過活動膀胱の基礎知識
【医師監修・作成】「過活動膀胱」膀胱を制御する神経の異常によって、尿意が予期せず突然起こってしまうことを繰り返す状態|過活動膀胱の症状・原因・治療などについての基礎情報を掲載しています。
急に我慢できないほどの強い尿意をもよおし、それが繰り返される病気のことです。尿が溜まっていないにも関わらず膀胱の収縮が活発になり、そのため尿が漏れそうな感覚が現れたり排尿回数が極端に多くなったりします。頻尿(排尿回数が多くなること)や、尿意切迫感(尿が漏れそうになる感覚)などの症状は膀胱炎など他の病気でも現れます。このため過活動膀胱を診断するときには他に原因になる病気がないことを確認する必要があります。そして、過活動膀胱症状スコアという問診で条件を満たした場合に診断が確定します。症状がひどくなると生活にも支障をきたすことがあるので飲み薬などで治療を行います。トイレがやけに近いなと思うときには過活動膀胱の可能性があるので泌尿器科を受診して診察を受けて調べてもらってください。
過活動膀胱について
- 膀胱を制御する神経の異常によって、尿意が予期せず突然起こってしまうことを繰り返す状態
- 文字どおり「膀胱が活動し過ぎる」状態を指す
- 膀胱内に尿がそれほど溜まっていない場合であっても、排尿の筋肉が頑張りすぎて、急に尿意をもよおしてしまう
- 女性の 頻尿 の主な原因である
- 頻尿・夜間排尿
- 加齢や精神的ストレス
- 溜まった尿の量を感知する膀胱のセンサーが過敏になる
- 脳の中にある排尿を司る部分や 自律神経 の乱れ
過活動膀胱の症状
- 尿意切迫感
- 尿意が予期せず突然起こり、トイレに駆け込む
- トイレに間に合わずに漏れる
- 尿が頻繁に出る
- 寝ていても、尿意で何度も目が覚めてしまう
過活動膀胱の検査・診断
- 問診
- 過活動膀胱症状質問票(OABSS)などを使って、普段の症状について調べる
- ①朝起きた時から寝るときまでに何回くらい排尿をしましたか
- 0点:7回以上
- 1点:8-14回
- 2点:15回以上
- 0点:0回
- 1点:1回
- 2点:2回
- 3点:3回
- 0点:なし
- 1点:週に1回より少ない
- 2点:週に1回以上
- 3点:1日1回くらい
- 4点:1日2-4回
- 5点:1日5回以上
- 0点:なし
- 1点:週に1回より少ない
- 2点:週に1回以上
- 3点:1日1回くらい
- 4点:1日2-4回
- 5点:1日5回以上
- 質問③が2点以上かつ合計点数が3点以上:過活動膀胱の可能性がある
- 5点以下:軽症
- 6-11点:中等症
- 12点以上:重症
- 尿路(腎臓・ 尿管 ・膀胱)に異常がないか検査する
- 残尿測定
- トイレに行った後にどの程度の尿が膀胱内に残っているかを調べる
- 尿中の 白血球 や 赤血球 の有無などを調べる
過活動膀胱の治療法
- 行動療法
- 生活指導
- 排尿日誌などによる水分摂取の適正化
- 膀胱訓練
- 排尿に行きたくなったら我慢して排尿間隔を延長する
- 膀胱容量が多くなり治ることもある
- 抗コリン薬
- 膀胱の過剰な収縮を抑える
- 膀胱容量を広げる
- 筋肉の緊張を和らげる効果があり、膀胱の筋肉にボツリヌス毒素を打ち込む
過活動膀胱に関連する治療薬
抗コリン薬(神経因性膀胱、過活動膀胱治療薬)- 抗コリン作用により膀胱の過剰な収縮を抑え、神経因性膀胱や過活動膀胱などによる尿意切迫感や頻尿などを改善する薬
- 膀胱が勝手に収縮することにより、急にトイレに行きたくなる尿意切迫感や何回もトイレに行きたくなる頻尿などの症状があらわれる
- 神経伝達物質のアセチルコリンは膀胱の収縮に関与し、アセチルコリンの働きを阻害すると膀胱の収縮が抑えられる
- 本剤はアセチルコリンの働きを阻害する作用(抗コリン作用)をあらわす
- 膀胱を広げ尿道を縮めることで、尿を蓄えやすくし過活動膀胱による尿意の切迫感や頻尿などを改善する薬
- 過活動膀胱は膀胱が過敏になることによって勝手に膀胱が縮んで急に尿意をもよおしてしまう
- 膀胱の筋肉におけるβ3受容体が刺激を受けると筋肉が緩み膀胱が広がり尿道を縮ませる
- 本剤は膀胱の筋肉におけるβ3受容体を刺激する作用をあらわす
- 過活動膀胱治療薬である抗コリン薬に比べ、本剤は口渇などの副作用が少ないとされる
過活動膀胱の経過と病院探しのポイント
過活動膀胱が心配な方 過活動膀胱でお困りの方過活動膀胱の治療には、薬によるものとそれ以外のものがあります。膀胱の働きを抑えて頻尿を改善させる薬は広く使われており、一般内科のクリニックで処方が可能です。一方で、自力で治そうとする人もいますが、過活動膀胱に対して有効な市販薬ほとんどないために、やはり医療機関を受診して治療するのがよいでしょう。 薬以外の治療としては、自分で尿を我慢できる時間を少しずつ長くできるように膀胱の筋肉をトレーニングしたり、また、膀胱の周りにある筋肉(骨盤底筋群)の筋力トレーニングをしたりすることで、頻尿の改善を目指します。 こういった、薬剤以外の治療については、泌尿器科以外の医師では細かな説明や指導にあまり慣れていません。過活動膀胱で処方を受けていながらもまだ症状が残ってしまう方は、ぜひ泌尿器科のかかりつけ医を作られるようお勧めします。
過活動膀胱が含まれる病気 過活動膀胱のタグ 過活動膀胱に関わるからだの部位 本記事は複数の医師・薬剤師で執筆・監修をしています 関連する病気について知る 意外な原因も? 夜間頻尿を起こす習慣や病気などについて:前立腺肥大症・過活動膀胱など 夜間のトイレ(夜間頻尿)には意外と多くの人が悩んでいる? 医療機関で相談したほうがよい? 1512 Share 40歳以上の10人に1人が悩む過活動膀胱とは? 急な尿意と失禁を起こす「過活動膀胱」にどんな治療が効くのか? 老人ホームにいる人は、尿漏れがあっても9割は薬で治せない? ステロイド外用剤、どのくらい塗ればいいの?? 休日の頭痛、疲労感、眠気。実は「カフェイン切れ」かも? メロンやパイナップルで喉がイガイガ? アレルギーと酵素反応の違いとは 定期接種化される帯状疱疹ワクチンQ&A:打つといい人、予防効果、副反応など 麻しん(はしか)患者が増加中! 流行に備えて感染症内科医が伝えたいこと(2024年版)本サービスにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。 診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。 本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
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