源氏物語の書き出し・冒頭の読み方を解説【原文をふりがな付で紹介】有名な一文を暗記しよう!
この記事では、源氏物語の書き出し(冒頭文)の読み方と意味を解説しています。原文をふりがな付きで紹介し、わかりやすい現代語訳も記載しました。暗記方法として、現代仮名遣いの読み方や品詞分解なども説明しています。冒頭文の特徴と効果、冒頭文の英訳も紹介しました。
父 ちち の 大納言 だいなごん は 亡 な くなりて、 母北 ははきた の 方 かた なむいにしへの 人 ひと のよしあるにて、 親 おや うち 具 ぐ し、さしあたりて 世 よ のおぼえはなやかなる 御方 おほんかた がたにもいたう 劣 おと らず、なにごとの 儀式 ぎしき をももてなしたまひけれど、とりたててはかばかしき 後見 うしろみ しなければ、 事 こと ある 時 とき は、なほ 拠 よ り 所 どころ なく 心細 こころぼそ げなり。
源氏物語の書き出し(冒頭)の現代語訳
冒頭部分の現代語訳を掲載します。文章を短く切り、主語や目的語を補い、わかりやすくしています。(桐壺の更衣の)父親の大納言は亡くなっていて、母である北の方が旧家の出の教養ある人でした。なので、 両親がそろっていて、現在華やかにしておいでになる方々にもあまり見劣りしない程度に 、どのような儀式をも対処なさっていたのです。けれど、これというしっかりとした後ろ盾がないので、大事な儀式の催されるときには、やはり頼るあてがなく心細い様子です。
源氏物語の冒頭文の暗記方法
「源氏物語」の冒頭文がなかなか暗記できない…。いづれの 御時 おほんとき にか、 女御 にょうご 、 更衣 かうい あまたさぶらひたまひけるなかに、 いとやむごとなき 際 きは にはあらぬが、すぐれて 時 とき めきたまふありけり。
源氏物語冒頭文の現代仮名遣い表記いずれの 御時 おおんとき にか、 女御 にょうご 、 更衣 こうい あまたさぶらいたまいけるなかに、 いとやんごとなき 際 きわ にはあらぬが、すぐれて 時 とき めきたまうありけり。
(いずれのおおんときにか、にょうご、こうい あまたさぶらいたまいけるなかに、いとやんごとなき きわにはあらぬが、すぐれてときめきたまう ありけり)
現代語訳を覚え、物語の状況把握をしよう 部分ごとに解説していきますね。 どの帝の御代であったでしょうか「源氏物語」は、平安時代の一条天皇の時代に書かれた物語ですが、「源氏物語」の時代設定は、 それより前の天皇の御代である と説明しています。
女御や更衣がたくさんお仕えなさっていた中に女御・更衣 というのは、天皇の后に与えられる身分の名前です。
女御大臣など身分の高い人の娘が天皇の后になったときに与えられる称号更衣大納言以下の低い身分の人の娘が天皇の后になったときの称号 たいして高貴な身分ではなくて、格別にご寵愛を得ていらっしゃる女性がいました。この「たいして高貴な身分ではなくて、格別に寵愛を得ている女性」が桐壺の更衣と呼ばれる人で、「源氏物語」の主人公・光源氏の母親です。
品詞分解と語句の解説 「源氏物語」書き出し部分の意味と読み方はわかったけど、細かい品詞的なことがよくわからないよ。いずれの 御時 おおんとき にか、 女御 にょうご 、 更衣 こうい あまたさぶらいたまいけるなかに、 いとやんごとなき 際 きわ にはあらぬが、すぐれて 時 とき めきたまうありけり。
語句意味品詞備考いづれ(いずれ)どれ代名詞 の 格助詞 御時(おほんとき⇒おおんとき)天皇の御代名詞「いづれの御時」⇒「どの天皇の御代」に断定断定の助動詞「なり」の連用形 か疑問疑問を表す係助詞係り結びの「結び」にあたる「あらむ」が省略されている。「いづれの御時にか」⇒「どの天皇の御代であったか」女御(にょうご)天皇の后。大臣や皇族など、高貴な家柄の娘の地位。名詞 更衣(かうい⇒こうい)天皇の后。中下級貴族の娘の地位。名詞 あまたたくさん副詞 さぶらひ(さぶらい)(身分の高い人のそばに)お仕えするハ行四段活用動詞「さぶらふ」の連用形筆者から天皇への謙譲語ここでは、「天皇にお仕えする」の意味たまひ(たまい)~していらっしゃる。~なさっている。尊敬の補助動詞 ハ行四段活用「たまふ」の連用形筆者から女御・更衣たちへの尊敬語「天皇にお仕えなさっている」ける過去過去の助動詞「けり」の連体形 なか 名詞 に 格助詞「女御、更衣、あまた さぶらひ たまひ ける なか に」⇒「女御、更衣などがたくさんお仕えなさっている中に」いととても・非常に副詞 やむごとなき(やんごとなき)高貴なク活用の形容詞「やむごとなし」の連体形 きは(きわ)身分名詞 に断定断定の助動詞「なり」の連用形 は強調係助詞とても高貴な身分ではなくてあらその状態が認められるラ行変格活用動詞「あり」の未然形 ぬ否定打消しの助動詞「ぬ」の連体形 が 同格 格助詞現代のような逆接の意味ではない「いとやむごとなき きはにはあらぬが」⇒「とても高貴な身分ではなくて、それでいて」すぐれて格別に副詞 ときめき(天皇から)寵愛を受けるカ行四段活用「ときめく」の連用形 たまふ(たまふ)~していらっしゃる。~なさっている。尊敬の補助動詞 ハ行四段活用「たまふ」の連用形筆者から桐壺の更衣への尊敬語「寵愛を得ていらっしゃる」あり存在しているラ行変格活用動詞「あり」の連用形 けり過去過去の助動詞「けり」の終止形「すぐれて ときめきたまふ ありけり」⇒「格別な寵愛を得ていらっしゃる方がいた」 「源氏物語」書き出しの品詞分解 な、なるほどー😥何となく分かったけど、完全には覚えきれないよ。 全ての品詞や活用形、意味を覚えるのは大変ですね。源氏物語の冒頭文の特徴
