自動遠心クラッチと並ぶ旧カブの特長的装備「ボトムリンク」。なにげに凄いこの機構について、構造や使いこなし、カブ以外にも採用していた名車など、調べてみた。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.209〉
JA07より前の古いカスーパーカブ、いわゆる鉄カブ。自動遠心クラッチをはじめ特長的な機構がたくさんあるんだけど、フロントのボトムリンクサスもそのひとつ。フロントブレーキだけで止まろうとするとピョコッっとフロントが浮き上がる、あれね、そんなボトムリンクサス、実は想像以上に優秀なサスなのよ。あと、ピョコッとさせない使い方も。というわけで今回はボトムリンクのお話。
重心が低いとか、車中が軽いとかももちろんあるんだけど、未舗装路だと「あんまり効かなくてリフトするフロントサス」が、意外と気楽なのよ。上手な人ならそんなこともないのかもだけど、未舗装路でダイブ(ピッチングモーション)を起こすとすると自分の場合すごく怖いのね。特に下り。だけど、カブの場合は下りで焦ってフロント掛けても、突っ張ってくれるから体が落ちる感覚にならない。なので、怖さでパニックを起こさず、割と余裕を持って対応できるのよ。 あくまで自分の場合ね。
それともうひとつ、不整地を走ってるとギャップとか穴ぼこがあるじゃん。そういう場面で、フロントホイールが凄く軽く良く動いてくれるのよ。思うにこれは、テレスコピックよりもバネ下重量が軽いからじゃないかな。
テレスコピックの場合は、フロントのバネ下重量って「Fホイール+ボトムケース」になるけど、カブつまりリーディングリンク式ボトムリンクの場合は「ホイール+ダンパーのシャフト」だけ。
さらにステムに向かってまっすぐ衝撃を受けるテレスコに対して、ボトムリンクはリンクの先端で衝撃を受けるので、外乱に対してバネ下をより軽く速く動かすことが出来てる気もする。
アンチリフト付ボトムリンクについて
ボトムリンクのアンチダイブを抑制するアンチリフトアンチリフトといえばスーパーカブ50スーパーカスタム。カスタム系なのでライトは四角い。右側のフォークに取り付けられたアーム、これがアンチリフト機構ね。ブレーキパネルの上部につながってるやつ。
通常のカブだと、スイングアーム (ボトムリンクのアーム) がブレーキパネルに対して溝で固定されてる。でもスーパーカスタムの場合は、スイングアームとその上にあるブレーキトルクリンクによって、ブレーキパネルとフォークが接続されてる。
なのでフロントブレーキを掛けると、「ブレーキトルクリンク (アンチリフト機構のアーム部分) 」によって「ブレーキパネルの接続部」が進行方向斜め上に引っ張られる。その結果、アームに引っ張られてフォークが沈むって案配ね。
ビジネスバイク「スーパーカブ50」シリーズの中・低速域での取り廻し性能をより向上させて発売 www.honda.co.jpボトムリンク(アンチリフト付)を採用したレーサーの一例
まずはベンリィCB92スーパースポーツ。第2回全日本モーターサイクル・クラブマンレース(浅間高原)いわゆる浅間火山レースでも大活躍した名車。
Honda Collection Hall | コレクションサーチベンリイ CB92 スーパースポーツ
こちらは市販レーサーモデルであるCR71。
Honda Collection Hall | コレクションサーチ apps.mobilityland.co.jpホンダがマン島TTレースに初挑戦した記念碑的モデルであるRC142もアンチダイブ付きリーディングリンク式ボトムリンクサスを採用してる。
ホンダ「RC」の歴史を解説! 勝利のためのレーシング・ブランド〈RC〉の称号を冠した歴代モデルとその偉業を紹介 - webオートバイ www.autoby.jpボトムリンクにはトレーリングリンク式も
ちなみに、ちょっと昔のスクーターとかにもボトムリンクは使われてたのよ。リードとか。ただ、ボトムリンクとはいってもトレーリングリンク式。
フロントフォークより前にアクスルシャフトがあるのがリーディング。逆にフォークより後ろにアクスルシャフトがあるのがトレーリングね。
ゆとりのボディサイズをもつメットインスクーター「ホンダリード」、「ホンダリード90」の2機種を発売 www.honda.co.jpちなみにこれは「ジャイロキャノピーのブレーキ強化するためにNSR50やリード(AF20系)のパーツを使ってディスク化した」もの。世の中にはまだまだ知らない世界がたくさんあるのね。詳細はコチラ。
