二十年以上東京に住んでいた僕が福岡に移住して考えたいくつかのこと ⑧ゴミ出しについて考えた 我妻許史
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二十年以上東京に住んでいた僕が福岡に移住して考えたいくつかのこと ⑧ゴミ出しについて考えた 我妻許史 | 文学同人WEB | https://wagatsuma-songs.com/essay8/

僕はルーティンの男だ。朝起きたらお湯を沸かし、音楽をかける。コーヒーを淹れ、一服しながら飲む。飲み終わったらシャワーを浴び、腕立て伏せを四十三回する(四十三回というのは今の年齢です。だから、来年は四十四回、十年後は五十三回するということになる)。ここまでが現在のルーティン。東京に住んでいたときは、近所に氏神様があったから参拝してから出社するまでがルーティンだったんだけれど、今は氏神様までけっこう遠いからルーティン化はできない。そこから、仕事がある日は、青い靴下を履き、カバンに必要なものを入れてマンションを出る。休日だったらノートにその日やることを書いて(買い物だったり、洗濯だったり、執筆だったり)、一つずつ潰していく。 こんな風に書くと、味気ないというか、非ドラマチックに思えるけれど、どうやらこれが性に合ってるらしく、数年前からこんな生活を続けている。 さて、生活していると絶対に出るのがゴミだ。とくに僕は自炊はするし、酒は飲むから、毎日、何かしらのゴミが生まれる。 瓶、缶が大変だ。杉並区に住んでいたときは週一で回収があったから気にならなかったけれど、福岡市では月一の回収だから、回収日前には一番大きいサイズのゴミ袋がはち切れんばかりに膨らんでしまう。ワインの瓶や、ビールの缶に目を背けながら、袋の口を結ぶとき、呆れ、恥、後悔、それらの感情が僕を揺さぶり、つい、悔恨の詩を詠んでしまいそうになる。 だけど、福岡市は飲酒者に優しい(というわけではないんだけれど)。なんと、回収は夜間なのだ(全国でも夜間回収が行われているのは福岡市だけ!)。これは、ありがたい。もし、朝だったら、自分が飲んだ瓶だの缶だのが白日に晒されて、悔恨の詩を詠むだけでは済まない自体に陥ってしまう。 だけど、僕はルーティンの男。帰ってきたら料理を作って飲酒することになっている。飲酒すると酩酊し、判断力は鈍り、知能は著しく低下してしまう。眠くなるし、だるくなる。どうでもいいやという気になってしまう。どうなるか? ゴミを捨て忘れてしまうのである。 翌朝、僕がどんな気分になるか想像してもらいたい。想像した? そう、正解。そんな気分になってしまうのである。だから、僕はゴミ袋が膨らみ始めると、ゴミのことばかり考えて暮らしている。

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