東野圭吾原作『クスノキの番人』結末ネタバレ感想|登場人物&相関図あり
東野圭吾さんの『クスノキの番人』が文庫化される広告を見て「もしや映画化する可能性あり?」と思い、原作を読んでみました。『クスノキの番人』は、ミステリー作家である東野圭吾さんが「人を生かす話を書きたくなる」と、描いた作品です。たしかに『クスノ...
2022年9月16日(金)に映画ガリレオ【沈黙のパレード】が公開されます。ガリレオシリーズ最高傑作と言われる【沈黙のパレード】は、ミステリー界の巨匠 東野圭吾さんの原作で、ガリレオシリーズの第9弾。 探偵ガリレオ…人通りの少ない「花屋通り」.
info-hachiouji.tokyo- 『クスノキの番人』登場人物&相関図
- 東野圭吾原作『クスノキの番人』ネタバレ感想
- 直井玲斗がクスノキの番人になった経緯
- 『クスノキの番人』の役目
- 佐治優美との出会い
- 直井玲斗の生い立ち
- クスノキ祈念と月
- 大場荘貴と祈念
- 佐治喜久夫
- 祈念で人の死は叶うのか?
- 柳澤千舟の生い立ち
- 美千恵が玲斗を生んだいきさつ
- 美千恵の死
- 柳澤家の現状と千舟の立場
- 佐治喜久夫のいた『らいむ園』へ
- 佐治喜久夫が『らいむ園』にいた理由
- 『ホテル柳澤』へ
- 津島秀次の祈念とわかったこと
- 『ヤナッツホテル渋谷』~優美との情報交換
- 大場荘貴と『たくみや本舗』の後継者問題
- 優美の盗聴が寿明にバレてしまい
- 佐治喜久夫の生い立ち
- 佐治喜久夫の死
- 貴子の認知症と喜久夫の手紙
- 月郷神社のクスノキを確かめに
- 喜久夫の念を受け取った寿明
- 寿明の会っていた女性の正体
- 千舟の話
- 大場荘貴が受念できない理由
- 大場荘貴の出生の秘密と深まる謎
- 岡崎実奈子の提案
- 千舟から相続するもの
- 寿明から優美への祈念が成功し
- 玲斗から大場荘貴への入れ知恵
- 福田守男の告白
- 大場荘貴の出した答え
- 千舟が隠していた驚きの秘密
- 千舟が玲斗を後継者にした理由
『クスノキの番人』登場人物&相関図
- 直井玲斗 クスノキの番人。複雑な家庭環境に育つ。
- 柳澤千舟 玲斗の伯母。ヤナッツコーポレーション顧問。
- 柳澤宗一(旧姓直井)千舟の父親。
- 直井美千恵 玲斗の母親で、千舟とは異母姉妹。
- 直井富美 玲斗の祖母。78歳。
- 佐治寿明 クスノキに祈念に通っている
- 佐治優美 佐治寿明の娘。父親の浮気を疑っている。
- 佐治喜久夫 寿明の兄。らいむ園に入所していた。
- 柳澤将和 ヤナッツコーポレーション代表取締役社長。千舟のハトコ。
- 柳澤勝重 ヤナッツコーポレーション専務。千舟のハトコ。
- 岩本義則 玲斗の前に現れた弁護士。
- 大場荘貴 大手和菓子メーカー『たくみや本舗』の跡継ぎ候補。
- 福田守男 『たくみや本舗』の常務取締役。
- 大場藤一郎 荘貴の父親。
- 飯倉孝吉 去年クスノキで祈念をした老人。
- 桑原義彦 『ホテル柳澤』支配人。
- 津島秀次 代々柳澤家と付き合いのある家系。足が不自由。
- 岡崎実奈子 ピアノ講師。
東野圭吾原作『クスノキの番人』ネタバレ感想
直井玲斗がクスノキの番人になった経緯「その木に祈れば、願いが叶う」
そんな言い伝えのあるクスノキの番人をつとめることとなった直井玲斗。
番人になる前、玲斗は『トヨダ工機』に勤務していましたが、社長から不当解雇されてしまいます。
後輩から、社長があくどい方法で、高額な機械を安く手に入れたと聞いた玲斗は、退職金代わりだとばかりに、機械を盗み出してやろうと倉庫に忍び込みます。
唯一の肉親である祖母富美に連絡をした後、刑務所行きを覚悟していた玲斗の前に、岩本義則という弁護士がある人物からの伝言をもって現れます。
