賀のさゞなみ空にあり 森田峠 避暑散歩 稲掛けて畝傍は行幸待つばかり 山本梅史 稲掛けて隠れたりけり色ケ浜 森田峠 避暑散歩 稲掛けて鱒飼ふ水を狭くしぬ 木村蕪城 寒泉 稲掛けの流れをはさみあちこちに 高木晴子 晴居 稲掛ける湖北の畦木痩せにけり 近藤一鴻 稲掛の遠き母娘を見て母と 深見けん二 稲掛や昼隠るかに酒ほがひ 清水基吉 寒蕭々 葛飾に掛稲を見る彼岸かな 比叡 野村泊月 蕎麦の稲架掛ける独白おとしけり 萩原麦草 麦嵐 行く人皆掛稲にかくれけり 石井露月 谷あひや谷は掛稲山は柿 子規句集 虚子・碧梧桐選 遅き月上りぬ稲も掛け終り 松元桃村 遠不二に掛稲はづす庭のうち 木村蕪城 一位 銀婚の吾等の影を掛稲に 山口青邨 門の内掛稲ありて写真撮る 高浜虚子 門前や掛稲みゆる松林 滝井孝作 浮寝鳥 鵙鳴くや晩稲掛けたる大師道 子規句集 虚子・碧梧桐選 川風のけはしくなりぬ稲棒(いなぼっち) 鍵和田[ゆう]子 飛鳥 迂回して潮香に気づく群稲棒 川端庸子 郡稲棒(むれぼっち)一揆のごとく雨に佇つ 角川源義 から~と稲木組む音や庵の空 西山泊雲 泊雲句集 こゝよりは橋立見えぬ稲木かな 西山泊雲 泊雲句集 そゝりたつ稲木の端の北斗星 西山泊雲 泊雲句集 居所を稲木にうつす野鳥かな 水田正秀 帆の影の稲木に落つる入日かな 西山泊雲 泊雲句集 提灯や稲木にかくれ又出づる 西山泊雲 泊雲句集 月のぼり稲木の影はなくなんぬ 西山泊雲 泊雲句集 扱ぎ減らす大稲城の数や小六月 金尾梅の門 古志の歌 提灯を稲城にかけしきぬたかな 飯田蛇笏 山廬集 旅遥か稲城異なる国に来し 松村蒼石 露 旅重ね稲城に後の月見るも 立子 月光りそむるしづかさ稲城組む 金尾梅の門 古志の歌 月暗き径となりし稲城かな 比叡 野村泊月 月高し遠の稲城はうす霧らひ 杉田久女 梨をもぐ手付き稲城の人と知る 稲畑廣太郎 瓜番舎そのままの稲城守となり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく 稲城すてて鳥のにげゆく山見ゆる 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく 稲城よりあまた震へる漁火の見ゆ 西村公鳳 縄切つて解きつゝ下る稲城かな 野村泊月 英霊迎ふ童子稲城より駆けり 岸風三楼 往来 見えわたる稲城の山の八郎潟 高濱年尾 年尾句集 雨やみし稲城のみちの暮れにけり 松村蒼石 寒鶯抄 鶏はみな稲城にのぼりて露ほがら 金尾梅の門 古志の歌 鶴舞ふや稲城があぐる霜けむり 杉田久女 五能線田母木に夕立うちつけて 高澤良一 寒暑 いつしかに稲を干す瀬や大井川 其角 俳諧撰集「有磯海」 かりますというて稲干す鳥居かな 立花北枝 わさ鍋のいつ干(ひ)さらん稲の露 椎本才麿 人里を離れし浦に稲を干す 高木晴子 晴居 刈干しの晩稲吹立つ山颪 大熊輝一 土の香 南部花巻干稲を地に抱き合はせ 宮坂静生 春の鹿 天心の月の白毛稲を干す 中拓夫 愛鷹 山田とて稲を刈り干す岩多し 秋櫻子 掛けて干す見栄えぬものを稲のあと 篠田悌二郎 風雪前 松原に稲を干したり鶴の声 椎本才麿 泥稲の刈ッ干し急ぐ貰ひ照り 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく 猪防ぐ手立て尽くせし稲を干す 茨木和生 往馬 石に干し石濡らしけり峡の稲 鳥居美智子 磯松に稲干しかけてこの日頃 佐野まもる 海郷 稲を干す人泥足や塔荒るゝ 雉子郎句集 石島雉子郎 稲を干す村の夜空の鱗雲 中拓夫 愛鷹 稲干して村社となりし王子あり 宮津昭彦 稲干すや海にはじまるうすみどり 古舘曹人 能登の蛙 耶馬渓の岩に干しある晩稲かな 杉田久女 葛城古道地干しの稲の匂ひくる 山田春生 谷茶(たんちゃ)浜魚干すごとく稲莚 沢木欣一 沖縄吟遊集 軍捷つて天下の稲の干かな 会津八一 雁追ふや畦に稲干す里慣ひ 菅原師竹句集 出で立ちは郷士のさまに群稲棒(むれぼっち) 高澤良一 石鏡
by 575fudemakase | 2014-10-12 00:50 | 秋の季語俳句の四方山話 季語の例句 句集評など
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから 調べる方法です。 グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、 その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)
検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを クリックし表示ください。 [参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語
検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを クリックし表示ください。 [参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語
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