メキシコ議会で公開された「宇宙人のミイラ」 真贋めぐり「科学」かざした大論争
メキシコ議会で公開された「宇宙人のミイラ」 真贋めぐり「科学」かざした大論争

メキシコ議会で公開された「宇宙人のミイラ」 真贋めぐり「科学」かざした大論争

「未知との遭遇」を果たすことになったのは、メキシコ市にある小さなクリニックの診察室だった――。2023年9月に開かれたメキシコ議会の公聴会で公開され、世界に衝撃を与えた「宇宙人のミイラ」とされる物体と対面したのだ。ミイラ騒動の背景を探...

さらに、メキシコは6年に1度の大統領選、上下両院の議員選、州知事選などを今年6月に控える。「微妙な案件に口を出すのは候補者にとって得策ではない」とメリーノ氏。 今回、さまざまな議員に取材を依頼したが軒並み断られたので、議会でぶら下がり取材を試みた。 与党で教育・科学技術を担当するマリア・エルナンデス議員(63)が取材に応じてくれたが、「おもしろい話題を提供してくれたが、ミイラが本物かどうかはわからない」と歯切れが悪い。

取材に応じる与党「国家再生運動」のマリア・エルナンデス議員=2024年3月6日、メキシコ市、星野眞三雄撮影

一方、野党「市民運動」の大統領候補となったホルヘ・マイネス 議員 は、昨年11月に予定された2回目の公聴会の中止を要請し、「偽エイリアンの疑似科学を肯定することは容認できない」と主張した。

「作り物」「サーカス」相次ぐ批判

メキシコ国立自治大学(UNAM)天文学研究所=2024年3月6日、メキシコ市、星野眞三雄撮影

メキシコ国立自治大学(UNAM)天文学研究所は、昨年9月の公聴会前日に声明を発表。「地球外生命体の探索は、科学にとって非常に重要な問題だ。 さまざまな分野でその可能性が研究されている。 ただ今日まで、地球外生命体の証拠を示す報告はない」と指摘した。

同研究所のホセ・フランコ 教授 (74)は取材に、「地球外生命体はいると思うが、科学に基づいて科学者が発表すべき問題だ」と話した。

同研究所のフリエタ・フィエロ氏(76)も「 地球外生命体のサインを科学的に研究している 」というが、ミイラについては「あんな作り物がメキシコ国民の代表である議会で発表されたのは恥ずかしいことだ」と切り捨てる。

調査を主導した法医学考古学者のフラビオ・エストラーダ氏(54)はオンライン取材に対し、「動物や人間の骨を現代の接着剤でつなぎ合わせた物だ。メキシコ議会のミイラは、空港で押収したものと同じではないが、同様に作り物だろう 。ペルーでこの手の人形をつくって高額で売っている人物もわかっている 」と説明したうえで、こう言い切った。

アメリカ・ハリウッドで新たなミイラを発表

臨時の記者会見場となったプールの隣にあるカフェスペースには、新聞社やテレビ局などから約60人が参加した。ミイラの 実物やX線・ CTスキャン の画像などをモニターに映し、 マウサン氏が説明する。ペルーやメキシコの大学などとオンラインでつなぎ、ミイラについての詳しい分析結果をスペイン語でやりとりする。集まったアメリカの記者にも理解できるように、英語の同時通訳をスマホのアプリで流した。

「科学」vs「科学」の論争

UFOなどの超常現象を科学的に学ぶオンライン講座「IMIX」を2012年から始めたフェデリコ・マルティネス 学長 (38)は「UFO研究のハーバード大学といわれている」と笑う。始めたときには15人だった生徒は、現在500人にのぼり、アメリカやアルゼンチン、カナダ、ドイツ、オランダなど90%は外国人だという。

星野眞三雄 朝日新聞GLOBE副編集長 地球外知的生命体を探す
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