「自由になりたければ、岩本弁護士に全てをまかせること。釈放されたら命じたいことがある」
そこで待っていたのは、柳澤千舟と名乗る60歳くらいの女性でした。
千舟は、自分が玲斗の伯母だと説明し、一枚の写真を見せてきます。
その写真には、20代前半の千舟、30代半ばの祖母富美、小学生の母美千恵、そして祖父直井宗一が写っていました。
そして、千舟が弁護士費用と引き換えに命じたことこそ『クスノキの番人』になることだったのです。
『クスノキの番人』の役目詳細な説明はないまま、月郷神社の社務所で番人の仕事が始まります。
月郷神社には、名ばかりの境内があるものの、本当に守るべきは、その奥にあるクスノキでした。
「中に入って願掛けすると、願いが叶う」
という伝説が広まり、パワースポットとして有名な存在に。
また、クスノキの番人は、単なる管理人以上に大切な夜の仕事…クスノキに祈念に訪れた人の対応をしなくてはなりませんでした。
佐治優美との出会いある日の事、玲斗が掃除をしていると、佐治優美と名乗る女性から、前日の夜に祈念を行った佐治寿明が何を祈ったかを聞かれます。
寿明の娘だという優美は、父親の浮気を疑って、尾行してきたとのこと。
すると、クスノキの中から寿明の鼻歌が、途切れ途切れに聞こえてきました。
祈念の予約スケジュールを確認したところ、寿明は母親(優美にとっては祖母)が認知症で施設に入った半年前くらい前から、月に1~2度祈念に来ていることがわかります。
しかし、祈念とは別に、見知らぬマンションに出入りしている寿明を見たことがある優美は、父親の浮気と祈念の関わりがさっぱりわかりません。
直井玲斗の生い立ち小学校低学年の頃、玲斗の母美智恵が乳がんで亡くなって以来、玲斗を育ててきてくれたのは祖母の富美でした。
家計のために水商売をしていた美智恵の死後、急激に家計は苦しくなります。
手に職をつけるためにと進んだ工業高校を卒業後、玲斗は食品製造会社へ勤めはじめます。
大変ながらもやりがいを感じながら働いていた玲斗でしたが、会社で起きた異物混入事件の責任を押しつけられ、理不尽な人事異動をさせられます。
その事がバレたことにより、連帯責任をおった佐々木は丸坊主に。
また水商売に対するプロ意識のなさを佐々木から指摘された玲斗は、クビになった後、しばらく何もせずに暮らしていました。
祖母のために自立しようと思う優しいところもありますし、佐々木からの指摘に言い返すことも出来ない自分に情けなさを感じています。
にもかかわらず『クスノキの番人』を、なぜ千舟は玲斗に任せることにしたのか?
クスノキ祈念と月その際、祈念の予約が集中する時期があることに気がついた玲斗は、千舟から 祈念の効果が最も高まるのが新月と満月の夜 だと聞かされるのでした。
また、祈願ではなく祈念と呼ぶ理由と、実際に祈念とは何をしているのかを玲斗はたずねます。
けれど千舟は、言葉で話しても信じられないし、いつかわかる日が来るとしか答えてくれませんでした。
大場荘貴と祈念夜になり、大手和菓子メーカー『たくみや本舗』の常務取締役福田守男に連れられて、金髪の青年大場荘貴がやってきました。
「荘貴の付き添いをさせてくれれば、祈念について知っていることを教える」
しかし、千舟からクスノキの番人は信用が第一だと釘を刺されていた玲斗は、福田の申し出を断ります。
祈念に執着する福田の様子に、祈念はただの儀式ではなく、大きなものを得られるのだと玲斗は確信に近いものを感じました。
ところが、当の荘貴は早々に祈念を切り上げ「俺なんかに無理に決まっている」と投げやりな態度で出てきてしまい、玲斗はその言葉がどういう意味なのか疑問に思うのでした。
