裏ビデオとは? わかりやすく解説
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裏ビデオ(うらビデオ)とは、性器にモザイク処理などを加えず性交場面などを収録しているポルノ映像作品(広義のアダルトビデオ)である。日本においては、わいせつ物頒布罪に該当する恐れがあるため、流通・販売が「表」では行えず「裏」で行われるためこう呼ばれる。かつてのブルーフィルムのフォーマットがビデオに変わったもの [ 1 ] 。1980年代頃より制作と販売がなされていた。ここでは主に日本の裏ビデオについて記述する。DVDによる無修整ポルノ映像作品については裏DVDを参照。
概説
歴史
創成期(1980年代前半)映画が作られるようになってまもなく、わいせつな映画も作られるようになった。日本にも20世紀初頭から流入、独自に国内でも製作されるようになり、一部で非合法フィルム=「ブルーフィルム」の秘密上映会が行われるようになった [ 2 ] 。1960年代には10万本以上も売りさばくブローカーが現れるなど活況を呈していた [ 3 ] が、「ブルーフィルム」の上映には映写機など高価で大きな機材が必要なため、一部の愛好家による道楽的な要素が強かった。小型で家庭でも視聴が可能なビデオデッキの普及は、アンダーグラウンドメディアに革命をもたらし、フィルムからテープへの記録方式の変化によって「ブルーフィルム」はやがて淘汰され消滅していった。しかし、撮影のノウハウなどは少なからず裏ビデオに影響を与えることになった。
発展期(1980年代中頃) 成長期(1980年代後半) 成熟期(1990年代後半から2000年頃) 現在2022年に成立したAV出演被害防止・救済法において、アダルトビデオの定義が「性行為に係る人の姿態」の映像と定義されたため、わいせつ罪や、著作権侵害にあたらない映像も成立以降は同法における規定を満たさないもの(演者との契約締結、1年間の無条件契約解除、原状回復義務など)は非合法に当たる可能性が加わった [ 6 ] 。ただし、もともと国外サーバーを経由するなど脱法的に制作されたものが多数であるため、影響があるかは不明 [ 7 ] 。演者との契約体系はひとまとまりの業界があるわけではないので適正AVと異なり法の網を潜り抜ける可能性が指摘されており [ 7 ] 、演者である女性が撮影事業者だった場合も、新法で想定されていないことから法律適用外となる。
流通別分類
合法の国の正規品 現在流通する無修整ビデオはAV女優が出演している米国正規品がほとんどである。通常のアダルトビデオだと、だまされて出演する場合もある [ 要出典 ] 。しかし、発信元の米国などでも規制が厳しくなっており、「騙し」による出演は最近は珍しくなっている。女優と契約していないメーカーが動画を流すのは肖像権侵害であるとして、訴訟沙汰になるケースが増えている。無修整ビデオ販売サイトでは出演女優と直接交渉し、ビデオの出演を依頼することで、トラブルを避けるケースが多くなっている。契約内容が無修整動画を一般に向け販売するというものであるため、かなり高額のギャランティを払わなければ女優は出演しないとされている。そのため、表ビデオに比べ、出演料が何倍にもなるケースがある。この場合では国際販売がほとんどである。 2017年に日本プロダクション協会が設置されて以降、適正プロダクション協会員であるAV女優は海外の無修正ポルノ作品には原則出演できず、出演した場合は除名となる。 日本国内の裏業者 日本裏ビデオ業者によると思われる作品は、実際は摘発逃れのためのたび重なる名称変更、生産国や所在地を明かさず、極めて不明な点が多い。これらの作品は無修整ではなく、性器等のモザイク処理が極めて薄い「薄消し」が施されている。なお、中には「極薄消し」なる、ほとんどモザイクの意味を成さないものもある。摘発逃れができる最低限のモザイクをかけているとされるが、勿論それでも違法性が高い場合がある。 