DIYで包丁を鏡面仕上げに(方法・手順)
DIYで包丁を鏡面仕上げに(方法・手順) 鏡面仕上げにおいて重要なのは、『丁寧さと根気と、セルフコントロール』です 決して簡単に終わるものではありませんので、必ず休憩を入れながら、できれば複数日に分けて作業しましょう そうすることで作業が丁寧になり、結果としてきれいな鏡面に仕上ります そういった部分が「セルフコントロール」です
鏡面仕上げにおいて重要なのは、『丁寧さと根気と、セルフコントロール』です 決して簡単に終わるものではありませんので、必ず休憩を入れながら、できれば複数日に分けて作業しましょう そうすることで作業が丁寧になり、結果としてきれいな鏡面に仕上ります そういった部分が「セルフコントロール」です 自分自身を上手に操り、集中力が落ちる前に休憩を入れ、思い通りにならずにイライラしてきたら作業を中断します 時間に余裕があって、精度の高い作業ができるときだけに、自分に作業をやらせるのです
※ 追記 包丁のカスタム2 - 口金の鏡面仕上げ のページにて、サンドペーパーの番手ごとに、6枚の仕上がり画像を掲載しました
光源を上手に使う ことや、 磨く方向を変える こと、 同じ番手でも3段階に分ける 考え方など、かなりマニアックな磨きテクニックを公開しています(鏡面仕上げにこだわりたい方は、参考にしてください)
サンドペーパーを使って、ここまで仕上げました (実際にはこの状態からさらに施工しました) 画像をクリックしても、該当ページにジャンプ可能です
月寅次郎の本(著作)
ダマスカス包丁の真実 420円 オールステンレス包丁の真実 340円 おすすめ包丁ランキング関孫六スタンダード編 530円 セラミック砥石の嘘 340円 一部の本の紹介です。全作品は、著作一覧ページ をご覧ください。書籍価格は2024年4月時点。Kindle Unlimited の無料期間を使えば、全巻読み放題※ 月寅次郎がこっそり明かす、包丁と刃物の裏話。 大人の事情で『核心部分』は書籍版のみの公開です。
当サイトの内容が本になりました!このページを読んで 役に立った と思ったら、 投げ銭代わり に上の本でも買ってやって下さい。
追記:稚拙な解説ページを鵜呑みにしないよう、気をつけましょう
先日、 「包丁を自分で鏡面仕上げできるのか?」 というページに目を通してみました 内容を一言でいうと、「2時間あれば、あなたも自分で包丁を鏡面に仕上げられます」というものでした
しかし、よく読んでみると、実際に鏡面に加工しているのは、和包丁(鎌型薄刃包丁)の平の部分であり、洋包丁の鏡面仕上げに時間がかかる事については、全く言及がありません
ちなみにその記事を書いているのは、なんと堺の老舗の包丁メーカーなのです。 これにはさすがに 「いかがなものか?」 と思いました 包丁を製造・販売している業者が、消費者の誤解を招くことを、平気で書いて良いのか? という感じです 正直言って、良識を疑います
「包丁の鏡面仕上げは、2時間でできる」というミスリード
前述のページで、鏡面に加工しているのは、 和包丁の平(ひら) の部分です
この「平」を鏡面に仕上げるのは、 和包丁の世界ではよくあるパターン で、商品価値を上げるために、最初から平を鏡面に加工した和包丁も多数販売されています
平(ひら)の鏡面仕上げは、それほど難しくない(むしろ簡単な部類)ベルトサンダーなどの電動工具が無く、手作業で磨き加工を行う場合でも、平面であるがゆえに当てゴムなどを使って均一な加工を施しやすく、包丁やナイフの中では「 最も簡単な鏡面仕上げ 」の一つと言えるでしょう
形状だけでなく、硬度的にも鏡面に仕上げやすい柔らかさ通常の 和包丁の「平(ひら)」 の部分は、 軟鉄 が使用されています(本焼きを除く)
この「軟鉄」という素材は、鋼(はがね)やステンレス刃物鋼とは全く異なり、 炭素含有量が0.08%以下 と非常に低く、包丁の刃体に使用される金属素材の中では、ダントツに柔らかい素材です(そもそも刃物鋼ではないので硬度が低く、磨きやすいのです)
