あなたの庭はどんな庭(ポワロ)のネタバレ解説・あらすじ・感想
あなたの庭はどんな庭(ポワロ)のネタバレ解説・あらすじ・感想

あなたの庭はどんな庭(ポワロ)のネタバレ解説・あらすじ・感想

アガサクリスティーのポアロシリーズ『あなたの庭はどんな庭?』のあらすじや感想、トリック・真相・結末などのネタバレ解説や考察を行いました。海外ドラマ「名探偵ポワロ」との相違点も記載しています。

つむじまがりのメアリーさん(Mary, Mary, quite contrary)あなたの庭はどんな庭?(How does your garden grow?)トリガイの殻、銀の鈴(With silver bells and cockleshells)きれいなねえさん、ひとならび(And pretty maids all in a row)

出典元:ハヤカワ文庫『黄色いアイリス(あなたの庭はどんな庭?)』アガサ・クリスティー/中村妙子訳, 英語の歌詞は「Wikipedia」より

ポアロも最後に述べていますが、歌詞の一部が本作のトリックを見破る唯一のヒントです。それは「トリガイの殻」の部分。直前に書かれている「花壇の一つは一部」と組み合わせることで、殻に着目させる仕掛けになっているのだと思います(全部ではなく一部なのがポイント)。ただしトリガイではなく、カキにまで発想を広げなければなりません。

一応、黒幕の一人の名前がメアリーという共通点もあります。もちろん作者のアガサ・クリスティーも、童謡から登場人物の名前を付けたのでしょう。しかし単なるミスリードかもしれないので、トリックがわからないうちは黒幕と決めつけないよう注意が必要です。

ドラマについて

  • チェルシーフラワーショーが開催
  • ジャップが捜査にあたる
  • ヘイスティングスが登場しくしゃみが止まらない
  • カトリーナがソビエト大使館に行く
  • ポワロがレモンを伴ってローズバンク荘に行く
  • 庭にベルが埋まっている
  • シムズが医者
  • ポワロがポニー乗馬大会に行きカトリーナに遺産が入ることを知る
  • カトリーナが逃亡を図る
  • ヘイスティングスが整理されたファイルをぐちゃぐちゃにする
  • メアリーが除草剤を飲んで命を絶とうとする

物語は原作に則っていますが、ドラマ用に脚色されている部分が多くあります。まずは「ポワロ」という名のピンクのバラが発表されたチェルシーフラワーショーの開催。ここでショーに招かれたポワロは、バロビーに会い種袋を渡されます。種袋は「株(ストック)」というヒントになっていましたが、この場面をメアリーに目撃されていたためバロビーは亡き者にされてしまいました。

また、捜査をジャップが担当。それに伴い原作で地元警察の警部として登場していたシムズが医者に変更となっています。レモンも活躍の場が増え、ほとんど最初から最後までポワロの捜査に同行しました。

代わりにヘイスティングスは、くしゃみが止まらず今回は裏方。ポワロとレモンが不在中に請求書の電話が頻りにかかってきて、ファイルを散らかしお金を払ってしまいます。当然ながらレモンは激怒。しかもくしゃみの原因はバラによる花粉症ではなく、ポワロが5ギニーで買ったコロンというオチでした。

感想

読了後にまず思ったのは、「カキって噛まないの?」ってことです。自分だけなのかもしれないと思いカキの食べ方を調べてみたところ、やはりみなさん噛んでいるよう。トリックの発想は面白いと思いましたが、この部分については疑問が残りました。

童謡に結び付けるあたりも個人的には好きでした。この童謡、実際のメロディは明るいですが、歌詞の内容はどうやら歴史的事実の暗示みたいです(諸説ある模様)。それにしても庭を見て童謡が頭に浮かび、結果的に謎を解くカギになるのだから、ポアロの鋭さはさすがとしか言いようがありません。

笑っちゃったのはヘイスティングスの話。ポアロは想像力が大したものと言いつつ、いつも間違っていたと発言。一方のレモンはそれを聞いてもまったくの無関心。結果的にヘイスティングスは、その場にいないにもかかわらず両者からイジられてしまいました。