2017年に日本プロダクション協会が設置されて以降、前述の国外業者の場合同様、AV女優は適正AV業者以外の作品には出演できず、出演した場合は除名となる。 同人AVとも呼ばれ、2022年6月にはSMプレイをしていたモデルが死亡し、事件となった [ 9 ] 。 無断コピー品 上記2点及びインターネット作品から、無断でDVD-Rにダビングして販売されるものがある。この場合著作権法にも違反する。 近年は違法アップロードも多くあり、2022年6月3日、ソフト・オン・デマンドは著作権保護啓蒙サイト「STOP!著作権侵害」を開設 [ 10 ] 。推定被害額が13億5000万円に上っていることを公表。NPO団体とも連携し、海賊版の啓蒙および摘発、根絶を目指す姿勢を示した。 裏ビデオに類似するもの 一部の「インディーズ系」に「薄消し」と呼ばれるものが存在し、裏ビデオと同列で販売されているものがあるが、「薄消し」と銘打っている作品であっても、いわゆる裏業界・裏市場における「薄消し」とは異なり、ビデ倫と比べモザイクが小さくても女性器が確認できないほどに濃いことがある。この手の「薄消し」作品は、専門ビデオ販売店でも見かけることが少なくない。
ジャンル
- 裏アダルトビデオ - 女性が出演して女性器や性行為を見せる、主に男性を視聴対象としたもの。
- ゲイビデオ - ゲイである男性同士の性行為(アナルセックス)、もしくはバイセクシャルやノンケの男性がオナニーや女性との性行為を行い男性側の描写を中心としたもの。男性を視聴対象としているが女性ファンもいる。
- アダルトアニメ - 国内で発売されているアダルトアニメ(18禁OVA)では、制作元が同一作品の無修整版の輸出を積極的に行っており、無修整の海外正規品として販売される場合が多い。
- 単発女優物、企画物 - かつての作品では沖田真子や渡瀬ミクなどのものが有名。
- 特集物 - 単品作品の冗長部分をカットし、作品数点分の性交場面だけを集めて一本にした作品。
- 乱交物 - 複数の男性がひとりの女性もしくは複数の女性と性交するもの。
- 熟女物 - 一般アダルトビデオ同様、ビデオ出演者(男優、女優含む)の年齢は18歳(法令による)から30代程度であるが、このジャンルでは、それ以上の年齢層(例えば40〜60歳代の女性(俗に言う「熟女」といわれる女性))が性的行為を行う内容である。
- 素人物 - 素人がプライベートな性交シーンを撮影したもの。画質がよくないものが多い。制作者(業者もしくは個人)が街で一般人(素人)をスカウトして撮影するものもあるが、実際は関係者による演出がほとんどである。
- ハメ撮り物 - カメラマン自らが性交を行いながら撮影するもの。
- 青姦物 - 文字通り、野外での性交物。アダルトビデオでは、大勢の人の前で裸体をさらしたり性交を見せたりするなどの過激な作品は厳しく規制されるようになり、裏ビデオのジャンルになりつつある。
- SM物 - 文字通り、SMを撮影したもの。
- 獣姦物 - 主に犬や馬等の動物と性交するもの。
- 黒人物 - 主として黒人と性交を行う内容である。相手をする女優は女子高生、主婦、単体女優などがある。アメリカのプロの黒人AV男優から素人まで、その数は決して少なくない。
- 裏流出物
- AV女優が出演し、通常のアダルトビデオとして制作された内容で、モザイク処理前のテープが流出したもの(倒産したメーカーの作品が裏の業界に流れることはよくある)。内部の人間が故意にダビングテープを流出させたこともあった。大まかに編集されたいわゆる「粗編集」のままダビング、コピーされ流通するため、通常カットする監督の声やコンドーム装着シーンなどが入っている、逆に、一切音声が入っていないタイムコード入り映像だけのものもある。そのため、現在の主な合法アダルトビデオメーカーでは、流出対策として早い段階でモザイクをかけている。
- 日本人(日本語をしゃべる・日本と見られる場所で撮影)が出演し、米国向けに無修整で制作された作品が逆輸入され、日本で裏ビデオとして流通しているもの。