佐治喜久夫『クスノキ祈念記録』をパソコンに入力していた玲斗は、5年前に向坂春夫の紹介で佐治喜久夫という人物が祈念に来ていたことに気がつきます。
優美に連絡したところ、佐治喜久夫は寿明の兄だとわかります。
佐治家では、喜久夫について語ることはタブーになっており、喜久夫に関することはほとんどわかりません。
住所が『らいむ園』になっていたことなどから、喜久夫は50代という若さで介護施設に入っており、すでに亡くなっているだろうと推測されます。
女性と密会する寿明の現場写真撮影に成功した優美は、そちらの方が気がかりということで、喜久夫のことは後回しにすることに。
父親への不信感により、祈念の目的が 母親の死 なのではないか?とさえ想像しています。
どうしても祈念の内容を確かめたい優美は、クスノキに盗聴器を仕掛ける計画を玲斗に打ち明けるのでした。
祈念で人の死は叶うのか?その銭湯で玲斗は、去年クスノキで祈念をした老人飯倉孝吉に話しかけられます。
そんな飯倉に玲斗は、クスノキに人の死を願うという話を聞いたことがないか?とたずねます。
飯倉は、かつてはそういう祈念もあったらしいとだけ答え、千舟に叱られると湯船から出て行ってしまいました。
- 新月と満月の夜しか祈念できない
- 祈念の内容は極秘
- 誰かの死を願うこともできる
- 願いが叶うとは限らない
ところで、私たちはよく幽霊を怖がりますが、実はお墓よりもずっと神社の方が怖いというのは、オカルト好きなら有名なお話になります。
また、 神様に何かを願う時には必ず相応の代償が必要 とも言われています。
日本には名もなき神社がたくさんあり、そこには恐ろしい神様が祀られていることもあります。
柳澤千舟の生い立ち大地主で林業を営んでいた柳澤家は、千舟の祖父彦次郎の代から、建築や不動産で事業を拡大。
彦次郎と妻靖代の間に男児が生まれなかったことから、彦次郎の学友の息子直井宗一を婿養子とし、長女恒子と結婚させます。
公務員一家の次男坊である直井宗一は、当人も高校教師をしており、家柄も申し分がありませんでした。
宗一の間に生まれた子供は千舟ひとりという状況で、病弱だった母靖代が亡くなります。
以降、宗一は柳澤家の跡取りは千舟と言い聞かせ、自身は出来るだけ目立たないように暮らしていました。
数年が経ち、千舟は宗一から22歳年下の教え子富美と再婚を考えているが、千舟が嫌ならやめると聞かされます。
柳澤家にのこった千舟は、跡継ぎになる覚悟をし、大学では法学部を専攻します。
一方、宗一と富美の間には子ども(美千恵)も生まれ、千舟と宗一の関わりはどんどん希薄なものになっていきました。
祖父彦次郎が亡くなり、靖代から柳澤家の事業だけでなく、クスノキの番人の跡継ぎにもなって欲しと千舟は頼まれます。
一家の暮らしは、年金と美千恵が家電量販店と銀座のホステスをすることで賄われていました。
美千恵が玲斗を生んだいきさつ3周忌に行った千舟は赤ん坊を抱いている美千恵を見て驚きます。
詰問する千舟に、美千恵は「迷惑をかけたくないから、縁を切ろうと思っている」と言います。
美千恵の死8年の時が過ぎた頃、千舟は富美から、美千恵が乳がんで亡くなったと連絡を受けます。
柳澤家の現状と千舟の立場柳澤家のために人生をかけてきた千舟ですが、現在の柳澤家は「ヤナッツコーポレーショングループ」へと成長し、その実権は千舟のハトコである柳澤将和と勝重が握っていました。
実質引退し「顧問」という肩書を与えられていた千舟でしたが、原点となった『ホテル柳澤』を閉鎖しようとしている将和たちに意見をするべく、柳澤グループ主催のパーティにやってきます。
「クスノキは柳澤家の宝だ」と言う将和は、玲斗に将来の展望を問うてきます。
