【初心者向け】腹部エコー(超音波)画像と疾患の見方~肝臓編~
【初心者向け】腹部エコー(超音波)画像と疾患の見方~肝臓編~

【初心者向け】腹部エコー(超音波)画像と疾患の見方~肝臓編~

【初心者向け】腹部エコー(超音波)肝臓の画像の見方・疾患とその所見

超音波サイン① ハロー(halo) 肝臓と乳房で用いられており,両者の使われ方が異なる。 前者は低エコー,後者は高エコーに描出される。 肝臓では腫瘍辺縁にみられる低エコー帯を指す。 転移性肝癌では厚みがあり,不明瞭なことが多くこの場合の辺縁部分は転移性の細胞浸潤による。 肝細胞癌では全周性で均等な厚みで明瞭でこの場合の辺縁部分は線維性被膜による。marginal hypoechoic zone(辺縁低エコー帯)としても用いられる。

超音波サイン② モザイク パターン(mosaic pattern) 被包型肝細胞癌の特徴の一つで,その内部構造が多数の線維性隔壁により分割されて,種々のエコーレベルの小結節像として描出される。

マメ知識 ● 肝臓の死角となりやすい部位は?

特に 横隔膜直下のS7、S8と、右葉の辺縁、および左葉の辺縁 です。

肝嚢胞(かんのうほう) liver cyst ■ 臨床像 ・肝内に液体の溜まった袋ができる病気である。 ■ 腹部超音波での主な所見 ・内部は無エコーである。

・後方エコー増強(posterior echo enhancement)がみられる。

超音波サイン ポスティアリィアル エコー エンハァンスメント(posterior echo enhancement) 腫瘤の後方の音響が周囲実質に比べて増強することです。(後方エコー増強)肝細胞癌では腫瘤内部の方が周囲の肝実質よりも音の減衰が少ないため観察されます。

肝膿瘍(かんのうよう)hepatic abscess ~細菌性化膿性肝膿瘍~ ■ 臨床像 ・原因として門脈系の感染や胆管炎に続発するもの、汚染物質の飲食、自然発生、嚢胞や血腫に感染が加わったりするものなど様々である。 ■ 検査 ・血液検査ではWBC、血沈、フィブリノーゲン、CRPなどが参考になる。 ■ 腹部超音波での主な所見 (典型例) ・肝右葉に多発することが多い。

超音波サイン フヮィールス ウィズィン フヮィールス(wheels within wheels) 全体的には低エコーですが腫瘤の中心部に高エコー域がみられる。 高エコー域は壊死組織で、低エコー域は単核球・多核球の浸潤で、その辺縁は線維化に相当し、3層構造がみられる。

うっ血肝 congestive liver ■ 病態 ・心疾患とくに右心不全により静脈系にうっ血をきたしたものである。 ■ 腹部超音波での主な所見 ・IVC(下大静脈)およびHV(肝静脈)の拡張を認める。

超音波サイン プレイボーイ バニー サイン(playboy bunny sign) 肋骨弓下走査で拡張した中肝静脈および左肝静脈がplayboy bunnyの耳に類似することから呼ばれる。 うっ血肝では肝静脈の怒張のためにこの所見が観察される。

胆道気腫 pneumobilia ■ 臨床像 ・肝内(肝外胆管内)に空気が存在している状態。 ■ 腹部超音波での主な所見 ・粒状、線状(直線状・階段状)など様々なストロングエコーがみられる。 肝血管腫 liver hemangioma ■ 臨床像 ・良性腫瘍で肝機能は正常、無症状である。 ■ 腹部超音波での主な所見 (典型例) ・ほぼ円形で境界明瞭な高エコーの腫瘤である。 超音波サイン カメレオン サイン(chameleon sign) 肝血管腫において,体位変換をすると腫瘤のエコーレベルが変化する現象である。 転移性(肝腫瘍)肝がん matastatic liver cancer ■ 臨床像 ・肝臓以外の臓器の癌が肝臓に転移したものである。 ■ 検査 ・血液検査では腫瘍マーカー(CEAなど)が参考になることがある。 ■ 腹部超音波での主な所見 ・腫瘤の内部エコーはさまざまであるが多発性で比較的大きさが揃っていることが多い。

・特徴的なエコー像[ブルズアイ サイン(bull’s eye sign)| ブルズアイ パターン(bull’s eye pattern)など]を呈すものがありHCCや肝血管腫との鑑別や原発巣の推察に役立つ。

超音波サイン ブルズアイ サイン(bull’s eye sign) 腫瘤中心部の変性した領域が高エコーとなり,辺縁に均等で幅の広い低エコー帯を有する円形腫瘤像である。 イメージ像としては,ドーナツ状であり,また,雄牛の眼にも似ていることからbull’s eyeと呼ばれている。 転移性肝腫瘍でみられる所見であるが、真菌性の脾膿瘍でも同様に,中心部が高エコーな低エコー腫瘤がみられる。(target pattern 標的像とも呼ばれるが、target patternは、全周性に壁が肥厚した消化管の輪切り像の表現や腸重積の表現に用いられる。)

超音波サイン クラスター サイン(cluster sign) 腫瘍が増大していく過程において多数の腫瘍がその名のとおり,ぶどうの房状に融合し一塊となったもの。 肝臓の転移性腫瘍を超音波像に対してよく使われるサインである。

成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL) ・肝内に低エコー病変が多発している。

肝臓周辺の異常像

体腔液 〈腹水 | ascites 〉 〈胸水 | pleural effusion〉 腹水(ascites) 胸水(pleural effusion) リンパ節腫大(肝門部) ■ 本例の腹部超音波所見 径が10mm以内の扁平な場合は炎症によるものが多いが本症例は、10mmを超え辺縁にやや不整のある類円形のリンパ節である。 転移性腫瘍などの疑いが強い。

超音波サイン コーシング ライン(coursing line) リンパ節内部にリンパ門(hilum)が線状高エコー像として描出される。 reactive(反応性)なリンパ節の良性腫大像として認められる。 悪性例ではみられることが少なく鑑別点となる。

腹部大動脈瘤 abdominal aortic aneurysm | AAA 大動脈の正常径は一般的に腹部で20mmとされている。 壁の全周が紡錘状に拡大し直径が正常径の1.5倍(30mm)を超えた場合や壁の一部がこぶ状に突出した場合を動脈瘤という。

参考文献: 『実践エコー診断』 日本医師会雑誌特別号 第126巻 第8号 日本医師会 日本超音波検査学会 実用超音波用語集ーサイン集ー

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プロフィール

◇経歴 ・〇△大学教育学部卒(小学校教員養成課程) ・◇〇専門学校卒(臨床検査) ・医療従事者(日本超音波医学会 超音波検査士)~国立病院/国立がんセンター→民間病院~ ・小学生対象学習塾 塾長

◇趣味 ・ゲーム ・クラシックピアノ鑑賞&演奏 ・フィギュアスケート鑑賞&観戦

◇サイト紹介 本サイトは、私の備忘録です。 主に3つのジャンルについて書いています。 ひとつめは、初心者向けの腹部エコーの手順や医学用語、看護用語などについて。 ふたつめは、小学校教育及び教員採用試験対策について。 みっつめは、海事代理士試験の分析や勉強法について。 いずれも参考程度でご覧くださいませ。