まりと殿さま(毬と殿様) 歌詞の意味・由来
まりと殿さま(毬と殿様) 歌詞の意味・由来

まりと殿さま(毬と殿様) 歌詞の意味・由来

まりと殿さま(毬と殿様) 歌詞の意味・由来 てんてん てんまり てん手鞠(てまり) てんてん手鞠の 手がそれて どこからどこまで 飛んでった 垣根をこえて 屋根こえて おもての通りへ 飛んでった 飛んでった おもての行列 なんじゃいな 紀州の殿さま お国入り 金紋先箱(きんもんさきばこ) 供(とも)ぞろい お駕籠(かご)のそばには ひげやっこ

てんてん てんまり てん手鞠(てまり) てんてん手鞠の 手がそれて どこからどこまで 飛んでった 垣根をこえて 屋根こえて おもての通りへ 飛んでった 飛んでった

おもての行列 なんじゃいな 紀州の殿さま お国入り 金紋先箱(きんもんさきばこ) 供(とも)ぞろい お駕籠(かご)のそばには ひげやっこ 毛槍(けやり)をふりふり ヤッコラサーの ヤッコラサ

てんてん手鞠は てんころり はずんでお駕籠の 屋根の上 もしもし紀州の お殿さま あなたのお国の みかん山 わたしに見させて 下さいな 下さいな

お駕籠はゆきます 東海道 東海道は 松並木 とまりとまりで 日がくれて 一年たっても 戻りゃせぬ 三年たっても 戻りゃせぬ 戻りゃせぬ

てんてん手鞠は 殿さまに 抱かれはるばる 旅をして 紀州はよい国 日の光 山のみかんに なったげな 赤いみかんに なったげな なったげな

お正月向けの曲だった

写真:紀州徳川家の居城 和歌山城 大天守(出典:Wikipedia)

怖い童謡?大名行列と手打ち

行列が見えてきた。人々はひれ伏す。そのひれ伏した目の前を異様なものがコロコロ転がった。それは、毬だった。そう思った途端、お河童頭の女の子が飛び出してきた。もちろん毬を拾いに出ていったのである。しかし次の瞬間、侍の大きな声が聞こえた。

「無礼者っ!」

ただひと声だった。刀がキラリと光った。”ばさっ”という音とともに女の子の体が崩れ落ちた。悲鳴すらなかった。肩先から胸に切り裂かれた傷口から、赤い血がただ、どくどくと流れていた。

<中略>

大好きな手毬を追っていった女の子は、何の前ぶれもなく理由を聞かされることすらなく、ただばっさりと斬り捨てられた。

「一体、何が起こったのだろうか?」

即死してしまい、痛みさえ分からぬ女の子は、目の前の毬に魂をのり移らせてしまったのだ。

♪はずんでお駕篭の 屋根のうえ‥‥

とは、死ぬことにより浮遊した霊が、殿さまよりも上にいるという状態を歌っていたのである。でなければ、殿さまのお駕篭の上に乗るなんて、あまりにも不謹慎すぎるではないか。

死んだ女の子の心は、毬にのり移って東海道を旅するのである。死んでしまったという意味、いなくなってしまったということを、

♪一年たっても もどりゃせぬ 三年たっても もどりゃせぬ‥‥

と表した。戻らないとは、もう二度と帰ってこない、つまり死んでしまったという意味になるのである。

<引用:合田道人著「童謡の秘密」(祥伝社)より>

童謡の秘密―知ってるようで知らなかった 単行本 – 2003/6/1 合田 道人

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