普段思っていることを吐き出した玲斗でしたが、将和から屈辱でありながらも的を射た指摘をされてしまいます。
へこむ玲斗でしたが、玲斗を親族に紹介することが目的だった千舟は、意にも介しません。
佐治喜久夫のいた『らいむ園』へ寿明は相変わらず不審な行動を続けており、最近ではイヤホンを付けてしょっちゅう音楽を聞いているとのこと。
その上、プライバシーの侵害だからという理由で、優美にはその音楽を聞かせてくれないと言います。
玲斗の方はと言えば、祈念のパターンを分析した結果、喜久夫と寿明の祈念には深い関係があると考えていました。
佐治喜久夫が『らいむ園』にいた理由アルコールのせいで、糖尿病や肝硬変、聴力異常や精神障害も抱えており、ボロボロの状態でした。
楢崎によれば、アルコール依存症は不治の病であり、1滴でも飲めば元に戻ってしまうんだとか。
『らいむ園』には喜久夫を見張る役割もありましたが、喜久夫はとても穏やかな暮らしをしていました。
また、面会は月に1,2度母親が来ていたくらいで、亡くなるまでは一度も寿明が来たことはなかったと楢崎は言います。
しかし、楢崎は一度だけ喜久夫から「母のほかに家族はいるが、会う資格がない」と聞いていました。
『らいむ園』の訪問により、どうやら喜久夫が原因で寿明との仲が悪かったらしいということと、喜久夫に祈念を紹介した向坂春夫という人物も『らいむ園』の入居者であったということがわかりました。
『ホテル柳澤』へ千舟と『ホテル柳澤』支配人桑原義彦のやり取りから、どうやら2人はホテルの閉鎖を覚悟しているようでした。
将和たちは『ホテル柳澤』を潰し、箱根に新たな大型リゾート施設を建設する計画を立てているのですが、玲斗は盛況な『ホテル柳澤』はそのままにして、別にリゾート施設を作れば良いのでは?と意見を言います。
しかし、千舟が目指しているホテルのあり方と、将和たちが計画しているリゾート施設のコンセプトには違いがあり、色濃く残った千舟の色ともいえるものを一新したいというのが、将和たちの考えでした。
お客さんもコンスタントに来ているというのに、過去(=千舟)の色を消したいという理由で潰そうとする将和に対し「ひどい」とか「横暴」だとか感じるかもしれません。
津島秀次の祈念とわかったことホテルで一泊した朝、玲斗は千舟から、夜の祈念にやってくる津島秀次について注意する点があると言われます。
足の悪い津島秀次には、付き添いが必要だが、 血のつながりのある人の介助は認められない と言うのです。
また、土曜日の飯倉幸吉の祈念は、千舟が対応するので、玲斗には行って欲しい場所があるとのことでした。
- 飯倉幸吉は父親の死後、満月の夜に何回も祈念に通ったことがあり、新月の祈念は初めてである
- 飯倉幸吉には、息子と娘がおり、死んだ後には2人とも祈念に来て欲しいと思っている
- 死ぬまで2人に祈念のことは話してはならない
- 千舟は飯倉夫妻にも祈念のことを玲斗に話さないよう口止めしている
土曜日、千舟から指示されたのは「ヤナッツホテル渋谷に泊まること」のみで、滞在中の行動は自由と言われます。
『ホテル柳澤』とは全く違い、合理性を重視しながらも、快適さが損なわれない仕組みや造りを導入した『ヤナッツホテル渋谷』から、玲斗は千舟が理念の違いを教えようとしたのではないかと思いつくのでした。
優美は、介護施設にいる祖母の持っていたアルバムから、喜久夫がピアノを本格的に習っていたとわかる写真を見つけてきました。
玲斗は、祈念とはクスノキを媒体として血縁者にメッセージを遺せるシステム=『遺言』だと、優美に伝えます。
- なぜ遺言をふつうに紙に書かず、クスノキを媒体として遺す必要があるのか?
- 寿明のように、メッセージを受け取るのに何度もクスノキに通わなければならない理由は?
