映画『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』感想(ネタバレ)…エイワがなんとかしてくれる
脚本も興行も…映画『アバター3 ファイヤー・アンド・アッシュ』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタバレありの構成です。原題:Avatar: Fire and Ash製作国:アメリカ(2025年)日本公開日:2025...
次男の ロアク は亡き兄を思い、自分の未熟さを噛みしめています。亡き グレイス・オーガスティン博士 のアバターが妊娠して生まれた養女の キリ は、ナヴィの信仰する精霊 エイワ との接続中に気を失ったことで、フィーラーでの接続を控えていました。地球人でありながら幼い頃からナヴィと暮らしてすっかりナヴィ同然に生きている スパイダー は、前回の戦いの中で実の父のクオリッチから誘われるも拒絶。しかし、命を助けてもしてやったことに複雑な感情を押し殺したままです。ジェイクの妻である ネイティリ は、喪に服しながらも人間(スカイ・ピープル)への憎しみが膨れ上がり、スパイダーすらも受け入れられなくなっていました。末っ子の トゥク は、バラバラになっている家族を前にどうすることもできません。
そんなある日、 風の部族 がメトカイナ族の集落を訪れます。
この『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』のあらすじは「シネマンドレイク」によってオリジナルで書かれました。内容は2025/12/24に更新されています。 エイワって何ですか?『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』は 映像美 についてはもう2作目から引き続きなので言及するまでもないでしょう(技術的にも同じものだろうし)。
物語の展開は、 前作の繰り返しが結構多め なので、その点においては新鮮味が薄いのは残念なところ。
舞台がガラっと変わるのかと思ったら、多少の移動はあるものの、今作の最終的な決戦は前回と同じ 海上 ですからね。前作の「海」という非常にわかりやすく視覚的にも見栄えがある新しいフィールド要素は今作でも最大限に活かされており、 “ジェームズ・キャメロン”監督がいかに「海が大好き」な人間か、 その熱量がこのシリーズに詰まりまくっています(今回もトゥルクン乱獲をとおしての「反イルカ漁・反捕鯨」が前面にでまくり)。
今作にいたってはトゥルクンもいち部族としてしっかり描かれていましたから。 わざわざ頭部だけ垂直に突き出して会議に参加してくれるの、姿勢的に大変だったろうに…。もうちょっと先制攻撃できていれば、トゥルクンだけでRDAに勝てると思うので、平和主義は脇に置いて頑張ってほしいですね。
自然破壊と植民地主義を掛け合わせてそのおぞましさを映し出すシリーズのメインテーマはここにきて集大成なのでしょうか。 というか、“ジェームズ・キャメロン”監督がやりたいそのテーマの到達点は、自身の偏愛する海洋保護を遠慮なく打ち出せるこの方向性以外考えられないのかもしれません。これ以外にこのシリーズでやりたいことはあるのか?
