ベサコリンとウブレチドの比較
ベサコリンとウブレチドの比較 ウブレチド ジスチグミン臭化物は可逆的にAChE またはChEを阻害し、シナプス間隙のAChの蓄積を起こす ことにより、間接的にACh の作用を増強、持続させ、コリン作動性作用すなわち副交感神経支配臓器でムスカリン様作用を、また、骨格筋の神経筋接合部で ニコチン様作用を示す ※3 メモ ムスカリン受容体 部位:心臓、膀胱平滑筋、胃
ウブレチド ジスチグミン臭化物は可逆的にAChE またはChEを阻害し、シナプス間隙のAChの蓄積を起こす ことにより、間接的にACh の作用を増強、持続させ、コリン作動性作用すなわち副交感神経支配臓器でムスカリン様作用を、また、骨格筋の神経筋接合部で ニコチン様作用を示す ※3 メモ ムスカリン受容体 部位:心臓、膀胱平滑筋、胃 作用:刺激により心拍低下、膀胱収縮、胃酸分泌促進 ニコチン受容体 部位:自律神経の節前、骨格筋 作用:刺激により骨格筋収縮
排尿障害に対する有効性の比較女性下部尿路症状診療ガイドライン上ではともに 推奨度C1、エビデンスレベル3 となっており、RCTで有効性は証明されていないよう。
男性下部尿路障害診療ガイドラインの記載は以下の通り。
"低緊張性膀胱による排尿困難(尿閉)に対する保険適用はある。ただし, 低活動膀胱に対して有効とする報告より,無効とする報告の方が多い(レベル 1) 。有害事象には,腹痛,下痢などのほかに,コリン作動性クリーゼ,狭心症,不整脈などの重篤なものもある。尿路閉塞のある患者は禁忌である。専門医のみが注意しつつ使用すべきである。 ~中略~ 男女の低活動膀胱に対するコリン作動薬の効果を検証した メタアナリシスでは,RCT10論文中3編でプラセボへの優越性を認めたが,7 論文では認めなかった (女性骨盤臓器脱術後尿閉患者に対する ジスチグミンの効果を検討した1論文では,プラセボよりむしろ増悪した 。また,男性のみを対象とした RCT2論文では,それぞれ正常男性, 前立腺肥大症術後症例で,いずれもプラセボに対しての優越性を認めなかった 。本邦の報告では,前立腺肥大症手術後の排尿困難にジスチグミンが有効であったという少数例の報告と,低活動膀胱に対してα1遮断薬ウラピジルとジスチグミンの併用がジスチグミン単独より有効とする報告がある。"
コリン作動薬の有効性はエビデンスが不十分 なようです。 ※1,5,6,7
導尿カテーテル抜去後の薬物治療前立腺肥大による導尿カテーテル抜去後は、 α1遮断薬,5α還元酵素阻害薬の投与でカテーテル離脱が期待できる (レベル 1)とされている。。〔推奨グレード B〕
"急性尿閉後の α1遮断薬投与についての RCT では,対照群ではカテーテル離脱率が 36.7% だったのに対し,投与群では76.7% でカテーテルが不要となり有意な効果を示し た。他のメタアナリシスでは対照群での離脱率が38.9%であったのに対し,α1遮断薬投与群では56.8%と有意に高かったと報告されているα1遮断薬投与でのカテーテル離脱が困難な要因としては,70 歳以上,前立腺体積が 50 mL 以上と尿閉時の残尿量1,000mL以上があげられている。一方, α1遮断薬投与下でのカテーテル離脱困難症例に5α還元酵素阻害薬を併用した結果,7 カ月後に63.5%離脱が可能 で,performance status(PS)が良好な群で有意に効果があったとされている5" ※7 前立腺肥肥大を伴っている場合、カテーテル抜去後の自尿を期待したければ、ベサコリンやウブレチドではなく、α遮断薬をメインに使用すべきということになりそうです。
副作用の比較 コリン作動性クリーゼ コリン作動薬で注意すべき副作用はコリン作動性クリーゼ。 ウブレチドには警告の記載があるが、ベサコリンに同様の記載がない。 報告件数は ウブレチドで260件(2011年時点)、ベサコリンで5件(2010年時点) となっているそうです。 ※2 ベサコリンは2010年にコリン作動性クリーゼの副作用が添付文書に追記された。コリン作動性クリーゼの多くが投与開始2週間以内 に起こっているため初期は要注意。
まとめ 排尿障害に対して、ベサコリン、ウブレチドの有効性はともにエビデンス不十分。 コリン作動薬性クリーゼはウブレチドで報告が多い。 薬理作用の説明と一致していない部分があるが、ベサコリンで禁忌疾患多数 前立腺肥大によるカテーテル留置後は、α遮断薬によりカテーテル抜去成功率が上昇。 ウブレチド、ベサコリンはエビデンスなし。※1 女性下部尿路症状診療ガイドライン ※2 日経DI 2011.9.20 ウブレチドとベサコリンによる「クリーゼ」 ※3 ウブレチドインタビューフォーム ※4 ベサコリンインタビューフォーム ※5 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)129,368~373 2007 ※6脊髄損傷における排尿障害の診療ガイドライン ※男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン
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