宮本浩次が50代でソロ活動を始めた理由「“赤裸の心”で到達できる未来」(後編)
宮本浩次が50代でソロ活動を始めた理由「“赤裸の心”で到達できる未来」(後編)

宮本浩次が50代でソロ活動を始めた理由「“赤裸の心”で到達できる未来」(後編)

宮本浩次。映画『宮本から君へ』の主題歌「Do you remember?」を10月23日(水)に発売撮影=下林彩子 エ…

「94年に最初のレコード会社との契約が切れてみんながやめそうになっている時も引きとめて、『エレファントカシマシでやるべきだ』って言っちゃった手前もあって、『売れるまでは!』って思ってやってきた。その一つの目標が紅白歌合戦で、30周年で初めて出ることができた。ずっとやりたかった47都道府県ツアーも30周年で実現した。本当はもうひとつ、『絶対ナンバー1をとる』ってみんなにも言ってあったから、ナンバー1ヒットも出したかった。まあ、強引に言うならばデイリー1位というのは30周年のベスト盤(『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』17年)でとったけど。俺がとりたかったのは週間1位なんだけどね」

ソロ活動は、昨日今日の話ではなく90年代から考えていた

宮本浩次が赤裸の心で歌を歌うために

一つのことを続けてきた働く50代の転身は珍しいことではない。まして人生100年時代、ある程度の年齢を過ぎれば誰もが“リスタート”に思いをはせるだろう。「Do you remember?」の歌詞にある、「赤裸(あかはだか)の心で」生きるという感覚が、今の自分の現実だと宮本は言う。

「赤裸の心になってしまうと、自分はもちろん森鴎外でもないし、レッド・ツェッペリンでもないと分かって、宮本浩次であるということを認めざるを得ない。『Do you remember?』でも♪宝探しはもう終わりさ、って言ってるじゃない? 夢の夢を語っていた青年が、本当の老年になったということだと思う。今は、自分にふさわしい自分の未来、赤裸の心で到達できる未来を、自分なりに形にできるチャンスなんじゃないかっていうふうに思ってます。エレファントカシマシを通して歌を表現するだけじゃなくて、宮本浩次が赤裸の心で歌を歌えたらいいなって思ってソロをやっている。バンドマンじゃなくて、シンガーソングライターでもなくて、純粋に歌い手でありたい」

「いい歌って、いっぱいあるじゃないですか。例えば『野ばら』という歌、小学校クラシック全集みたいなものに載っていて、私すごく好きだったんですよ。ゲーテの詩で、シューベルトの作曲とヴェルナーの作曲とあるんだけど。演歌でも『おやじの海』なんてすごく好きだったし。いろんな好きな歌がいっぱいある。そういう歌を『歌ってみたい!』っていうのってあるじゃない? 自分のノドをみんなに聞いてほしいっていう。そしてパフォーマーとしてもね、椎名林檎さんとやった『獣ゆく細道』(椎名林檎と宮本浩次/18年)や、東京スカパラダイスオーケストラの『明日以外すべて燃やせ feat.宮本浩次』(18年)や、『The Covers』(NHK BSプレミアム)という番組でカバー曲を歌ったりすることも大好きなんですよ。もともと子供の頃にNHKの合唱団の先生に、『アンタ合唱団じゃなくて劇団にいらっしゃい!』みたいに言われてたぐらい、暴れるのが好きっていうか、人前に立つのが好きなんです」

みんなの前で、死ぬまで歌っていられたら、それが一番幸せ

【プロフィール】宮本浩次(みやもとひろじ)●1966年6月12日生まれ、東京都出身。エレファントカシマシのボーカル&ギター。88年デビュー。2018年の椎名林檎、東京スカパラダイスオーケストラとのコラボレーションを皮切りに、2019年よりソロ活動を開始。10/23(水)にCD「Do you remember?」のほか、Live Blu-ray&DVD「エレファントカシマシ 日比谷野外大音楽堂2019 7月6日,7日」も発売。2020年3/13(金)千葉・市川市文化会館を皮切りに、全国13会場14公演のソロツアーが決定。