変圧器の励磁突入電流とは?影響・事例・対策まで電気主任技術者が徹底解説!
変圧器の励磁突入電流とは?励磁突入電流(現場では『励突』と呼ばれます)とは、変圧器に電源を投入した瞬間に流れる大きな電流です。おおむね0.2sec程度で減衰しますが、瞬間的に定格電流の10~20倍近くに達することもあります。この現象は、通電...
殆どあり得ないことですが、上記の最大励磁突入電流が同時に流れるとすると、342 A が送電系統に流れます。この時、配電線のインピーダンスが仮に 2 Ω だった場合、 ΔV = 342 × 2 = 684 [V] の電圧降下が生じることになります。これは 6600V の 10% 以上となってしまうため、大問題です。通常、コンピュータなどの電子機器は 10% の電圧低下が生じると正常に動作しません。また、発電機側でも大きな電圧変動がある場合に、電力系統側で切り離しが実施される場合もあります。
受電遮断器(VCB)や保護継電器(51)の誤動作励磁突入電流の対策方法 3選
1. エネセーバを変圧器一次側に設置する もう迷わない!断路器、LB、LBS、エネセーバの役割を具体例で徹底比較 www.makoto-elec.com 2. 励磁突入電流によるトリップを回避する制御を行う 3. ソフトスタート方式による励磁突入電流の緩和自家発電装置と接続する場合のことになりますが、変圧器までの電路を全て繋いだ状態で、変圧器に電圧を徐々に印加するソフトスタート方式は、励磁突入電流を効果的に抑制することが可能です。特に、2 000 kVA 以上の大容量の受電変圧器では採用する価値があります。自家発電設備が変圧器の投入による電圧降下に影響を受けない大きければ特に気にする必要性はありませんが。
設計段階で意識したい!励磁突入電対策のポイント
変圧器の仕様確認(突入電流倍率、飽和特性) 系統遮断容量を考慮する通常、高圧設備を設計する場合には遮断容量 12.5 kA (160MVA) を意識して設計していますが、実際の遮断容量はこれよりも小さい場合があります。遮断容量が小さいということは、系統のインピーダンスが大きいということです。系統のインピーダンスが大きいということは、励磁突入電流による電圧降下の影響が大きいということです。
まとめ
30歳で制御設計の世界に飛び込み、未経験から10年以上にわたり、プラント設備の制御設計・更新・改造案件に携わってきました。これまで100件を超える現場経験を通じて、設計図面から制御盤、シーケンス制御、保護協調まで幅広い電気技術を磨いてきました。 保有資格は「第二種・第三種電気主任技術者」「第二種電気工事士」「基本情報技術者」。資格の枠にとらわれず、現場で困っている人を助けられる技術者であることを大切にしています。 このブログ「誠電気設計」では、初心者や若手エンジニアの方にもわかりやすく、実務に役立つ知識を共有しています。学びを通じて、読者とともに成長し続けることを目指しています。
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- 変圧器特有の現象として注目される理由
- 電圧降下・系統不安定化のリスク
- 受電遮断器(VCB)や保護継電器(51)の誤動作
- 1. エネセーバを変圧器一次側に設置する
- 2. 励磁突入電流によるトリップを回避する制御を行う
- 3. ソフトスタート方式による励磁突入電流の緩和
- 変圧器の仕様確認(突入電流倍率、飽和特性)
- 系統遮断容量を考慮する