【決定版】籾殻の使い道|畑のデメリットを克服する土壌改良術
籾殻の使い道にお困りですか?畑にそのまま撒くと窒素飢餓や虫のリスクも。この記事では、生の籾殻が持つデメリットを微生物(カルスNC-R等)の力で克服し、最高の土壌改良材に変える方法をプロが解説。失敗しないための、最適な籾殻の使い道がわかります。
土の中の微生物が有機物(この場合は籾殻)を分解する際、エネルギー源として炭素を、そして自身の体を作るために窒素を必要とします。籾殻のようにC/N比が非常に高い(炭素が多く窒素が少ない)資材が土に投入されると、微生物は籾殻の豊富な炭素を分解するために、畑の土の中に元々あった窒素を急激に消費してしまいます。その結果、作物が吸収すべき窒素が不足し、葉が黄色くなるなどの生育不良を引き起こすのです。これが窒素飢餓です。
また、生の籾殻は表面がワックス成分で覆われているため水を弾きやすく、土にすき込んだ直後は土壌が乾燥しやすくなる傾向があります。水はけの悪い土壌には有効ですが、元々水はけの良い畑では保水性が低下しすぎるリスクがあるため、散水管理に注意が必要です。
項目生の籾殻発酵済み籾殻(堆肥)分解速度遅い(約2~3年)速い窒素飢餓リスク高い低い土への効果物理性改善が主物理性・生物性・化学性の総合的改善使い方少量ずつ、窒素分を補いながら使用完熟していれば比較的安心して使用可能 籾殻を使うと虫がわくって本当?結論から言うと、生の籾殻を長期間、畑の隅に山積みにしておくと、虫の住処になる可能性はあります。籾殻の山は、保温性と保湿性に優れ、隙間も多いため、ワラジムシやダンゴムシ、ナメクジといった多湿な環境を好む虫や、カメムシなどの越冬場所として最適な環境を提供してしまうことがあります。これらが直接的に大きな害をもたらすことは少ないですが、見た目の不快感や、特定の害虫の温床になるリスクは否定できません。
一方で、籾殻を燻して炭にした「籾殻くん炭」には、アブラムシなどを寄せ付けにくくする忌避効果があると言われています。これはくん炭特有の匂いや、アルカリ性の性質によるものと考えられています。土の表面に薄くまくことで、一定の害虫予防効果が期待できるのです。
虫をわかせないためのポイント虫の発生を避けるためには、生の籾殻を長期間放置せず、速やかに土にすき込むことが重要です。また、ただすき込むだけでなく、後述する微生物資材などを使って発酵を促し、堆肥化することで、虫が寄り付きにくい環境を作ることができます。
畑で籾殻を入れすぎた場合のリスク「土に良いものならたくさん入れた方が効果があるだろう」と考えてしまいがちですが、籾殻に関してはその考えは当てはまりません。畑に籾殻を入れすぎることは、いくつかの深刻なリスクを伴います。
まず、前述した「窒素飢餓」がより深刻なレベルで発生する可能性が高まります。大量の籾殻を分解するために、土壌中の窒素が微生物によって過剰に奪われ、作物が全く育たないという事態に陥りかねません。
次に、土壌の過乾燥です。籾殻を大量に投入すると、土の隙間が大きくなりすぎて、水はけが良くなりすぎます。特に砂質の畑など、もともと乾燥しやすい土壌では、水持ちが極端に悪化し、頻繁な水やりが必要になったり、干ばつの被害を受けやすくなったりします。
さらに、籾殻は非常に分解が遅い資材です。一度に大量にすき込んでしまうと、何年も土の中でゴロゴロとしたまま残り続け、土壌環境が安定するまでに長い時間がかかってしまいます。その間、作物の根張りが悪くなるなど、栽培に悪影響が及ぶことも考えられます。
籾殻の適正な投入量初めて籾殻を土壌改良に使う場合は、土全体の容量の1割程度を目安に、少量から試してみることを強くおすすめします。畑の状態をよく観察しながら、数年かけて少しずつ投入量を調整していくのが失敗しないための秘訣です。何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
