配管支持方法と吊ピッチ(支持間隔)
配管支持方法と吊ピッチ(支持間隔)

配管支持方法と吊ピッチ(支持間隔)

配管は、建築構造体などの剛体から固定または支持をとる必要がある。配管支持の目的は、配管の自重を支える自重支持と

横走り配管は上階の床にアンカー(またはインサート)を打ち込み、アンカーから全ねじと呼ばれる吊棒を吊り、吊タンと吊バンドを用いて配管をくくり吊るすのが主な支持方法である。上階の床にアンカーを打ち込む代わりに、ハンガーエイムで鉄骨梁などの形鋼から吊棒を吊る方法もあり、この方法では鋼材をボルトではさみ込み固定するため鋼材に穴を開ける必要がない。そのほか、吊タンと吊バンドの代わりに鋼材を流してUボルトで配管をくくり吊るす方法もあり、この方法は配管が同レベル(高さ)で複数並んでいるときの施工性を高めるために用いたり、吊棒を真っ直ぐ下ろせないような場合に吊棒の位置をズラすために用いたりする。

天井吊りとすると吊棒による吊りとなるため、配管に外力がかかるとユラユラと振り子のように揺れてしまう。これを防止するために吊支持の何本かに1回は、吊棒に斜材を加えたり、吊棒を鋼材に変えるなどの振止支持を施す必要がある。

床転がし配管の支持

屋上配管で天井吊とすることができない場合や、床置き装置と装置のつなぎの配管で天井吊とするメリットが少ない場合などには、横走り配管の代わりに下階の床上から配管支持とする。このときの床に対して水平方向に施工する配管を、今回は床転がし配管と呼んでいる。

床転がし配管は、勾配のない配管であればクロスバンドTバンド、勾配のある配管であればレベル調整ができるフロアバンドを利用する。鋼材による配管支持であれば、門型架台とすることで配管レベル(高さ)に関わらず設置できる。なお、立バンドの利用をよく見かけるが、一般に立バンドは自重を支える構造になっておらず保障された施工ではないため立バンドを床転がし配管に利用は避けるべきである。

立管の支持

立管とは、床に対して鉛直方向に施工する配管であり、横走り配管とは支持の取り方も異なる。立管の自重は一般に立管支持金物で負担することができないので、立管最下部にかかる荷重を立管直近の横走り管吊りの金物等で支持していることになるので、呼び径80Aを超える大口径の場合は脚部支持などで自重支持点(固定点)を設ける必要がある。排水立て管の最下部は、必要に応じて、支持台を設け固定することとしている。

さらに、地震の際に層間(階ごと)で異なる動きが発生し座屈が起きる可能性が高く、座屈防止のためにハウジング継手や排水用可とう継手などの可とう性を持った継手としたり柔軟性のある配管であれば配管しろ(ゆとり)を持たたりすることで対策する。なお、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では冷媒管の立管について、「管の熱伸縮量を頂部及び最下部において吸収する措置を講ずること」としている。

立管の振止支持は、壁からであれば立バンドと羽子板などを用いて支持を取るのが一般的である。壁と配管との距離によって、短い場合はT足、長い場合は羽子板、更に長い場合はターボ羽子板などを利用する。床からであれば床バンドを固定しモルタルで埋設する。床部分に配管継手が来てしまう排水集合配管などの場合は足つきの床バンドとする。

伸縮する配管の支持

配管は温度変化によって膨張や伸縮が発生するため、蒸気・温水・給湯などの流体温度が外気温度と差が大きい場合や、塩ビ管や耐火二層管などの熱膨張係数が高い配管を使う場合は、適宜伸縮継手を利用する必要がある。

その上で特に温度変化が大きくなる蒸気配管では、急激な熱膨張により配管と支持材の間に過剰な力がかかることを防ぐ措置が必要になる。吊支持であれば吊タンを三連タンバックル(クサリがついた吊タン)や吊バンドをローラーバンド(配管自重がかかる部分がローラー玉のバンド)などを利用し、自重支持点の固定を可動式のガイド付きシューなどにする。なお、公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)では蒸気管の横走り管には、「伸縮管継手と固定点との中間に座屈防止用形鋼振れ止め支持を設ける」としている。