- プライベートで撮影された素人男女の性交ビデオが、故意に流出あるいはwinnyなどファイル共有ソフトを介して流出したもの。
- ロリータビデオ・ショタビデオ
- 18歳未満の少年少女の裸体や性行為を映したもの。児童ポルノ法施行前に制作されたものと、それ以降に制作されたものに分類される。
- 前者は、単にロリータビデオもしくはショタビデオといった場合、裏ビデオには属さないものもあることに注意。裏ビデオに属するものの場合、双方ともに違法性が高い。また、被写体の児童やその保護者の同意の下に撮影されたものと、児童への猥褻行為を記録したものとがある。海外でも違法性が高い国が大半を占めており(重罪になることもある)、入手が困難で、ほとんどが海外の裏市場で入手されたものであるが、現在 [ いつ? ] 法規制がされていなかったり、定義年齢が日本より低い国からインターネット配信をする方式で合法的に発信を行っているサイトも一部にある。ロリータビデオではないが、児童ポルノの被写体は女児のみならず男児も含まれ、これを「ショタビデオ」と呼ぶ。日本では、男児の児童ポルノ所持についても既に何人か逮捕者が出ている。日本国内で製作されたと思われるものの例として『名古屋団地』『双子姉妹』『妖精伝説』『堂山ビデオ』(少年を扱ったもの)などが挙げられる。
- 援交物
- 援助交際(少女売春)の一部始終を表したもの。少女に金銭を渡し、性交を行いそれを撮影したもの。特に、少女が18歳未満の場合、これも犯罪行為にあたる。有名な例としては『関西援交』があり、これは制作者が逮捕されている。2000年代のファイル共有ソフトの隆盛により、インターネット上のみならず、それらをコピーした宅配ビデオ業者や裏ビデオ販売業者でも目玉商品として扱われるなど爆発的に拡散してしまった経緯があり、販売業者も多数の逮捕者を出している。
- ラブホテルに隠しカメラを仕掛けたものや、女子トイレ、公衆浴場、学校の更衣室などで秘かに隠し撮りされたもの。トイレ・浴場では女性の協力者がいる場合が多い。迷惑防止条例で定められている地域では撮影者が判明次第罰せられる。アダルトビデオでは、女優と出演契約を行う、やらせ作品も多い。実際に盗撮者が逮捕された学校の更衣室での女子生徒の更衣盗撮映像が販売されていることがある。
- 強姦の一部始終を表したもの。アダルトビデオでは女優などによるやらせ撮影による作品がほとんどであるが、裏ビデオのレイプ物の中には、現実に行われたレイプを録画したものもあり、これは犯罪行為にあたる。実際にレイプ犯からの投稿された映像が販売されていることがある。
- 対して、ポルノの話題を口にするのがはばかられる風潮がある地域では、ポルノに関する情報はなかなか広まらない。その結果、非常に犯罪性の高いものが出てきても、愛好者だけの間で秘密裏に流通が行われるケースが多く、表面化しない場合が多い。
- 本来許されていない場面で、個人が隠しカメラを持ち込んで撮影したもの(コンサートや演劇など。海賊版も参照)。
- 一度テレビ放映されたもので、後に「欠番」などと称され、諸般の事情や肖像権の関係で再映像化が行われなくなったもの(代表的なものとしてウルトラセブンの第12話、前田日明vsアンドレ・ザ・ジャイアント戦のプロレス中継など。封印作品も参照)。
- 倫理的な理由で、通常映像化が行われにくいもので、実際に殺人が行われるシーンや、爆弾テロでの死者や戦争での大量殺戮現場などを撮影したグロテスクなものなど(NHKスペシャル「世紀を越えて」でオープニングのクロスカッティングに用いられたものもある)。
販売方法
販売経路- 繁華街のアダルトショップ(合法アダルトビデオとともに売られている店と、裏ビデオ専門店がある。通販対応しているところも少なくない)。裏社会の資金源ともいわれる。
- アダルトショップ店内での呼び込み(レンタル会議室などに客を集めて、リストを見せて選ばせる)
