【前編】囁かれるアニメ業界の危機感、カドカワ責任者に訊く待遇改善への意気込み カギは「スタジオ子会社化」
日本のアニメ産業が急速に拡大する中、出版からアニメ制作まで一貫して手がけるKADOKAWAの存在感が際立っている。アニメ『【推しの子】』『Re:ゼロから始める異世界生活』などのヒット作を次々と生み出す...
アニメ制作をはじめる時にいろんな方に話を聞ききましたが、「制作会社は持たない方がいいよ」と言われました。そのくらい制作会社は大変。メーカー側が用意する契約書だけでは、とてもできないことを多く感じるんです。放送局のスケジュールに合わせて納品しなきゃいけない、そのために人を集めて制作したら、ものすごく予算がオーバーするようなことが起きます。業界における根本的な構造をリアルに感じ、同時に制作における待遇も見えてきました。
アニメの仕事をしていると、椅子で寝転がって、家にも帰れないようなことががあると思われていて、そんな仕事は選びたくないですよね。KADOKAWAで人材採用をしている時も「アニメはやりたい」と言われます。でも企画より宣伝やライツがやりたい。企画は辛そうだし、ましてや制作会社は「冗談じゃないです」と言う。まずはそれを払拭しなければいけない。今はそういう部分を改善して、アニメを作ることを目標にした人材が飛び込んでくる体制をつくりたいと思います。
菊池——スタジオを作る考えは、ENGIを設立した2年ぐらい前からです。その頃は僕はまだアニメ事業の責任者ではなかったのですが、労務管理上の問題もあり、KADOKAWAとしては絶対にスタジオを持たない方針でした。ただ他社のサンライズさん(現バンダイナムコグループ)やアニプレックスさんはスタジオを持っていました。産業を大きくしていくにはやはり制作する力を一緒に持っていかないとと思い、私が責任者になった段階で新しい事業方針として制作会社を持つことにしました。
菊池——ご縁だったりその時の状況だったり、それぞれ理由があります。キネマシトラスも木谷さん(ブシロード代表取締役社長兼CEO木谷高明氏)からブシロードとしてサポートしようと思っていると伺い、長年のKADOKAWAとブシロードさんとの関係から一緒にバックアップしましょうと。ENGIとキネマシトラスの2社を持った時には、やはり100%出資してKADOKAWAの意志で運営できる会社を将来的には作りたいと思いました。
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