最終決戦のアクション面も、 1作目と2作目の合わせ技みたいなボリューム ではありました。空と海の縦軸の移動が頻出するので、目に入る映像量が多いこと、多いこと…。
ただ、あれなんですよね。結局どうであろうと、 「エイワ」という切り札を繰り出せれば勝負はいくら不利でもひっくり返せてしまう のがハッキリしてきたな、と。私たちにはエイワが何なのか依然として不明ですけども(ガイア理論を拡張させた星規模の神経ネットワーク…ということなのかな)、少なくとも「なんだかあらゆる生き物が味方してくれる凄いパワー」くらいの認識が1作目から3作目に至るまで変わらない気もする…。
このシリーズが 『DUNE』 みたいに宇宙規模の地政学的な作用が今後も関わってこないなら、このエイワ頼みで全部解決してしまうのではないだろうか…。
『DUNE デューン 砂の惑星 PART2』感想(ネタバレ)…パート2の続きは? パート2の続きは?…映画『デューン 砂の惑星 PART2』の感想&考察です。前半パートはネタバレなし、後半パートからネタ. cinemandrake.com キリのマジカル・ネイティブアメリカン『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』での新しい要素もあるにはあります。しかし、問題はその新しさが面白さに繋がっているというよりは、 このシリーズの問題点に紐づいている点が多すぎる ことで…。
例えば、今作の悪役。今回は全く懲りないクオリッチだけでなく、火山帯に暮らす「アッシュ」とも呼ばれる マンクワン族 も強力な敵として立ちはだかり、その族長の ヴァラン にいたってはクオリッチとなんだかラブラブな関係にさえなっていきます。暴力で結ばれたヴィラン・カップルですが、拠点でのあの対峙は アバター流のBDSMだったのだろうか… 。
しかも、先ほども書いたようなクオリッチとの愛し合いゆえに、 先住民のフェティッシュ化が一層目を背けづらくなってきたし… 。
そして「家族」のテーマですが、『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』では 憎しみと喪失感でバラバラになってしまった家族が再集結する物語 です。そこは全然いいのです。まあ、家族の物語としては無難な安全路線ですけどね。
問題はジェイクとネイティリの亀裂に繋がるスパイダーの件です。今作でスパイダーは マスク(エグゾパック)装置なしでパンドラの大気でも呼吸できるようになります 。それはキリの力によって人体が菌糸体で再構成されたかららしいのですが、この新特性を会得したスパイダーがもし敵の手に渡ればパンドラの入植のしやすさは完全に流れが変わるので「彼を殺すべきか」でジェイクとネイティリはぶつかります。作中で最も暗いシーンです。
でもどうなんですかね。別にスパイダーがいなくても、アバターの技術があれば、パンドラの入植は余裕でしょうし(現にクオリッチがやってみせてる)、そもそもで言えば、 一番にヤバい前例を作ったのはジェイク本人じゃないですか 。
ジェイクは作中ではトゥルーク・マクトと呼ばれる乗り手の英雄として持て囃されているので忘れそうになりますけど、客観的にみれば ホワイト・セイバー的な白人酋長モノ であるのは否定しようがないです。しかもそれをテクノロジーで可能にしてしまっている…。この最大の問題はこのシリーズはずっと不問にして逃げています。
私は本作含めシリーズをずっと見てきて、諸悪の根源にあるのはやっぱりあのアバターという技術であり、 どこかでこのアバターという技術と決別する展開が来ないと、 植民地主義のテーマに真正面から答えられないと思うのです。
“ジェームズ・キャメロン”監督的には 「テクノロジーが自然との一体化を促進してくれる」 という理想を信じたいのでしょうけど、本当にそれでいいのか。その願望もまた「知的な海洋生物を金儲けの資源としか見ていない奴ら」と根は同類ではないのか。もう少し自己批判してもいいのではないかなと感じます。
シリーズの今後の方向性を左右するのは、どう考えても “シガニー・ウィーバー” 演じるキリです。今作でグレイス博士のアバターの誕生の際に単為生殖で命が授かった存在で(父はいない)、エイワそのものであるかのように示唆されました。
キリは表象としてはいわゆる 「マジカル・ネイティブアメリカン」 であり(「マジカル・ニグロ」の先住民バージョン)、純粋無垢な超神秘的な力で唯一無二となっています。
“ジェームズ・キャメロン”監督はAIの濫用には反対でも「luddite」(技術革新反対派)ではないですし、このシリーズで露骨に浮き彫りなように 「自然とテクノロジーを調和させたい派」 の人でしょう。そんな監督にとって、キリは究極の理想を体現する「ドリーム・ガール」です(だから自然大好きな白人が妄想する最高の先住民女性…みたいな人物像なんですけどね)。
『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』 シネマンドレイクの個人的評価 6.0 LGBTQレプリゼンテーション評価 –(未評価)作品ポスター・画像 (C)20th Century Studios. All Rights Reserved. ファイヤーアンドアッシュ
Avatar: Fire and Ash (2025) [Japanese Review] 『アバター ファイヤー・アンド・アッシュ』考察・評価レビュー #アメリカ映画2025年 #続編 #3作目 #ジェームズキャメロン #植民地主義
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