ボトムリンクの上手な使い方
フロントだけ掛けるとリフトしてるよね。でも、リアを先に掛けると、その後にフロントを掛けてもリフトせずにダイブするのよ。
つまり「リアを先に掛ける」ことがボトムリンク使いこなしのポイント。そう、これってテレスコでも同じなのよ。バイクの基本的操作がボトムリンクでも重要なのね。
だいぶ上の方で「不整地の下りであわててフロントを掛けてもリフトすることで怖さが少ない」って書いたけど、そもそもリアを先に掛ければ安全かつ制動力も十分に発揮されるのよ。
じゃあなんで、リアを先に掛けるとリフトしないかっていうと、たぶんこういうこと。
足裏感覚が超大事! 国際A級ライダーにスーパーカブでオフロード走行するコツを教えてもらった。ライテク・オフロード後編 - webオートバイ「リアを先に使うというのはカブに限らずバイク操作の基本なんです。バイクが一般に普及する大きな原動力となったスーパーカブですが、リアブレーキ操作が非常に重要な構造になっているのは、バイク操作の基本も普及させてきたのかもしれませんね」
ボトムリンクに使われているブッシュの劣化に注意
ちなみに、目安としてフロントホイールを左右にゆすってガタがあるようだったら、ブッシュ交換すべき。
【ホンダ純正】フロントサスペンションアーム オーバーホールセット cuby.ocnk.netボトムリンクを現代のアスファルトでも活用するならスタビリティスプリング
フロントクッション用スタビリティースプリング[1台分]ボトムリンク車用 cuby.ocnk.net スタビリティースプリング付フロントクッション[1台分]ボトムリンク車用 cuby.ocnk.netなんでバネだけで乗りやすくなるかというと、フロント側の車体って、サスを縮ませようとする重力と、サスが伸びようとする力のバランスで立ってるのよ。なので、ここを強化することで基本姿勢がビシッとするって案配ね。
あと、ボトムリンク最大の弱点である「サスストロークの少なさ」という部分を、スプリング強化で補うって意味合いもアリ。
ひとことでいうと「普通に走っててふわふわしなくなる」って感じ。オススメよ。自分も長い事使ってるけど、めっちゃ乗りやすくなるよ。
まとめ
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若林浩志 - webオートバイ愛知の地方カメラマン。1973年生まれ。撮影は、バイクと料理とブツ撮りが好き。 所有バイクは、ホンダ・スーパーカブ90とヤマハ・TDR250。平成終盤にキャンプに目覚め、ネットで用品を買いまくる毎日。 趣味はamazonレビュワーランキング上げ。最近はメルカリにハマっています。 公式サイト:https://motortoon.net/ Twitter:https://twitter.com/motortoon/
愛知県のフリーカメラマン。広告雑誌撮影の若林写真事務所 Related Articles アルミボディで超コンパクト。どんな車種にも似合う人気LEDウィンカーの「701LEDフラッシャー」を装着してみた。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.366〉 若林浩志 @ webオートバイ 片手で一秒脱着の最新スマホホルダー「GRエクスプロア」を試してみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.365〉 若林浩志 @ webオートバイ 通勤で酷使されてるスーパーカブ110(JA44)のメンテナンス③。結束バンドを使ってタイヤを新品に交換するよ〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.364〉 若林浩志 @ webオートバイ 空気入れのチャック(バルブへの取り付け部分)をワンタッチで差せるようにして使いやすくしてみる〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.363〉 若林浩志 @ webオートバイ- HOME
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