冬は昆虫採集より冬越しの観察!蛹・幼虫・卵…てんとう虫の集団越冬も必見
冬は昆虫採集より冬越しの観察!蛹・幼虫・卵…てんとう虫の集団越冬も必見

冬は昆虫採集より冬越しの観察!蛹・幼虫・卵…てんとう虫の集団越冬も必見

冬も昆虫採集や昆虫観察はできるの?越冬タイプ(成虫・蛹・繭・幼虫・卵)ごとの代表は?昆虫芸人堀川ランプさんに、てんとう虫の集団越冬や、冬でも比較的採集&飼育しやすいバッタの仲間、冬に観察したい美しいウスタビガの繭、少し葉をかき分けて観察できるクワガタの幼虫など、イラスト付きで解説してもらいました。

冬に昆虫採集がしやすいのは、成虫で越冬する昆虫。てんとう虫や、チョウチョウのアカタテハ・キタテハは、暖かい日にはひなたぼっこに出てくることがあるので、見つけやすいでしょう。 ですが、採集して家で育てるのには、大切な注意点が。それは、室温の暖かさで、「春が来た!?」と昆虫が勘違いをし、活動しはじめてしまうことです。しかし、冬の間は餌が少ないため、生きることができません。 バッタの仲間のツチイナゴやクビキリギスは、冬の間もススキやササを多めに入れておけば比較的飼育はしやすいですが、やはり室温には十分に気をつけなければなりません。(各昆虫の詳細は、後述を参照)

冬は昆虫はどうすごすの?

先述したように、昆虫の越冬には、成虫・蛹(さなぎ)や繭(まゆ)・幼虫・卵の4つの形態があります。どの形態で冬越しをするかは、それぞれの昆虫の生涯サイクルに関係しています

卵からかえることを「孵化(ふか)」と呼び、ここから昆虫の一生がスタート!幼虫時代は、脱皮を繰り返して成長していきます。脱皮の回数は種類によってさまざまです。また、成虫になる前の段階で、蛹や繭の形態になる昆虫もいます。そして、ある瞬間に、一気に羽がはえ、成虫になります。これを「羽化(うか)」と呼びます。

この一生のサイクルが、わずか数週間の昆虫もいれば、数年かかる昆虫もいるので、さまざまな越冬の形態が見られるのです。

成虫で越冬する昆虫

てんとう虫

イラストの赤いてんとう虫はナナホシテントウ、それ以外はナミテントウ。ナミテントウは同じ種類の中での模様の変異が激しく、実際の集団越冬風景でも、イラストのようにいろいろな模様のナミテントウが混在していたり、ナミテントウとナナホシテントウが仲良く一緒に越冬している場面によく遭遇します。公園など、身近な場所で越冬を観察できるてんとう虫は、この2種類が多いでしょう。

冬の成虫は、餌であるアブラムシがいないため、集団でじっとおとなしく過ごす習性があります。建物に立てかけられた板の裏や、公園の木のネームプレートの裏など、「縦の板の裏」があったら覗いてみましょう。数十匹~数百匹のてんとう虫が集まっています。風が当たらず、温度変化がない場所で、あまり広々としていない場所を好みます。

面白いのは、集まっているてんとう虫達は、特にファミリーというわけではないこと。あたかも身内のように見えますが、違うんですよ。

アカタテハ・キタテハ ウバタマムシ

玉虫の仲間です。いぶし銀のような地味な色ですが、よく見ると、キラキラとした金銅色が混じっているのがわかります。松の木の幹で見ることができます。普段は木のくぼみや木の皮のめくれたところなどに隠れていますが、暖かい日には、やはりひなたぼっこに出てきます。

ツチイナゴ

バッタの仲間です。多くのバッタは卵で越冬しますが、成虫で越冬する珍しい昆虫です。河川敷などの草むらにいます。色が茶褐色なので、枯れ草の中ではあまり目立ちませんが、都内でも多く出会えます。

クビキリギス

キリギリスの仲間で、体がシュッと尖っており、顎が大きく発達しているのが特徴です。噛む力が強く、掴んで離そうとすると首がとれてしまうぐらい強い力であることが名前の由来です。ツチイナゴと同じく、草むらにいます。比較的、冬でも採集しやすい昆虫です。採集や飼育の仕方は、スズムシやコオロギと同じなので、こちらの記事を参考にしてみてください。

蛹や繭で越冬する昆虫

昆虫には、蛹や繭になるものとならないものがあります。蛹や繭になるのは、幼虫から劇的な変化を遂げる昆虫です。外からでは動きのない蛹や繭ですが、その中では、ドラマチックな成長が進行していると想像するとワクワクしますね。

アゲハチョウ(蛹)

アゲハチョウの幼虫は、柑橘系の木の葉が大好物。あまり移動をしないので、蛹も柑橘系の木でよく見られます。木の周辺の柵に蛹がくっついていることもあります。

冬に蛹や繭を観察しやすい昆虫

ウスタビガ(繭)

「ガ」の仲間と聞くと苦手に感じる方も多いかもしれませんが、ウスタビガは毒のない蛾の仲間で、成虫はふわふわの黄色い毛に覆われた丸みのある体つきをしていてまるでヒヨコのようなかわいらしい蛾です。 そんなウスタビガは、春に卵から幼虫が生まれ、6月頃に枝からぶら下がるような形で鮮やかなグリーンの繭を作ります。この繭から成虫が羽化してくるのは秋の終わりから冬の始まりにかけての時期なのですが、残されたウスタビガの繭はそのまま枝に残り続け、木の葉が落ちる冬になると観察しやすくなります。 クヌギやコナラ、サクラの木の枝によくぶら下がっていますので探してみましょう。とてもきれいな繭なので持ち帰って飾ったりしてもいいかもしれません。

幼虫で越冬する昆虫

トンボの幼虫(ヤゴ)

トンボは、水辺に産卵し、幼虫は水中で過ごします。トンボの幼虫時代は「ヤゴ」と呼ばれますね。池や田んぼの脇の用水路などにいます。水の底に堆積している落ち葉をあみなどでガサッとすくうと出てきます。

クワガタ&カブトムシの幼虫

クワガタ&カブトムシの居場所といえば、どんぐりがなるクヌギやコナラの木。夏の昆虫採集でもおなじみですね。クワガタの幼虫は主にクヌギやコナラの朽木、カブトムシの幼虫は腐葉土の中にいます。観察する場合は、木を傷つけないように注意をして、観察が終わったらそっと元に戻しましょう。

オオムラサキ&ゴマダラチョウの幼虫

エノキの木の落ち葉の下に隠れています。あまり整備されていない公園の方が見つけられます。オオムラサキは、その名のとおり、成虫姿は鮮やかな紫の翅。ゴマダラチョウは黒に白いゴマのような斑点があり、ともに人気の高いチョウチョウです。

卵で越冬する昆虫

コオロギ&スズムシ カマキリ

カマキリの卵は、泡のような形で特徴的。種類によって卵の形や見つかる場所が異なるので、同じ公園内でも、いろいろな種類のカマキリの卵に出会えることも。身近なカマキリをご紹介しましょう!

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