- 独身男性(女性)の家(アパート)にビラを投函し、宅配便や販売者が届ける。
- インターネット合法サイト(アメリカではハワイ州やカリフォルニア州など)を用いての販売(州内では合法)
主な作品
- 洗濯屋ケンちゃん
- コンバット/恐怖の人間狩り
- 網タイツの女
- ホットライン
- 雪国
- 遊女(菊島里子(杉本未央))
- サムライの娘(田口ゆかり)
- ホテトルあらし(宮地ヨシ子)
- 夜まで待てない(沖田真子)
- 家庭教師
- 終冬(宮地ヨシ子) レッドゾーン(神谷琴絵)
- トライアングル PART2(加藤ちえみ)
- 秀美の本番 またいっちゃう(石田秀美)
- マリン・ブルー(森下優子)
- コードネームはオ○○コ(松原恵)
- TABOO(坂本由希)
- マリ子IN愛ラブ(樹まり子)(流出もの)
- 妻たちの性体験シリーズ(プライベートもの)
- 夫婦 愛の賛歌シリーズ(プライベートもの)
- すぷりんぐシリーズ(池内良子)(プライベートもの)
脚注
- ^ 安田理央『日本AV全史』(2023年、ケンエレブックス)61、62頁
- ^ 安田理央 (2021年8月26日). “01 AV前史[前編]ポルノ誕生からブルーフィルムへ”. Kenelephant. 2021年11月22日閲覧。
- ^ ブルーフィルム十万巻製作 指名手配の男逮捕『朝日新聞』1970年2月13日 12版 15面
- ^昭和54年警察白書 - わいせつフィルムをもとに複製したビデオテープをサービス品につけてビデオコーダーの売上げを伸ばそうと計画。
- ^昭和55年警察白書 - 電気器具販売業者がビデオデッキの販売促進手段として、それらのビデオテープとセットで販売。
- ^ “AV出演強要、人権団体有志が「AV新法」に賛同 「被害者に寄り添った救済を実現できる」 - 弁護士ドットコムニュース”. 弁護士ドットコム (2022年5月17日). 2022年6月5日閲覧。
- ^ ab “議論百出「AV新法」の抜け穴、 配信者が明かす「FC2コンテンツマーケット」という“無法地帯”(抜粋)”. デイリー新潮 (2022年6月6日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ 集英社『週刊プレイボーイ』2022年8月29日号No.34/35 134頁
- ^ “新潮砲第2弾、皇居内を1時間も“散歩”していた謎の中国人男と皇宮警察の“隠蔽””. 日刊サイゾー (2022年6月27日). 2022年8月13日閲覧。
- ^ “ソフト・オン・デマンドが著作権保護啓蒙活動!サイト「STOP!著作権侵害。」を本日2022年6月3日より始動!”. 日刊SODオンライン (2022年6月3日). 2022年6月5日閲覧。
- ^「カリビアンコム」運営を初摘発 無修正AVを配信した疑い 2017.3、ハフィントンポスト
参考文献
- ビデオ・ザ・ワールド(白夜書房・コアマガジン)バックナンバー各誌
- オレンジ通信(東京三世社)バックナンバー各誌
関連項目
- コンピュータソフトウェア倫理機構(EOCS)
- ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合(VSIC)
- 日本映像制作・販売倫理機構(JVPS)
- 日本コンテンツ審査センター(JCRC)
- 配信映像審査ネットワーク(OCCN)
- ピンク大賞
- 東京スポーツ映画大賞/エンターテインメント賞→AV OPEN〜あなたが決める!セルアダルトビデオ日本一決定戦〜(AVグランプリ)
- スカパー!アダルト放送大賞
- FANZAアダルトアワード
- このエロVRがすごい!
裏ビデオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/24 22:17 UTC 版)
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