新品の包丁なら、傷や錆を取って下地を出す必要もないさらに 新品の包丁を鏡面に加工 する場合は、 難易度が大幅に下がります
長年使用された包丁を鏡面に仕上げるのとは異なり、 傷や錆を除去 して下地を出す必要がないからです。ほぼ 下地の出ている状態からスタート することになり、作業時間が大幅に短縮されます 厳密に言うと、和包丁の平は、通常「木砥」で仕上げられていることが多く、一種のヘアライン仕上げです。職人によって表面処理された木砥目は、均一に仕上げられた凸凹のようなものですので、既に下地が出ていると言っても過言ではありません
包丁の鏡面仕上げの難易度を左右する三要素
- 刃物の形状(平面か曲面か、峰やアゴ回りの加工も行うか)
- 素材の硬度(側面も刃物鋼材の一枚物の包丁>ステンレス系の3枚合わせ包丁>軟鉄)
- 下地の状態(深い傷や、ピンホール状の錆の有無)
これらに全く言及せず、最も簡単な和包丁の平を鏡面にして、「 2時間で鏡面にできる よ!」と言ってのけるのは、これはもう、 消費者のミスリードを誘っているとしか思えません そのページには、一応「包丁の種類にもよりますが」という一文もあるのですが、それでは不十分です
なにしろ、そのページを書いているのは、大阪は堺市に所在を持つ包丁ブランドなのです。和包丁だけではなく、洋包丁も販売しているのです。 (海外販売にも積極的です) わたしがここで言及したことを、知らないわけがありません
万一知らないようであれば、包丁の仕上げについて知識不足であり、ど素人と言って構わないでしょう(包丁を販売するに値しません) また、知っていて敢えて書かないのであれば、それは悪質です(わざと消費者のミスリードを狙っているのですから) 消費者を思いやるのではなく、最初から騙すつもりならば話は別ですが、包丁メーカーとしての矜持があるのであれば、「包丁の種類にもよりますが」の一文で煙に巻くべきではありません はっきりとした説明が必要でしょう
包丁の鏡面仕上げの作業時間は、実際どのくらいなのか?
「平」が、包丁に占める表面積は、たったの1/4程度でしかありません 残りの面積3/4のうち、1/4が切刃となり、2/4が裏すき(裏面)となります 洋包丁には「平」という概念がなく、刃体全体が作業対象となりますので、面積は4倍となり、作業時間を単純に4倍すると、8時間かかることになります
「 3枚合わせ 」や「 割り込み 」ではなく、側面材の無い一枚物の包丁の場合、側面も刃物鋼としての硬度を持っています。このため、さらに時間がかかります 安物の包丁であれば、 硬度がHRC56~57程度 なのでまだ良いですが、 耐摩耗性に優れたVG10 などの一枚物のステンレス包丁の場合は、なかなか研磨が進みません そのため、15時間~20時間かかってもおかしくありません (ここまでくると実際にやるのも大変ですので、わたしの場合電動工具を併用することも多いです) こうやって見ると、「サンドペーパーと白棒、青棒を使って、 2時間で包丁を鏡面に できるよ!」というのは、 和包丁の平 だからこそ可能なことであり、和包丁の所有者自体が少ないことも考慮すれば、あまり一般的なケースとは言えません
和包丁は、世界に誇る日本の文化 の一つであり、何世代にも渡って継承されてきた 技術的な遺産です
上の画像は、わたしが 実際に使っている和包丁 です 柄のついていない方の一本は、柄付する前に撮影したものです。柄付や鏡面、漆塗りなど、カスタムのやり方、手順は、下のリンク先を見るとわかると思います
誤解を招く記事を垂れ流す業者ほど、ダマスカス包丁をすすめてくるこういった ミスリードを誘う業者 は、よく「 ダマスカス包丁は、とてもおすすめ! 」と言って勧めてきたりするんだよね ・・・と、思いながら、くだんのサイトを眺めていたら、本当にダマスカス包丁を勧めていました
「家庭用で迷ったらこれ」、「お勧め・人気No1」、「ミルフィーユ模様がカッコいい」と推している有様です もう、呆れて物が言えません ダマスカス包丁がおすすめできない理由は、こちらのページで詳しく解説していますので、興味のある方はご一読下さい