ある日、玲斗が境内の掃除をしていると、昼間だと言うのにクスノキから大場荘貴が出てきます。
荘貴は祈念がうまく出来なかった場合の対処法を玲斗に聞きにきたのです。
もちろん玲斗はその答えを知りませんが、荘貴との会話から、 祈念には受け取り手を指定できる特別ルールがある とわかりました。
荘貴は玲斗に『たくみや本舗』の事情を語ります。
前『たくみや本舗』の社長であった大場藤一郎が30歳も年下の家政婦を見初めて再婚、60歳近くで授かった子どもが荘貴だとのこと。
病死した前妻には子どもがいなかったため、荘貴だけが跡継ぎということに。
しかし、藤一郎が体調不良で社長職を離れた10年前、荘貴はまだ12歳だったため、藤一郎の甥川原基次が社長になりました。
荘貴の大学卒業がせまり、『たくみや本舗』の次期社長は誰が継ぐのか?が問題になってきます。
元社長である川原基次には、銀行員としてのキャリアも持つ30歳の息子川原龍人がいました。
そんな中、後継者を指定しないまま、大場藤一郎がこの世を去ってしまったのです。
荘貴本人は、優秀な川原龍人が継ぐのが妥当だと考えていますが、『たくみや本舗』では役員の意見が割れ、荘貴が継ぐべきだと考える者もでてきました。
しかも、藤一郎の遺言に「クスノキの祈念は荘貴がするように」と書かれていたため、事態は複雑化します。
藤一郎の祈念を受け取れなかった荘貴は、いつまで続ければ良いのかをはっきりさせたくて、番人である玲斗のもとを訪れたのでした。
優美の盗聴が寿明にバレてしまい 佐治喜久夫の生い立ち寿明の2歳上の兄だった喜久夫は学業優秀で跡継ぎとして期待されていましたが、母貴子がピアノを習わせたことをきっかけに、神童と呼ばれるまでの才能を発揮しはじめます。
最初は貴子の好きにさせていた父弘幸でしたが、音楽で食べて行かれるわけがないと、難色を示し始めます。
貴子は、寿明に対しては家業を継ぐために大学の建築工学科に入学することを要求します。
そこに喜久夫はおらず、寮長が言うには、喜久夫はとっくに大学を辞めているとのこと。
貴子が喜久夫を甘やかしたからだと弘幸はなじり、喜久夫には二度と家の敷居をまたがせないと激昂します。
ある日の事、寿明は弘幸から貴子の後を尾行することを頼まれ、実行します。
するとそこには、広場で大道芸人をしている喜久夫の姿がありました。
喜久夫に弘幸の死を知らせて欲しいと寿明は貴子に頼みますが、なぜか貴子は「無駄だと思う」とだけ言って拒否をし続けます。
佐治喜久夫の死自分のせいで喜久夫の人生が歪んでしまったのではないかと考えた貴子は、ただただ応援をし続けます。
喜久夫が重度のアルコール依存症だとわかったのは、意識を失い病院へ運ばれるほど悪化してしまってからでした。
しかし、不治の病であるアルコール依存症が完治することはなく、喜久夫は生涯面倒を見てくれる施設『らいむ園』に入ることとなりました。
『らいむ園』に入ったことで、喜久夫の精神状態は落ち着き、貴子は寿明に会いに行って欲しいと言います。
貴子の認知症と喜久夫の手紙けれど、喜久夫の死後ほどなくして、貴子は認知症を発症してしまいました。
施設に入った貴子の部屋を片付けていると、開封されていない喜久夫から貴子宛の手紙が出てきてしまいます。
月郷神社のクスノキに預けました。どうか受け取りに行ってください。 クスノキの番人P302
月郷神社のクスノキを確かめにしかし、そんな言い伝えを簡単に信じることはできず、喜久夫は頭がおかしくなっていたんだと思うことにしました。
すると思いがけず老人は「誰かがお兄さんの念を受け取らないと」と言い、寿明に柳澤千舟の連絡先を教えました。
やり方はクスノキの中に入り、相手の事を想うだけだが、どのように受け取るかを言葉では表現できないとのこと。
すると千舟は、血縁者であることを証明するために、戸籍謄本を郵送するようにと言い、寿明の申し出を受けたのでした。
喜久夫の念を受け取った寿明火をつけると樟脳の香りがする蝋燭を渡された寿明は、千舟から説明されたように、その香りを嗅ぎながら、喜久夫のことを考えます。
特に貴子に詫びる気持ちと感謝の念が強く、気がつけば寿明の頭の中には、今まで聞いたこともない曲がピアノにより奏でられていました。
念を受け取った寿明は、 その曲こそが兄から母への贈り物 だと確信します。