土壌改良に活かす籾殻の使い道
- 籾殻を畑にまく際の注意点
- 籾殻を土に混ぜる正しい方法
- 微生物が鍵となる籾殻の畑での使い方
- 最適な籾殻の使い道を見つけよう
まず最も重要な注意点は、一度に大量に投入しないことです。土壌全体の1~2割程度を目安にし、特に初めて使用する場合は、ごく少量から試して土壌の変化を観察しましょう。
次に、窒素飢餓を防ぐために窒素分を補うことが重要です。生の籾殻をすき込む際には、必ず窒素分が豊富な資材と一緒に施用してください。
籾殻と一緒に使うと良い資材- 米ぬか:窒素やリン酸、ミネラルが豊富で、微生物の栄養源となります。
- 鶏糞や牛糞などの家畜糞堆肥:窒素分を多く含み、発酵を促進します。
- 油かす:代表的な有機質の窒素肥料です。
籾殻を土に混ぜる際の「正しい方法」とは、生のまま投入するのではなく、あらかじめ微生物の力を借りて発酵・分解を進めてから使うことです。これにより、窒素飢餓や分解の遅さといった生の籾殻が持つデメリットを解消し、そのメリットを最大限に引き出すことができます。
具体的には、籾殻を使って「堆肥」を作るのが最も効果的です。
この発酵プロセスをより効率的かつ確実に行うために、市販の微生物資材を活用するのがおすすめです。
微生物が鍵となる籾殻の畑での使い方籾殻のデメリットを克服し、畑で真価を発揮させるための鍵は、「微生物」にあります。生の籾殻をただ土に入れるのではなく、有用な微生物の働きを積極的に利用することで、理想的な土壌改良資材へと生まれ変わらせることができるのです。
その代表的な方法が、「カルスNC-R」や「EM菌」といった微生物資材を活用することです。
カルスNC-Rの活用カルスNC-Rは、多様な微生物が含まれた土壌改良資材です。生の有機物(籾殻など)と一緒に土にすき込むことで、土壌中で有機物を急速に分解・発酵させ、堆肥化を促進します。これにより、面倒な切り返し作業なしで、畑の中で堆肥作りができてしまうのが大きな特徴です。窒素飢餓のリスクを抑えつつ、短期間でふかふかの土を作ることが可能になります。
EM菌の活用 アーバスキュラー菌根菌との相性も抜群籾殻を炭化させた「くん炭」は、植物のリン酸吸収を助けるアーバスキュラー菌根菌の絶好の住処になることが知られています。籾殻を発酵させて土壌環境を整えた上で、菌根菌資材などを活用することで、さらなる相乗効果が期待できます。これも微生物の力を借りた高度な活用法の一つです。
最適な籾殻の使い道を見つけよう- 籾殻は稲作の過程で大量に発生する農業副産物
- かつて行われた野焼きによる処分は現在法律で禁止されている
- 主な使い道は畑の土壌改良材や家畜の敷料、マルチング材など
- 土の通気性や排水性を高め、団粒構造を促進する効果がある
- 生のまま大量に使うと「窒素飢餓」を引き起こすリスクがある
- 原因は炭素分が多く窒素分が少ない「C/N比」の高さにある
- 分解に時間がかかり、入れすぎると土の乾燥を招くことも
- 生の籾殻を山積みにすると虫の住処になる可能性がある
- くん炭にするとアブラムシなどの忌避効果が期待できる
- デメリットを克服する鍵は「微生物」による発酵
- 生のまま使う際は窒素分(米ぬか等)を補うことが重要
- カルスNC-Rを使えば畑の中で簡単に堆肥化できる
- EM菌を使って「ぼかし肥料」を作るのも効果的な方法
- 発酵させてから使うことで窒素飢餓を防ぎ、即効性が高まる
- 正しい知識を身につけ、あなたの畑に合った最適な籾殻の使い道を見つけましょう
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