卓上CNCでアルミを切削するときの条件
卓上CNCでアルミを切削するときの条件 面出し加工用NCプログラム: RZ300は自分で組み立てるキットなのですが、組み立て終わった後に、加工テーブルを面出しする(CNCが自分で自分を削る)ステップがあります。 この面出しをするNCプログラムがキットに含まれてます。そのファイルを開いて、送り速度を調べました。テーブルのアルミの種類は不明です。
面出し加工用NCプログラム: RZ300は自分で組み立てるキットなのですが、組み立て終わった後に、加工テーブルを面出しする(CNCが自分で自分を削る)ステップがあります。 この面出しをするNCプログラムがキットに含まれてます。そのファイルを開いて、送り速度を調べました。テーブルのアルミの種類は不明です。 自分の経験ですが、うまく削れた(表面を指で触ってツルツル、爪でひっかいて突っかからない)ので参考値として入れてます。 このときの回転数は5600rpmで、4mmの2枚刃スクエアエンドミルを使っています。 よって、1刃当たりの送り量は、XY方向が0.0268mm/刃、Z方向が0.0107mm/刃となります。
フライス 1刃当たり送り量(mm/刃) 高速度鋼 0.28 超硬合金 0.25 フライス 回転数(rpm) 刃数 2 4 高速度鋼 3400 1904 3808 5600 3136 6272 10000 5600 11200 12000 6720 13440 17000 9520 19040 超硬合金 3400 1700 3400 5600 2800 5600 10000 5000 10000 12000 6000 12000 17000 8500 17000 送り方向 設定名 デフォルト値 XY Cutting Feedrate 1000 Z Plunge Feedrate (=Ramp Feedrate) Cutting Feedrate / 3機械が頑丈で変形しずらい場合、送り速度を上げ、逆に剛性がなく不安定な場合は、送り速度を下げます(※)。 参考資料とFusion360は、おそらく本来の大きさのフライス盤を想定していて、 それと比べると卓上フライス盤は剛性がないため、参考値の中で一番低い送り速度を選択します。 深溝加工の場合や、仕上げ面精度を向上させたい場合、送り速度を下げますが、 遅くしすぎると工具の摩耗や加工硬化により、工具の寿命が短くなったり、構成刃先が生じます(※)。 遅すぎても、早すぎてもダメということです。 よって、送り速度はXYで300~480mm/min、Zで60~120mm/minぐらいになります。 後は機械とエンドミルと材料の取り付けが、どこまで耐えられるかと、 加工する溝の深さと、面の粗さとを見ながら調整する形です。
最後に、刃数が増えた場合どうなるか確認します。 冒頭の式から、刃数が増えれば、その分早く移動させる必要があるので、加工が早く終わることがわかります。 もし、送り速度を変えなかった場合、1刃当たりの送り量は減ります。 同じ刃数で送り速度を下げた場合と同じ(1刃当たりの送り量が減る)なので、仕上げ面精度を向上させることができると推測します。 よって、刃数を増やすと、速度を落とさずに仕上げ面精度を向上させることができることになります。 ですが、どちらの場合も機械にかかる負荷は増えます。
条件3:切り込み
エンドミル直径(mm) 被削材 切り込み量(mm) XY Z メーカー切削条件の目安 ― アルミA5052 0.1 ジュラルミンA2017 0.2 ジュラルミンA2017(100Wスピンドル仕様) 0.4 加工サンプル:歯車 2(OM-SE2SM-2-6) A7075 0.1 加工サンプル:サイクロ減速機の部品 2(OM-SE2SM-2-6) A2017 0.1 面出し加工用NCプログラム 4 アルミ製加工テーブル 1.5 0.1 参考資料(※1) 0.5 ― ~0.25 1 0.3~0.5 2 0.3~1.0 4 0.3~2.0 Fusion360デフォルト値(※2) 0.5 ― 0.2 0.5 1 0.4 0.5 2 0.8 0.5 4 1.6 0.5- 切り込みはエンドミルの直径の半分以下。
- 0.3以上でないと、刃が逃げ、材料の面をすべる。
まず、参考資料とFusion360のデフォルト値から、切り込み量はツール直径と比例しているのが分かります。 次に、同じアルミ合金でも、A5052とA2017で切り込み量が異なります。 A2017の方が柔らかい(ブリネル硬さが低い)ため、その分切り込み量が多いのだと思います。 最後に、同じジュラルミンでもスピンドルをパワーアップさせた方が、切り込み量が倍になっています。 これらと、面出しプログラムの経験を踏まえて、切り込み量は、XYはエンドミルの直径の0.375倍で、Zは0.025倍にします。 そこから、機械がどこまで耐えられるのか(エンドミルが折れず、スピンドル電流オーバーで緊急停止しない)と、 切削するアルミ合金のブリネル硬さを見ながら、調整します。 実際この調査をするまで、送り速度だけなんとなく下げて、切り込みはFusion360のデフォルト値でやってましたが、普通に削れてました。 ただ、切削後に若干バリが残り、ザラザラすることもありました。 (切削条件を見直すと同時に、この時機械も組み立てなおしたので、正直切り込み量の問題だったのか、 ツールがワークに対して垂直になっていなかっただけのか分かりません)
最後に
今まで小さいエンドミルを使うときは、折れないように送り速度と切り込み量を落としていました。 それでも折れてしまうことがありました。これは、スピンドルの回転数が足りなかったのだとわかります。 卓上CNCで腕時計を自作した「したーじゅ」さんは、Φ0.15のエンドミルで快削真鍮から歯車を加工(※1)し、 また、RD300の回転数を30000rpmまで上げれるように改造もした(※2)そうですが、その理由がやっと分かった気がします。