いづれの 御時 おほんとき にか、 女御 にょうご 、 更衣 かうい あまたさぶらひたまひけるなかに、 いとやむごとなき 際 きは にはあらぬが、すぐれて 時 とき めきたまふありけり。
いづれの 御時 おほんとき にか「源氏物語」以前の文学作品では「今は昔」という書き出しが定番でした。
「竹取物語」かぐや姫を育てる翁夫妻。(江戸時代) 「伊勢物語」にいたっては、「むかし、男ありけり」で始まっています。 「昔」というワードが、物語の冒頭句として多かったんだね。「源氏物語」の冒頭文「いづれの御時にか」は、 「今/昔」というざっくりとした 時間感覚ではなくて、「いずれかの天皇の御代」を意味しており、読者にとって よりリアリティーを感じる書き出しとなっています。
平安時代当時の読者は、「宇多天皇の頃の話かな?醍醐天皇の頃の話かな?」と「源氏物語」の時代設定を想像しながら楽しんだことでしょう。 女御 にょうご 、 更衣 かうい あまたさぶらひたまひけるなかに いとやむごとなき 際 きは にはあらぬが、すぐれて 時 とき めきたまふありけり。冒頭一文の締めくくりとして、 身分が高くない更衣が、格別な寵愛を受けている という不穏な状況が明かされます。
「源氏物語」冒頭文の効果 「竹取物語」と比べると、「源氏物語」作者、紫式部の文章能力の高さがよくわかるね。源氏物語の冒頭文の英訳
「源氏物語」の冒頭文を英訳するとどんな感じになるの?THE TALE OF GENJI (ENGLISH EDITION)
At the Court of an Emperor (he lived it matters not when) there wasamong the many gentlewomen of the Wardrobe and Chamber one, who thoughshe was not of very high rank was favoured far beyond all the rest; sothat the great ladies of the Palace, each of whom had secretly hoped.
that she herself would be chosen, looked with scorn and hatred uponthe upstart who had dispelled their dreams. Still less were her formercompanions, the minor ladies of the Wardrobe, content to see her.
raised so far above them. Thus, her position at Court, preponderantthough it was, exposed her to constant jealousy and ill will; andsoon, worn out with petty vexations, she fell into a decline, growing.
very melancholy and retiring frequently to her home. But the Emperor,so far from wearying of her now that she was no longer well or gay,grew every day more tender and paid not the smallest heed to those.who reproved him, till his conduct became the talk of all the land;and even his own barons and courtiers began to look askance at anattachment so ill-advised. They whispered among themselves that in theLand Beyond the Sea such happenings had led to riot and disaster.
The people of the country did indeed soon have many grievances toshow: and some likened her to Yang Kuei-fei, the mistress of MingHuang. Yet, for all this discontent, so great was the sheltering.power of her master’s love that none dared openly molest her.
The Tale of Genji (English Edition) Waley Arthur (翻訳) おおう…。なかなか難しい英語だね! 著:Shikibu, Murasaki, はしがき:Washburn, Dennis, 翻訳:Waley, Arthur 著:紫式部, 翻訳:アーサー ウェイリー, 翻訳:毬矢 まりえ, 翻訳:森山 恵 英訳をさらに日本語訳した本って面白そうだね! 他の現代語訳は挫折したけれど、『源氏物語A・ウェイリー版』は読めたという人もいるようです。「源氏物語」の書き出し・冒頭まとめ
よかったらシェアしてね! URLをコピーしました! URLをコピーしました!- 源氏物語は気持ち悪いしイライラする!良さがわからない人のためになぜ名作なのかを解説。
- 平安京の内裏図と清涼殿の平面図を紹介【源氏物語の理解に役立つ!】