支持間隔の規定

分類 呼び径 15 20 25 32 40 50 65 80 100 125 150 200 250 300 吊り金物による吊り 鋼管及びステンレス鋼管 2.0m以下 3.0m以下 ビニル管、耐火二層管及びポリエチレン管 1.0m以下 2.0m以下 銅管 1.0m以下 2.0m以下 鋳鉄管 標準図(鋳鉄管の吊り要領)による。 ポリブテン管 0.6m以下 0.7m以下 1.0m以下 1.3m以下 1.6m以下 ― 鉛管 1.5m以下 形鋼振れ止め支持 鋼管、鋳鉄管及びステンレス鋼管 ― 8.0m以下 12m以下 ビニル管、耐火二層管、ポリエチレン管及びポリブテン管 ― 6.0m以下 8.0m以下 12m以下 銅管 ― 6.0m以下 8.0m以下 12m以下
  1. 鋼管及びステンレス鋼管の横走り管の吊り用ボルトの径は、配管呼び径100以下は呼称M10又は呼び径9、呼び径125以上200以下は呼称M12又は呼び径12、呼び径250以上は呼称M16又は呼び径16とする。ただし、吊り荷重により吊り用ボルトの径を選定してもよい。
  2. 電動弁等の重量物及び可とう性を有する継手(排水鋼管用可とう継手、ハウジング形管継手等)を使用する場合は、表2.2.20のほか、その直近で吊る。曲部及び分岐箇所は、必要に応じて支持する。
  3. ハウジング形管継手で接合されている呼び径100以上の配管は、吊り材長さが400㎜以下の場合、吊り材に曲げ応力が生じないように、吊り用ボルトに替えてアイボルト、鎖等を使用して吊る。
  4. 蒸気管の横走り管を、形鋼振れ止め支持により下方より支持する場合には、ローラ金物等を使用する。
  5. 蒸気管の横走り管は、伸縮管継手と固定点との中間に標準図(伸縮管継手の固定及びガイド・座屈防止用形鋼振れ止め支持施工要領)による座屈防止用形鋼振れ止め支持を設ける。
  6. 排水鉛管の横走り管は、横引き管長さが1.0mを超えないように施工する。なお、1.0mを超える場合は、横引き管の途中でゴムシート又は合成樹脂の絶縁テープを介して吊り金物等で受け、流れを妨げない措置を講じる。
  7. 鋼管、鋳鉄管及びステンレス鋼管の呼び径40以下、ビニル管、耐火二層管、ポリエチレン管、ポリブテン管及び銅管の呼び径20以下の管の形鋼振れ止め支持は不要とし、必要な場合の支持間隔は特記による。
  8. 冷媒用銅管の横走り管の吊り金物間隔は、銅管の基準外径が9.52㎜以下の場合は1.5m以下、12.70㎜以上の場合は2.0m以下とし、形鋼振れ止め支持間隔は銅管に準ずる。ただし、液管・ガス管共吊りの場合は、液管の外径とするが、液管25mm未満の「形鋼振れ止め支持間隔」は、ガス管の外径による。また、冷媒管と制御線を共吊りする場合は、支持部で制御線に損傷を与えないようにする。
固定 鋼管及びステンレス鋼管 最下階の床又は最上階の床 鋳鉄管 最下階の床 形鋼振れ止め支持 鋼管及びステンレス鋼管 各階1箇所 鋳鉄管 各階1箇所 ビニル管、耐火二層管及びポリエチレン管 各階1箇所 銅管 各階1箇
  1. 呼び径80以下の配管の固定は、不要としてもよい。
  2. 鋼管及びステンレス鋼管で、床貫通等により振れが防止されている場合は、形鋼振れ止め支持を3階ごとに1箇所としてもよい。なお、排水用可とう継手を使用する場合は、最下階に1箇所設ける。
  3. 耐火二層管の立て管に伸縮継手を取付ける場合で伸縮継手直下に床貫通の振れ止め支持がされている場合は、伸縮継手の形鋼振れ止め支持の固定と共用してもよい。
  4. 各階を貫通する冷媒用銅管の立て管は、立て管長の中間部で1箇所固定する

直管部分についてはこの表の吊りピッチを準じて支持を取っていくが、各所必要に応じて支持を追加する必要がある。分岐や曲がりなどの継手は直近で支持とり、ポンプ吐出部などの特に衝撃力が大きくかかる曲がり配管については必ず支持を行う。また、重量のある弁類は上述の支持間隔に関わらず前後で支持をとる(重量を単独で支持する)ことが好ましいとされている。

ダクトからの騒音 ダクトの支持や固定について

Copyright © yu-note All Rights Reserved.