受念が何度も出来ると聞いた寿明は、喜久夫の遺した曲を何とかして形にしようと満月のたびにクスノキを訪れるようになったのでした。
寿明の会っていた女性の正体寿明に音楽の才はなかったため、悩んだ末、旧友の音楽教師葉山に連絡をとります。
寿明から話を聞いた葉山は、聞いた曲を一度で耳コピーできるピアノ講師岡崎実奈子を紹介してくれました。
佐治寿明から話を聞いた玲斗は、クスノキの番人がいかに重大な役割を担っているか理解を深め、そんな仕事を与えてくれた千舟に深く感謝するのでした。
千舟の話『クスノキの番人の心得』を渡すため、千舟が月郷神社へやってくると、玲斗は神社の鈴を磨いていました。
その光景と、寿明からの報告を聞いていた千舟は、玲斗がクスノキの番人として、祈念について理解を深めていると確信します。
千舟によれば、クスノキの力は遺言だけでは伝えきれない理念などの思いを正確に伝えるといったことに使われることが多いものの、かつては負の念を伝える手段に使われることも多かったとのこと。
憎い相手への仇討を命令するといったことにも使えるのだと言います。
心得を受け取った玲斗は、千舟に受念が受け取れないケースについてたずねます。
- 受念を受け取れるのは、ぎりぎり4親等まで
- 血が濃くても、預念者との関係が希薄だと受念できないことがある
- 受念の回数は本人しだいで、番人が口出しすることではない
とのことで、大場荘貴が受念を続けるかの目安はないということがわかりました。
大場荘貴が受念できない理由以外にも荘貴はとてもかわいがられて育っており、思い出もたくさんあると言います。
大場荘貴が受念できないのは、関係が希薄だったからではなく、藤一郎の本当の子どもではなかったからだったのです。
大場荘貴の出生の秘密と深まる謎DNA鑑定などはしなかったものの、藤一郎も荘貴も、おそらく血の繋がりはないだろうとわかっていました。
藤一郎はなぜ荘貴が受念できないであろうと知っていて、祈念を行ったのか?
岡崎実奈子の提案そこで曲の再現に協力している岡崎実奈子は、寿明が満月の夜に預念をしてから、優美が受念することを提案します。
過去に何をしていても、一切とがめることはしないけれど、もしも今の時点で家族を裏切っているのであれば預念をしなくて良い
千舟から相続するものそれは、クスノキの番人を引き継いだ者だけが知る秘密の扉を開ける方法と、保管された150年にも渡る祈念の記録でした。
また祈念に必要な蝋燭の製法も、近いうちに玲斗に伝授をしたら、千舟はしばらく旅に出ると言い、留守番をするために屋敷の鍵も渡されました。
寿明から優美への祈念が成功し堂々と祈念をすれば、人生に偽りや後ろめたいことは何もないと示したことになる
玲斗から大場荘貴への入れ知恵優美の言葉からヒントを得た玲斗は、大場荘貴に藤一郎の念を受け取ったことにすれば良いと知恵を授けます。
そんな嘘はすぐバレると呆れる荘貴でしたが、 藤一郎の想いは生前に荘貴に伝えられているはずで、受念などできなくても荘貴ならわかるはず だと言うのが、玲斗の言い分でした。
藤一郎が受念できない荘貴を、あえて指定したのは、荘貴なら念が伝わらずとも意思を継いでくれると信じていたからだと、玲斗は語ります。
福田守男の告白とぼける玲斗でしたが、実は福田守男は荘貴が受念できるわけがないと最初から知っていたというのです。
大場荘貴の出した答え- 現社長 川原基次の息子である龍人を後継者の第一候補とする
- 荘貴は見習いから全ての職場を経験する
- 荘貴の働きを見て、役員たちと協議し、後継者候補にするかを決断する
※記事文をコピーしてネットにあげていた場合、対処をさせていただきます
『クスノキの番人』ラスト結末ネタバレ|千舟の秘密が明らかに!
千舟が隠していた驚きの秘密玲斗がそんなことをした理由は、受念により千舟が認知症だと知ってしまったからだったのです。
千舟が玲斗を後継者にした理由玲斗に失望しながらも、クスノキの番人を継がせようと思ったのは、玲斗の母美千恵への償いの気持ちからでした。
クスノキの番人として玲斗の成長を確信した千舟は、ただ旅行に出ようとしていたのではなく、死に場所を求めて、玲斗のもとを去ろうと考えていたのでした。
『クスノキの番人』感想まとめ|読書感想文の参考になれば
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